セルインメイの歴史的真実

2018.5.2
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From:奥村尚
エーゲ海クルーズの船上より、、、

皆さんおはようございます。
只今海外でのヒアリングの帰りに
エーゲ海でのクルーズを楽しんでいます。

日本も5月は大型連休
ゴールデンウィーク中ですが、
「5月」と言えば相場にはある格言があります。

「セルインメイ」

日本において、この言葉は
5月は株が下がる
(だから5月は買うな、売っておけ)という意味で
よく使われます。

ところで、そんな言い伝えは、
いつごろから始まったのでしょうか?

なにより、
その言い伝えは本当でしょうか?

まず、セルインメイという
言い伝えの意味についてお伝えします。

Sell in May, and go away ; don’t come back until St Leger day.
五月に売っておけ。そして、(St.Leger day)がある9月の第二土曜まで戻るな

これがフルセンテンスです。
(ちなみに、St. Legerとは、
Leger Stakesという英国のクラシック三冠競馬です)

ウォール街では古くから伝わる格言ですが、
これが日本に入ってきたのは
案外、最近のことです。

米国で昔から存在した言い伝えが、
なぜ今になって伝わるようになったのでしょうか?
 
これには米国でなぜ Sell in Mayという
言い伝えがあったのかということが
関わってくるので確認しておきましょう。

米国ではヘッジファンドの存在が
大きいものになっています。

ファンドである限り、解約があるので、
成績不振ファンドからは資金が逃げていきます。

その解約の機会が4月から5月にかけてある
(と言い伝えられている)ことから、
売られる→下げるとされています。
(この真偽に関しては、いずれ述べたいと思います)

日本にこうした言い伝えが入ってきたのは、
2010年前後でした。8年前ですね。
それ以前には、そんな言い伝えは
広まっていなかったのです。

2010年といえば、
2009年に民主党政権になって
初めて年を超えた時です。

新政権期待で4月まで上がった相場でしたが
5月に急落したのですね。

2011年は大震災で低迷、
2012年は政権末期で低迷した相場でした。

さて、セルインメイが妥当であるかどうか、
5月最初の営業日に寄付きで買い、
5月最終営業日に引け値で売った場合の、
騰落率をしらねてみると当たり具合が明らかになります。

日経平均でみてみましょう。
わかりやすく一覧にしました。

SELLinMAY

結果はご覧の通りです。

1991年以降、5月は17勝10敗。
勝率 63%。

負けが目立つのは、
1999年から3年、および、
2010年からの3年でしょう。

今回は、2010年からの
3年間にフォーカスします。
この頃は、5月になると毎年下がっています。

それが3年も続いたので、
英米の言い伝えを当てはめた、
というのが実態であることが、わかってきます。

民主党政権が相場に残した遺物であったのです。

なにより重要なのは、
そんな言い伝えは当たっていないということです。

言い伝えをやみくもに信じてはいけない、
ということも合わせて
肝に銘じてもらいたいと思います。

なお、勝ち負けだけではなく、
騰落率を%で数値化すると面白い傾向も発見できます。

僕が主催する塾では
宿題として出しているのですが、
ぜひ皆さんも、自分の手を動かしてやってみてください。

では、次回をお楽しみに。

奥村尚

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セルインメイの歴史的真実へのコメント

  1. sell in May って、そういう事だったんですね。知りませんでした。あまり、気にすることはないんですね。
    良かった。でければ、騰落率計算方法のお話もお願いいたします。

  2. なるほど、冷静にデータを見るとむしろ勝率は良いのですね。
    うがった見方をすれば、現在5連勝中なので次は負ける可能性もあるわけですね。

  3. 奥村先生、いつも統計的な根拠に基づいて、ずばり核心を突くお話ありがとうございます。
    噂にまどわされないように、アンテナは高く、性格に判断したいです。

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