VIX(恐怖指数)とは?投資家心理がわかる指標の見方と分析法を完全ガイド!

2018.11.27
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VIXは一般に恐怖指数と呼ばれ、相場が不安定になったり、何らかの大きなリスクイベントが発生すると急上昇する指数です。

VIXはアメリカの株価指数であるS&P500とほとんど連動して動くことから、S&P500のボラティリティが大きくなると投資家たちが考えるほどVIXは大きくなります。
VIXは非常に有名な指数なので、投資家たちの間ではすでにお馴染みのものと言えるかもしれません。しかし、投資初心者の方の場合、VIXの意味もまだよくわかりませんし、どのように活用したら良いかもわかりませんよね?

この記事では、そんなVIXについてその意味するところだけではなく、VIXの活用方法にも丁寧に説明していきます。

1.VIX(恐怖指数)とは?

恐怖指数(volatility index:VIX)とは、シカゴ・オプション取引所が、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出して公表している指数です。

日本では、ビックスと呼ばれています。VIV指数はS&P500を対象にしたオプション取引のボラティリティをもとに算出された指数であるため、VIV指数が高いほど投資家が相場の先行きに不透明感を持っているとされています。これは、オプション取引のボラティリティは投資家の未来に向けた恐怖心理と関係が深いと考えられるからです。

ただし、VIX自体はあくまで指標値にすぎないものなので金融商品としての取引はできません。

1.1.VIXが上がる・下がるのはどんな時?変動の見方とは

VIX指数は、相場の先行きに不透明感が現れると高くなる傾向があります。VIXは現在、2008年のリーマンショック以降右肩下がりに下がっています。

VIX指数は、株価が暴落するような局面では大幅に上がる可能性があり、相場動向とは逆に相関する可能性が高い指数です。通常、VIX指数は10〰20程度を推移していますが、暴落時には30〰40程度の値になります。実際、2008年の金融危機のときには89.53にまで指数が上がりました。

1.2.VIX指数の過去の最大値と最低値とは

VIX指数が過去最大となったのは2008年の金融危機のときです。VIX指数は89.53にまでのぼりました。

2018年2月6日には米国雇用統計での賃金上昇によって長期金利が上昇した際には、過去最大規模の変動幅を記録しています。VIX指数が史上最低値を記録したのは2017年11月で、8.56を記録しました。

1.3.VIX短期先物指数とは?

VIX短期先物指数は、円換算したS&P500VIX短期先物指数と連動した動きを目指すETFです。ETFとはExchange Traded Funds”の略で、日本では「上場投資信託」と呼ばれています。VIX短期先物指数は米国の代表的な株式指数であるS&P500と逆の値動きをすることから、S&P500の株価指数が下落したときの短期的なリスクヘッジに利用することができます。

そのため、VIX短期先物指数は短期的な投資に活用するのが望ましいと考えられ、中長期的なバイ・アンド・ホールドには向きません。なぜなら、VIX短期先物指数は、中長期的には時間価値の減価などによる影響を受ける特性を有しているからです。

1.4.VIX短期と中期の違いとは

VIX短期先物指数は、1ヵ月刻みの満期が9限月あるVIX先物のうち短期(1限月と2限月)のVIX先物2本をもとに指数化したものです。

一方で、VIX中期先物指数は中期(4限月から7限月)のVIX先物をもとに指数化されています。両者は、同じVIXに関する先物指数であると言えますが、VIX短期先物指数とVIX中期先物指数はVIXと短期的な上げ下げの方向性は似ていても、中長期的な値動きはかなり異なることが特徴です。

2.リスクヘッジに利用できるVIX指数関連商品と特徴

VIX自体はあくまで指標値にすぎないものなので金融商品としての取引はできません。しかし、VIXをもとにして作られた金融商品がいくつかあります。

以下では、VIXをもとにして作られた金融商品についてわかりやすく解説していきます。

2.1.VIX先物の特徴と投資方法

国際のETF VIX短期先物指数は円換算したS&P500 VIX短期先物指数に連動する運用成績を目指すETFです。米国株式を代表する優良銘柄で構成されたS&P500と反対の動きをする傾向があることが特徴です。

米国株が右肩上がりを継続している状況下においては、このETFを長期保有していると、ゆるやかに下落していく可能性が考えられることから、基本的には短期売買(1ヶ月以内)で力を発揮します。一方、S&P500 VIX短期先物指数は、VIX指数先物の第1限月を売却し、第2限月を買付ける取引を行い、そのリターンを指数化したもので、1か月後の時点から見た、その後1か月間の相場の不確実性を示す指数です。

2.2.VIXオプションの特徴と投資方法

VIXオプションは、原資産であるS&P500指数のオプションから新たな指標(VIX)を作り、さらにその指数に対するオプション取引のことを言います。

VIXオプション取引は株価急落に対するヘッジとして活用されることが特徴です。将来的に、マーケットに対する投資家心理が悪化しそうだと感じた場合、VIXのコールオプションを買い、投資家心理が落ち着きそうだと感じた場合には、VIXのプットオプションを買うといった取引が可能です。

