有事の円買いは続くのか?

2016.1.14
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From:不動修太郎
都内の自宅より、、、

今年が始まってからまだ間もないですが、
世界のあちこちから、きな臭い話が
沢山出てきていますね。

昔ですと株の急落、紛争が起きると
「有事のドル買い」として、ドルが
高くなったものです。

つまり、経済的な不安が高まった時には
軍事力、経済力が強いアメリカの通貨を
買うと安全だと信じられていたのです。

ところが、その構図は
中東戦争で怪しくなり、
911の航空機テロで
過去のものとなりました。

紛争、戦争、経済不安がきても
ドル高ではなく、「有事の円買い」となりました。

特にアメリカ発の経済問題である
「サブプライムローン問題」と
その後の「リーマンショック」の
直後から大きく円高に動きましたよね。

今でもアメリカは、
大きな軍事力を持っていますが、
その力を戦争の抑止に使えない
ケースが増えてきています。

ですから、私は今後も
「有事の円買い」は
続くものと考えております。

今も、為替に大きく影響しそうな
国際的なニュースが多いですね。

まずはサウジアラビアとイランの
国交断絶のお話しを考えてみましょう。

現状では、私はイランとサウジアラビアの
国交断絶が直接的に為替、原油価格などに
大きく影響する可能性は低いと見ています。

と言うのも・・・

かつては、サウジアラビアが
石油輸出機構(OPEC)の中で
リーダー的な立場でした。

ですが、今ではそれほどの
発言、指導力は無いでしょうから、
為替、原油価格への影響は
小さいと考えています。

とは言え、今回の国交断絶により、
中近東、イスラム教徒内に緊張が
高まることは間違いありませんので、
円高方向に動きやすくはなるでしょう。

株式はどうかと言うと。

中東の緊張は日本の平均株価に
確かに、マイナスの材料です。

ただ、どこまで円高に動くかによって
変わってきますが、日本の株価にとっては、
中国の株価下落の影響が遥かに大きいです。

因みに、サウジアラビアの通貨は
サウジアラビア・リヤールといいます。

人口が少ない国の通貨は、
為替レートの安定性が低く、
国際情勢により、大きく
レートが変わりやすいです。

そうなるとその国の
経済状態そのものが
大きく揺らいでしまいます。

一方で、
サウジアラビアの通貨は
米ドルとペグ(固定相場)制で
1ドル=3.75リヤルです。

米ドルとのレートが
固定だと貿易などの国際決済で
為替の影響が小さくなりますね。

人口が少ない国にとっては、
固定相場の方が、国際決済が
安定するというわけです。

ですから、
日本円も1973年までは、
米ドルに対して360円という
固定相場制でした。

不動修太郎

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有事の円買いは続くのか?へのコメント

  1. いつもありがとうございます。
    為替や株のトレードには、グローバルな観点から大局を把握することが必要なのだと感じさせられます。戦争など地政学的なリスクが高まると、円高になってしまうのですか。なるほど。そして、それよりも中国株価の方が遥かに影響が大きいと。勉強になります。
    ところで、初歩的なことをお尋ねしたいのですが、円安になると株高になるというのは、円が安いと日本株がお買い得になって、外国の機関投資家たちが買い漁るからだと認識しているのですが、これで正しいでしょうか?

    1. keiさん、いつも有難う
      ございます。

      円高になると日本が
      輸入している原油、食料品が
      安くなるうえに海外旅行に
      行きやすくなりますので、
      日本の個人にとってはメリットが
      大きいです。加えて、海外から
      燃料、製品を輸入している
      企業にとっては、円高に
      なると業績が良くなりますね。

      とはいえ、過去の長い期間にわたって
      円安になると日本の株価が
      上がってきていました。
      特に一昨年までの大きく
      円安に動いていた時期には
      その傾向が強かったです。
      ですので、その経験から
      今でも円安になると
      日本の平均株価が上がると
      予想する人が多く、結果として
      実際に平均株価が上がっているのでしょう。

      1. お忙しい中、ご回答ありがとうございました。
        過去の経験から、円安になると日本の平均株価が上がると予想する人が多いとのこと了解しました。
        何事も、総合的、大局的に判断する必要がありますね。
        ありがとうございました。

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