カテゴリー別アーカイブ: 原理原則

経営者の姿を見る!「株主総会」の活かし方

2017.09.20
prof_okumura

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

個人の株主が、
間近で会社の経営者を見たり、
ましてや話す機会というのは、
かなり少ないと思います。

機関投資家とアナリスト説明会というものを
設定する会社は多く、

主要役員は参加する会議ですが、
そうした場には個人投資家は参加できません。

一応、上場企業は四半期決算を報告する義務があるので、
誰でも企業HPで決算内容を知ることはできますが、
それは会計数値の羅列にすぎない内容である事が多く、

また、ページ数も多いので全てを
つぶさにみてゆくことは難しいでしょう。

それに、気象の経営成績を判断するには、
会計の約束事(企業会計原則)はもとより、
複式簿記を理解し財務諸表分析ができないと、

その内容が良いのか悪いのかわからないので、
これまた難しさがあります。

結局、新聞や情報ベンダーのニュースなどで、
良い、悪い、という評価込みの報告をうのみにするしかない、
という事になります。

そこで、ぜひ生かしてほしいのが、
株主総会への出席のチャンスです。

どの企業でも、役員がほぼ全員出席します。

代表取締役が必ず出席し、経営方針や経営成績、
会社や商品の特色、場合によっては欠点なども
いろいろ話をするので、大変に面白いのです。

面白いというのは、その内容ではなく、
内容のプレゼン方法のことです。

例えば、司会や進行役ひとつとっても、
ある会社はプロの司会者を雇って、
大半のプレゼンを司会者が行ってしまう
結婚式方式をとる事があります。

さらに上手な会社は司会者自身もプレゼンすらせず、
この日のために金をかけて作った
会社案内の映像ビデオを流しておしまい、
の会社もあります。

一方、総務部長が進行役や司会を行いながら、
社長が全てのプレゼンを行う会社もあります。

こうしたプレゼンをみていると、
事なかれ主義で、とにかくこの時間を何事もなく過ごそう
やっきになっている会社なのか、

真摯に株主に理解を求めようとする会社なのか、
わかってきます。

株主総会では、質疑応答の時間は必ずありますから、
株主からいろいろな意見や質問が飛び出す時の対応も見ものです。

社長が役員全員がいる場なので、
質問によっては担当役員が代弁する事は多いのですが、

これは見方を変えると
社長が把握できていない証でもあるので、
やはり見ものです。

その時の役員間の対応をみると、
日ごろの関係も見透かすことができるような気になります。

個人投資家からの質問は、多くの場合、
個人投資家は意見のようなものを言いたいだけ言って
終わりになってしまいますが、

建設的な意見も多く、それを会社が
きちんと受け止めているのかどうか、
対応をみればわかります。

それやこれやで、お土産でごまかされることなく、
総会の中身をしっかりとみて、
自分なりの判断を行っておきたいものです。

では、また次回。

奥村尚

<編集部のおすすめ>
やっと上がってきた日本株ですが、
ほっと胸をなでおろしている場合ではありません。

もし、今回の下落と上昇、
どちらも予想できずに成り行きに身を任せていたなら
あなたが運と勘で投資をしている証拠です。

トレードを続けるうえでは致命傷…

そんな状態に終止符を打つ
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いつも「買ったら下がる」理由

2017.09.19
koushi_mrk01

From:Mr.K
都内のプライベートオフィスより、、、

おはようございます。Mr.Kです。

なんで、いつも自分が買ったときに限って
直後にチャートが逆に行くんだ・・・

誰かに後ろから覗かれているような、
奇妙な感覚になったことがある人は
決して少なくないはずです。

“エントリーしたときだけ逆に行く”

“むしろ、自分の意思と逆方向にエントリーした方が勝てるんじゃないか?

この感覚は、本当に多くの人が感じています。

なぜでしょうか?
気のせいでしょうか?

負けたときのほうが印象が強く残るから?

本当にそうでしょうか?

確率論から考えて、
偶然とは思えない頻度の現象には
必ず然るべき理屈が存在します。

つまり、

エントリーするとチャートが逆行する
「理由」が論理的に説明できるはずです。

「いやいや、気のせいでしょ。」

そう思う方、

もしも気のせいじゃないことが
論理的に説明できるとしたら、
どんなものか聞いてみたいですか?