2.3.VIX連動型ETF・ETNの特徴と投資方法

VIX連動型ETF・ETNとして代表的なものと言えば、NEXT NOTES S&P500VIX インバース ETNです。

この金融商品の特徴はVIX指数先物の指数にマイナス1倍の値動きをする金融商品であるということです。つまり、VIX先物指数が値上がりすれば、そのため、平穏時にはコンタンゴするというVIX指数の特徴を活かし、NEXT NOTES S&P500VIX インバース ETNは相場の上下動のボラティリティに左右されない投資商品という認識のもとで投資を行うことができます。

2.4.VIX指数の買い方・取引方法

VIX指数を買ったり、取引を行うためには、VIX指数を取り扱っている証券会社に口座を開設する必要があります。

VIX指数を取り扱っている代表的な証券会社にはGMOクリック証券があります。GMOクリック証券のCFDの米国VIXは初心者でも簡単にVIX指数を取引できます。

2.5.VIX指数の計算式

VIX指数の計算式はとても難しくなっています。VIXは満期までのS&P500のボラティリティの平均値として理論的には解釈できるものです。言い換えれば、VIXは満期までの平均ボラティリティにリスク中立確率測度で期待値を取ったものを基準化した指数であると言えます。

なお、シカゴ商品取引所が発表しているVIXの満期は30日となっています。
ただし、VIXの計算式を覚えて活用できるようになる必要がありません。なぜなら、実際に投資を行う際には、すでに指数が計算され、その値動きはチャートで示されているからです。そのため、まずはVIX指数が何を表しているのかを知ることが大切です。

2.6.VIX指数チャートをリアルタイムで確認する

VIX指数はリアルタイムでチャートを確認できます。インターネット上で公開されているものなので、誰でもチャートの確認が可能です。通常、VIX指数は10〰20を推移していますが、40以上となった場合には注意が必要です。

VIX指数はアメリカの代表的な株式銘柄を指数化したものですが、日本の株式銘柄を指数化した日経平均VIというものも存在します。これは、VIX指数の日本版のようなものです。VIX指数を時系列で確認できるものもあるので、自分の投資スタイルに合わせてチャートを活用することが大切です。

3.VIX指数(売り)投資のメリット・デメリット

VIX指数の売り投資は手間を掛けずに大きな年利を実現できることが最大のメリットと言えます。なぜなら、上昇するときは倍以上の上昇を見込むことができるので、少額の投資でも高い利益を得ることができるからです。しかも、株が暴落し、為替が円高になっているときにVIX指数は上昇しやすくなることから、分散投資に向いていることもメリットと言えます。

一方、VIX指数のデメリットとしては、いつVIX指数が上昇するかわからず、上昇するときには急激に上昇することから、多大な損失を被る可能性があるということです。VIX指数が急激に上昇するタイミングは世界情勢に影響するほどの大きなイベントと重なり先行きが不透明になるときです。そのため、VIX指数いつ上昇するかは予測することは非常に困難であり、この点がVIX指数(売り)投資のデメリットと言えます。

3.1.VIX指数のコンタンゴ率

コンタンゴとは、満期までの期間が短い限月の価格(期近物)よりも満期までの期間が長い限月の価格(期先物)の価格が高い状態のことを言います。

日本語では、「順ザヤ」と呼ばれます。先物取引には、限月という決済期限が存在します。コンタンゴの状態は早く満期が来る先物取引の価格は安く、後に満期が来る先物取引の価格は高いことを意味するものです。先物取引では、取引期限が決まっているので、投資対象が同じ場合でも、取引期限が違う場合には価格も違います。市場が堅調な時期はコンタンゴ状態となりやすく、波乱が起きるとバックワーデーションに代わりやすい傾向にあります。なお、バックワーデーションは日本語で「逆ザヤ」と呼ばれます。

VIX指数のコンタンゴ率とは、VIX先物第2限月−VIX先物第1限月÷VIX先物第1限月×100によって求めることができます。コンタンゴとなっている場合には正となり、バックワーデーションとなっている場合には負となります。VIX指数が小さいほどコンタンゴとなりやすく、さらにはその大きさも大きいことが特徴です。また、VIX指数が20以下であれば、90%近くの期間でコンタンゴするのが通常です。VIX指数が25〰30以下の場合であっても、半分くらいの期間はコンタンゴすると考えられます。

3.2.VIX指数への長期投資が有利な理由

VIX指数はリスクイベントによって上昇する指数です。VIX指数がどこまで上昇するのかを予測するのは非常に困難ですが、上昇しても最終的には元の水準に戻る傾向があります。

そのため、上昇するたびに「売り」で分散投資しておくと安定的に利益を出せるようになります。そのため、VIX指数は長期保有や積み立てに向いており、上昇するたびに売りを仕掛ければ、その後VIX指数は落ち着くので安定した利益を得られます。

