個人投資家が知らない「ロードショー」

2020.12.9
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今回は、
普通の人がまず気づかない
あるいは知らない

秘密のポイントをひとつ、
お伝えします。

先日、ある証券会社が主催する
ロードショーに招待され、
参加してきました。

「ロードショー?」
「鬼滅の刃の映画のことか?」

いえ、違います。

IPO 裏側の仕事に参加した、
という事です。

IPOは、
Initial Public Offeringの略ですが、
はじめて公募される株式、
という意味になります。

証券取引所で株式を上場すること
を意味し、

株式の新規公開と訳されます。

ほとんどの方は、IPOの後に
その会社と付き合うことになります。

でも、
機関投資家へは、事前に訪問して、
一連の会社案内を行い、
アンケートをとるのです。

このアンケートをとる行為を、
ロードショーといいます。

一日数社の機関投資家を訪問し、
それを1週間から10日程度、
ロードショーを行います。

ひとつひとつの機関投資家との会合は、
IPOの経営者と機関投資家の
1:1で行ないます。
(証券会社の担当役員なども同席はします)

これをOne-on-One(ワン オン ワン)
と業界では呼びます。

先日は、私も機関投資家として
ワンオンワンに参加しました。

IPOというのは、
少なくとも3年前には
準備を開始しています。

最初に行うのは、この2つです

1.主幹事宣言で、
付き合う証券会社を1社きめ、

2.監査法人「課題抽出調査
(ショートレビュー)」を行い、
IPOするために不足する事項や、
改善事項の洗い出します。

2年間、会計内容や社内体制を
上場を前提にピカピカにします。

労働体制、たとえば、
残業をきちんとつけさせているか、
などもチェックされます。

これを、N-2期監査と言います。

1年前には、上場申請書類を作成し、
主幹事証券会社の審査を受け、
監査法人の監査を受けます
(N-1期監査)。

IPOする年には、
申請書類を証券取引所に提出します。

これを上場申請といいます。

審査には通常2、3ヶ月かかりますが、
既に主幹事証券と監査法人が
十分に行っているので、多くの場合、

上場承認がおります。

この承認後に、
ロードショーを行うのです。

ロードショーの段階では、

上場承認時に目論見書に
記載された株価は、

まだ想定価格であり、
「仮条件の価格帯」は未確定です。

ロードショーでアンケートが集まると、
それをもとに、主幹事証券が、
想定価格の株価を確定させます。

つまり、ロードショー後には、
目論見書が訂正されることにもなります。

たとえば、想定発行価格が、
2,000円だったとします。

訂正目論見書で、仮条件の価格帯が
1,800円-2,000円などとなっていたら、

ロードショーでのアンケートは、
イマイチ評判が悪く、
仕方ないので募集条件を切り下げた
ことになります。

機関投資家から厳しい評価を受け、
値下げたというわけです。

プロ投資家は評価しなかった、
イマイチな株、というわけです。

逆に評判が良ければ、
値上げ することもあります。

2016年7月15日に
東証一部に上場したLINEも
そのひとつでした。

当初の想定価格は2,800円

仮条件の価格帯は2,900~3,300円
と値上げされました。

これはつまり、投資家の需要が高く、
ロードショーが上手くいったこと
になります。

プロ投資家も評価した良い銘柄、
ということですね。

LINEの公開価格は、

上限いっぱいの3,300円、
初値は4,900円、
現在の株価はその上です。

目論見書をわかる人がみると、
こうしたことが、わかるのですね。

奥村尚

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