・・・

エントリーすると逆に動く!

なぜだか本当に不思議に思う方は正直多いと思います。

私自身、かつては非常に奇妙に感じていました。

証券会社のシステムが仕組まれているんじゃないかと
本気で考えてみたこともあるくらいです。

ですが、

今となっては全く、不思議にすら思いません。

エントリーしたら逆に行くのは、
はっきり言って、当たり前です。

そうならないとおかしいくらいです。

なぜか?

それは、

あなたが後追い判断でエントリーをしているからです。

直近のローソク足数本を見て、
同じ方向にエントリーをしているからです。

出来上がったチャートをよく見たらわかることです。

チャートというのは、
短期的なアップダウンを繰り返しながら
徐々に大きく上昇したり下落したりしていくものです。

陽線と陰線の片方だけが連続するのは7本が限界
という経験則もあるくらいです。

例えば、

わかりやすくするために、
チャートが5日置きに上昇と下落を繰り返す
としましょう。

5日置きに上昇と下落を繰り返すのに、
3日間上昇したのを見て、

「よし、上がっているからもう一日上がったら買おう!」

と考えて4日目の上昇を確認してから
5日目に買いエントリーしたらどうなりますか?

翌日から下がり始めますよね。

だって、5日置きに上昇と下落が変わるんだから。

下落のときも同じです。
3日下落したのを見て、

「よし、下がってきたからもう一日下がったら空売りしよう!」

と考えたら・・・

「なんでエントリーした翌日に反対に行くんだ!!!」

ってなります。

みんなこれを繰り返してMAX損失を食らっていきます。

気づいてください。

・ある程度上がっていることを理由に買ったり、
・ある程度下がっていることを理由に売ったり、

それをしている限り、
すべて後手後手になります。

そりゃそうです。

じゃあ、どうすればいいと思いますか?

・・・

・・・

はい、その通りです。

上昇が5日続いたら売るとか、
下落が5日続いたら買うとか、

そういう逆張りなら後追いよりいいですよね。

しかし、実際のトレードでこの逆張りはリスクが高いです。

なぜなら、実際は5日で反発すると決まっているわけではないので。

じゃあどうすればいいか。

1日上昇したときに買いで入り、
1日下落したときに売りで入る。

そう、初動で乗るというのは
こういうことを言うのです。

ただ、それも具体的なチャートなしで
一概に語ることはできませんが、
でも、あながち的外れでもないです。

“然るべきとき”の初動に乗ることのみが
唯一の正しいエントリーだからです。

いつが“然るべきとき”かを解説する
紙面はありませんが、
今回の議論の結論としては、少なくとも、

短期的な値動きを理由にエントリーをすれば、
当然のように逆行する可能性が高くなる

ということに気づいていただければ幸いです。

相場が難しくなっています。
大局観を持ってトレードをしていきましょう。

GOOD TRADE!!

Mr.K

P.S.
9月27日のセミナーですが、
予想を上回る方にご参加いただき、
満席となりました!

追加でまた10月の後半に
開催したいと思いますので
JISさんからのご案内をお待ちください。


暴落のリスクは「理論」で武装できるのか?

2017.09.13
prof_okumura

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

先々週、先週の続きです。結局3回シリーズとなりました。

今までは、戦後から続く今に至る
日経平均を通して相場をながめながら、
投資期間によるリスクがどう変化したかを
全体像として見てきました。

今日はは、具体的な日を決めて、
それ以降のリスクの推移を
少し詳しくみてゆきたいと思います。

まず、特別な日を二日だけ決めて、
その日に投資をした場合、日数を重ねると、
リスクがどうなっていったかをみてみます。

最初の特別な日とは、
東証が戦後最初に稼働した日、
1949年5月16日です。

これは、
「もし、戦後最初の日に株を買ったら、
 リスクは日を追うにつれてどうなったかを見る」

ということになります。

もう一つの特別な日とは、1990年1月4日です。
日経平均最高値はその前営業日である1989年12月29日でした。
39915円です。

翌営業日である1月4日は、少し下がって38712円ですが、
この日に投資したばあい、最高値圏で購入したわけですから、
リターンは常にマイナスであることになります。