3.3.VIX指数取り扱い証券会社の取引時間とレバレッジ

VIX指数はシカゴオプション取引所に上場している指数です。そのため、VIX指数は基本的にシカゴオプション取引所の取引時間に準じます。

シカゴオプション取引所の取引時間は、標準時間:午後5時~午前6:15、夏時間:午後4時~午前5:15です。ただし、シカゴオプション取引所で取り扱いのある商品は世界中の投資家が売買していることから、ほとんど24時間ネット上で取引することが可能です。現在、VIX指数の取扱があるのはGMOクリック証券CFDとIG証券CFDです。

GMOクリック証券CFDは、月~金・標準時間8:00~翌6:15、夏時間:7:00~翌5:15がVIX指数の取引時間です。一方、IG証券CFDは、月~金・標準時間:6:30~翌6:15、夏時間:5:30~翌5:15が取引時間となっています。また、それぞれの証券会社によって、最大レバレッジも定められています。GMOクリック証券CFDは5倍まで、IG証券CFDは10倍までレバレッジをかけることが可能です。

3.4.VIX指数投資に最適な銘柄をチャートから選ぶ方法

VIX指数に投資するにあたっては、自分の投資スタイルに合った最適な投資銘柄を選ぶことが大切です。銘柄を選ぶ際にはきちんとチャートを確認してから投資をしましょう。VIX指数投資銘柄としては、米国VIブル2倍ETF チャート・1552 VIX短期先物ETF チャート・米国VI チャートなどがありますが、それぞれチャートの動き方が異なるので注意が必要です。

4.VIX指数空売り時に注意したいポイント

VIX指数を空売りする際には、逆日歩(ぎゃくひぶ)をきちんと考慮する必要があります。逆日歩とは、信用取引のうち信用売りをした際に追加的にかかるコストのことを言います。信用売りは信用取引で高く売って安く買い戻すことによって利益を得る取引です。

証券会社は空売りのために投資家に貸し出せる株券をある程度保有していますが、足りなくなった場合は株式を調達してこなければなりません。空売りする人があまりに多く、株券が足りなくなってしまうと、生命保険会社や銀行などの機関投資家と呼ばれる大口投資家から手数料を払って株式を調達してこなければなりません。結果として、この際に発生する手数料を逆日歩として証券会社は空売りをした投資家に対して請求します。したがって、VIX指数を空売りする際には、逆日歩を考慮しておかないとせっかく利益を出しても手数料でマイナスとなってしまう可能性があるので注意が必要です。

4.1.VIXが上がった時のSVXYコールオプション買いについて

先にも説明したように、VIX指数は相場の急変時には急上昇します。しかし、VIX指数が上昇し続けることはないので、いずれ相場は落ち着きおよそ10〜20のレンジを行ったり来たりするようになります。このVIXの性質を利用して利益を得ようとする取引がSVXYコールオプションです。

SVXYは「米国VIベアETF」のことを言います。この米国VIベアETFは、VIXに対して負の相関を持つETFです。そのため、米国VIベアETFは、VIX指数が下がっているのに対して価値が上昇するのです。

4.2.VIXショート戦略に基づく投資手法について

VIX指数が急上昇した際に、ショート(売り)をしかける戦略があります。急騰したVIXは過去の統計をみればわかるが元の数字に収束することから、高値をつけたときに売りに出る方法で利益を生み出すことができるのです。

たとえ、安定的に成長が続く相場が続き、株価の大きな変動のない環境を想定し、VIX指数が上がらなければ儲けることができますし、一時的にVIX指数が上がってもいずれ元の水準に戻ればかなりの確度で利益を確保することが可能となります。

4.3.VIXボラティリティ指数3ヶ月の今後を予想してみる

VIX指数は何らかのリスクイベントが発生した際に急激に変化する指数です。VIX指数が急騰した代表的なリスクイベントとしては、大規模な自然災害・特定の国の国債格下げ・特定の国の経済不安・特定の国の大規模な政策転換・商品(原油や金)価格の暴落や暴騰を挙げることができます。現在の地政学的状況を鑑みると、北朝鮮問題・中国とアメリカの貿易戦争の動向はVIX指数を急激に変化させる可能性があるため注意が必要です。

5.まとめ

VIX指数は恐怖指数とも言われ、投資家が将来の不透明性を感じると上がる指数です。多くの場合、政治的なリスクが顕現化した際にVIX指数は急騰する傾向があります。ただし、VIX指数は一度急騰してももとの値に戻る傾向があるので、それを逆手にとって投資することも可能です。VIX指数はS&P500の値動とほとんど逆の値動きをすることから、リスクヘッジのために投資することも可能です。また、VIX指数を使った銘柄に投資することで安定的に利益を出すことも可能です。

ただし、VIX指数は普段は安定して価値が推移しますが、急激に変化するボラティリティの高い指数である点には注意が必要です。2018年2月には価値が急落して95%下落して債券が強制償還となるイベントも起こりました。そのため、VIX指数は投資の判断材料の一つとして参考にすべき数値でありますが、VIX指数の特徴をきちんと理解して投資を行うようにすることが大切です。

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