ピークの時に買った場合、リスクの推移は
どうなっていたかを見たいと思ったのです。

通常、リターンとリスクの双方を合わせてみてゆくのですが、
今回は話を単純化するため、リスクのみを見ます。

この特別な2日に投資したばあいのグラフが以下です。
ヨコ軸は経過日数、縦軸はリスクです。

原点に近い位置では、経過日数が少ないため、
リスクの計算上、値が大きくなります。

リスクは、変動率の平均になるので、
二日経過後のリターン変動率、三日経過後のリターン変動率、
の値はどうしてもその時の相場次第で大きくブレるためです。
ですので、出だしのリスクは無視してください。

さて、形を良くみると、
似たような傾向に気づきます。

・リスクは日数経過と共に極大値まで上がり、その後は下げてゆく
・全体的には下げてゆく中で、突然ピョコ、と大きくリスクが上がる時がある

という点で共通しています。

1949年のグラフ(赤)は1度上がっています。

1108日から1170日目の1か月間。
1953年2月から3月にかけての下落になります。

特に3月5日(1144日目)は10%下げました。

ニュースを調べてみると、
この日、スターリンが死亡したと伝えられ、
それで株価が暴落したようです。

その後戻しますが3月30日には再び6.7%下げ、
相当乱高下したのでリスクが急上昇したのですね。

1990年のグラフ(緑)は3度上がりました。

86日経過後2000年4月17日、および、
296日経過後2001年3月21日、
2163日経過後2008年10月の1か月間。

2000年4月17日は、日経平均が1426円下がった日です。
ITバブル崩壊で極度の暴落が起こりました。

2001年3月21日は、日経平均が913円上がりました。
下がったのではなく、一気に上がったのです。

前日(19日)日銀がゼロ金利政策を発表したためです。
上がったのも変動ですから、リスクとして計算されます。

2008年10月は、特定の一日ではなく、
1か月間ほぼ毎日大きなリスクが起こりました。

リーマンショックです。

世界中に不況を起こした大事件でした。

リスクをグラフにするだけで、
特定の日には「何か」が起きているということが
明確にわかるほどのリスクの上昇は、

それなりのニュース性をもつ大きな事件である、
ということでしょう。

こうしたニュースは例外的に大きなものなので、
そうした事変さえなければ、リスクは最初は上昇するが、
あとはなだらかに下がると思ってよさそうです。

それを確認するため、もう少しケースを増やしてみてゆきましょう。

先に上げた特別な日は私自身が確認したかったので、
一日単位でリスクを算出しましたが、
案外手間がかかるので、
もう少し大雑把な日単位で算出したものを掲載します。

投資時期の選択は、考えれば考えるほどきりがないので、
恣意的な選択はやめて、ランダムに特定の日を
本日までの期間でまんべんなく11日程、選択しました。

縦軸がリスク、横軸が経過日数です。
全て、500日投資した場合のリスクの曲線を示しています。

先ほどと異なりリスクの計算は毎日ではなく、
10日ごとに、100日を超えたら100日毎にリスクを算出しました。
したがってカクカクしています。

全体の傾向としては、投資直後リスクが上がってゆき、
その後だんだん下がってゆく傾向があるのがわかります。

例外もいくつかみられますが、概ね、そんな傾向がわかりますね。

世の中、いろいろな事件やイベントがあり、
日々リスクは変化し、一様ではありません。

一方、理論的にリスクとリターンを示すには、
毎日毎日の政治イベント、世界の情勢の変化を一様に
乱数としてちりばめてリスクとして計算します。

しかし、実際の世界では、ある特定の日や期間に事変が起きるので、
その時点を境にリスクが大きく増加することになり、
その時点(や期間)固有の歪が目立つことになります。

特にスターリンが死んだとか、リーマンショックがおこったなど、
スケールの大きな事件があると、

リスクはその時点で一気に増加するので
最初の特別な2日のケースで示したような大きく上昇して、
ふたたびゆっくり下がる形になります。

実データを用いた解析を行うと、
理論ではわからない事実がくっきり浮かび上がりますね。

それを考慮したモデルで再び理論的にあてはめて
シミュレーションを行う事で、
理論もリファインがされてゆきます。

実証と理論と比べる事で、その理論の妥当性も理解できますし、
その過程で実証でも理論でも存在しない誤った解釈や考え違い
(今回の場合はリスクと時間の関係)、
いいかげんなカン、不毛なディスカッションを排除できます。

投資にカンや経験は必要ですが、
理論や技術の背景も重要だということです。

そうすることで、検証と再現は可能になるのです。

そう、投資はサイエンスでもあるのです。

また機会があれば、いろいろな解析やシミュレーションに関して、
別の観点からも述べてゆく事にします。

では。

奥村尚

<編集部のおすすめ>
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ド真ん中銘柄の見極め方

2017.09.09
koushi_wolf01

From:ウルフ村田
自宅のトレードルームより、、、

おはようございます
ウルフ村田です。

北朝鮮の建国記念日を迎え、
市場はポジション軽減&様子見ムードですが、

毎年出てくる「テーマ株」を狙いながら
年間で見ればしっかり利が乗るようなトレードを
より強く意識してもらえればと思います。

2017年のテーマ株といえば、
VR・AR関係、人工知能、半導体、防衛関連など、
多くの分野に注目が集まってきましたね。

テーマ株だから飛びつくというのはNGですが、
そのテーマの中で中心となる銘柄さえ間違えなければ
大化け株は確実に出てきますので、
今回はそんな大化け株の特徴をお伝えしていきます。

先ほどテーマ株として挙げた人工知能関連。
確かに注目が集められてきましたが、
インターネットなどで今後有望という情報が
必要以上に飛び交っている典型のように感じます。

そのような影響で
人工知能関連の株価は一気に上がることはあっても、
結局のところ材料は思惑だけなので
すぐに落ちてしまうこともよく見られました。

あくまで、思惑が先行していることを忘れず
思惑に乗せられて高値掴みしてしまった!
ということのないよう注意してくださいね。

万が一、短期急騰した銘柄で
高値づかみしてしまった場合は、
基本的にはロウソク足の実体が
5日線を一回割ったらまずいと思って
逃げていただければと思います^^;

繰り返しになるかもしれませんが、
きちんと上がる株というのは、
思惑や宣言だけでなく、きちんと実体があります。

実体のある銘柄というのは、
事業内容や計画だけでなく、
現在進行形でその内容(テーマ)を実行し、稼働しています。

私はその企業が「事業を実際にちゃんとやっているか」
という視点で、きちんと分析された情報をもって
実体のある強い銘柄を発掘しています。

しかし、ポテンシャルの高さに気づいた投資家たちが
その銘柄をイチ早く買い込んでしまった場合、

本来の時期よりも早く急騰してしまい、
そこからエントリーしてしまうと高値づかみになってしまいますので、
その時はグッとこらえて、安値のところで拾うようにしましょう。

また、現時点でまだ株価が安く、
ポテンシャルが高い銘柄は沢山ありますので、
上がる前に買って値幅をとるためには
日々のチャートの監視が大切になります。

しかし、気になる銘柄はいくつもあるのに、
それらを忘れて1つの銘柄に集中しすぎて、
気づいたときには上がっていた!
なんてご経験はありませんか?

そんなもったいない結末にならないように、
チャートの管理の工夫は出来ているでしょうか?

今日は私のオススメ管理ツールをお伝えしたいと思います。

「ハイパーSBI」というサイト、
既に使われている方もいるかもしれませんが、
1画面に沢山の銘柄を表示させることができます。
何が良いって、監視銘柄のチャートも
一気に表示させられるので、変化に気づきやすいんですね。
直近IPOを一気に監視することも可能です。

無理に買う必要はありませんが、
日々のチャートの監視は初動を捉えるうえで必須になりますので、
是非検索して活用してみて下さいね。

ではでは今日はこれにて。
見通し不透明な中ですが、
来週からも張りきっていきましょう(^^♪

ウルフ村田


相場下落時のリスク

2017.09.06
prof_okumura

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今回は先週の続きです。

1949年以降(戦後の全ての)日経平均株価を使って、
リスクやリターンがどうなっているか、
長期投資におけるリスクが変化するのか、調べてみます。

まずはウォーミングアップです。
下のグラフは、日経平均の日々のリスクと
リターンを全てプロットしたものです。

ある日に投資して、それを10営業日後に
売却した時のリターンとリスクを計算しました。

横軸はリスクです。縦軸はリターンです。

リスクをどれだけ大きくなっても、
得られるリターンはそれほど大きくならない関係が
良く分かりますね。

赤で示した線は、投資できる範囲を示しますが、
この線が、同じリスクでリターンが最大になる範囲です。

現代ポートフォリオ理論では、有効フロンティアとして知られています。

リスクとリターンの関係は、
投資期間によってどう変わるのでしょうか。

つまり、ある特定の株式を一度購入しそれを保有した場合、
その保有期間によって、リターンとリスクは、どう変化するか、という問題提起でした。

リスクの定義は、前回に述べた教科書通りリターンの標準偏差、
つまり、リターンのブレの大きさとします。

まず、本来はどうなっているべきか、その概念を考えてみたいと思います。

日本証券経済研究所の資料を使って、
投信協会がHPで公表しているグラフがわかりやすいと思います。
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/specialist/vol_03/
から引用すると、投資期間が長いほど、
収益のブレが少なくなっています。

長期投資の方が収益のブレが少ないですね。
これは、リスクの時間分散といいます。

その代わり、リターンも少なくなっていますね。そうなんです。
長期保有すると、リターンのブレが少なくなり、
結局、どの銘柄を買っても似たようなリターンになってゆく、
という事になります。

やはり、リスクとリターンは表裏の関係があり、
リスクが減るとリターンも減るのという事につながるわけです。

リスクという定義を変えない限り、誰が検証しても同じ結果になります。

さて、実際に日経平均の値を使って、
特定の日に指数を買う(これは例えば日経平均連動型の投資信託を買う、
という事と等価ですね、と、リスクはどうなるか、
という数字を見てみましょう。

東証が戦後再開されてから今日(2017年9月5日)まで、
18689営業日経過しています。

この中で、特定の一日に日経平均を購入すると、
リスクはどうなっていたのか、という調査になりますね。

実際にやってみて分かったのですが、
その特定の日に買った日経平均は、
どの特定の日以降の特別の理由で
リスクが大きくブレて、独特のカーブを描きます。

例えば、1949年に買った日経平均であれば、
1950年6月に朝鮮戦争の影響を受けています。

1972年に買った日経平均であれば、
1973年の中東戦争に起因するオイルショックの影響を受けています。

1989年に買った日経平均であれば、
バブル崩壊の影響を受けています。

この年の年末にNK225は史上最高値をつけていますので、
この最高値で投資をスタ―トした人は、
常にリターンはマイナスということになります。

なにしろ、1949年からの日経平均ですから、
大きな事件もまだまだありますし、細かな事件は、
もっともっとたくさんあり、結局、
いつから投資を始めたらよいのか、
事後的にもわかりずらいのです。

なにはともあれ、ひとまず一気にみてしまいましょう。

このグラフは、ある日から過去に遡って
10日間、30日間、60日間のリスクを毎日計算したものです。

縦軸はその日から過去10日間の(あるいは30日、60日間の)リスクです。

68年間分のすべての日をプロットしているので、
ごちゃごちゃしていますが、おおまかな感じがつかめるでしょう。

全体の期間をスキャンしてみると、
どの期間でも、投資期間が10日より30日、
30日より60日の方が明確にリスクが低くなっています。

また、他よりリスクがとびぬけて
高い日が何本もあることもわかります。

10日間の投資リスクが最も高かったのは2008年10月です。
リーマンショックです。
ついで1987年10月。ブラックマンデーです。

やはり、相場下落時のリスクは、
あとから数字で見ても明確に出ているといえますね。

次回は、もう少し、具体的な日を決めて、
もう少し詳しくみてゆきたいと思います。

お楽しみに。

奥村尚


投資期間が長くなると、リスクは減る?増える?

2017.08.30
prof_okumura

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

今、手元に1950年9月7日から
東証が算出を開始した東証一部
修正平均株価のデータがあります。

実際には、1950年より前、
1949年5月16日(–つまり、証券取引所が戦争後再開した日なのですが–)、
に遡って東証が算出して発表しました。

これは、現在の日経平均株価、
あるいは日経225と呼ぶ株価指数のことです。

その後、東証は、より相場の動きを説明できるTOPIXを開発し、
1969年7月からTOPIXを新聞などで公表を開始しました。

もはや”東証一部修正平均株価”が不要になった東証は、
TOPIX発表開始、丁度1年後の1970年6月30日に、
“東証一部修正平均株価”の発表を打ち切りました。

日経新聞社は、その算出、公表の権利を東証から譲り受け、
東証が発表を打ち切った翌日である1970年7月1日から、
日経225平均株価(当時はラジオで相場を放送していたので日本短波放送の名前を取りNSB225)を算出、
発表しています。

これが現在の日経225(あるいは単純に日経平均と呼ばれる指数)の歴史です。

この頃、つまり終戦後の時代は、
現在のコンピュータは存在していません。

世界初の汎用コンピュータ’ENIAC’はアメリカ軍の最先端の作品で、
数十トンの重量、160kwの電力を食う怪物ですが、
これが完成したのは1945年です。

1951年には、これを大幅に小型化した
UNIVAC1が初めて大学や軍用以外の目的で
Bureau of Census(商務省国勢調査局)に導入されていますが、
当時の価格で100万ドルしたそうです。

このような時代、日経新聞社も、東証も、
コンピュータなんてなかかったはずですから、
計算は人海戦術でこなしていたことでしょう。

それも、間違いなく発表するために、
おそらく、何度か計算し、何度やっても
結果が一致することを確認して発表していたのだろうと思います。

今や指数の計算はパソコンどころか
携帯電話でも一発で計算できますね。

そこで、1949年以降ながーく続いている日経平均の値を使って、
リスクとリターンの関係を、数値で示してみたいと思います。

投資期間が長くなると、リスクは減るのか?
増えるのか?それを、市場のデータを使って数値を出し、
その数字を使って検証しよう、ということになります。

まず、リターンは、どのように計算できるでしょうか?

買った日t=0時点の価格を P(t0)、
売った日t=1時点の価格をP(t1)として

リターン= [ P(t1)-P(t0) ]/ P(t0)

ですね。

ここで、P(t1)とP(t0)の日数をnとすると、
比較しやすいように、一日当たりに直して、

一日当たりの平均リターン =リターン/n

です。

ここでは、このリターンは、
平均という計算で行われている事に注目しておいてください。

さて、リスクはどう計算するでしょうか?

ここから先は、少しだけ面倒なので、
算数の好きな方が読み進んでください。

1990年にシャープ先生と共にノーベル賞をとったマーコヴィッツ先生は、
1952年に’現代ポートフォリオ理論’という
リターンもリスクも統計学で記述できる、
という点において画期的な論文を発表しました。

その論文では、統計の考えを用い、
平均と分散(あるいは、平均と標準偏差)の2つ変数を用いて、
投資を説明しました。

統計学でいう平均をリターン、
統計学でいう標準偏差をリスク

として計算し扱う事と定義したのです。

このマーコヴッツの発明後、
それまでモヤモヤしていたリスクの考えが明確になり、
今や金融学においてはリスクの定義=標準偏差であるという常識となりました。
そして、誰にでも計算できるようになりました。

おそらく投資の世界で活躍している人は
誰でも知っていることでもあります。

ちなみに、標準偏差とは、ばらつき具合を示す統計学的な用語であり、
リターンが上下に変動する、その大きさのことです。
ここでは、標準偏差に関する、それ以上詳しい説明は省きます。

さぁ、これで準備が整いました。

1949年以降(戦後の全ての)日経平均株価を使って、
リスクやリターンがどうなっているか、
長期投資におけるリスクがどうなっているか、
調べてみようではありませんか。

次週に続きます。

お楽しみに。

奥村尚