「勝率」にひそむ罠

2021.12.14
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From:堀北晃生
丸ノ内のオフィスより、、、

こんにちは、堀北晃生です。

株式投資を行うにあたって、
「勝率」で語ることがよくあります。

「勝率」が高ければ利益が増えて、
資産が増え続けそうなイメージを持っている方は、
少なからずいらっしゃることでしょう。

しかし、果たして本当にそうなのでしょうか?

勝率の定義は、以下に限定しています。

1,プラスになって資産が増えた
2,マイナスになって資産が減った

前者は勝ち、
後者は負けということです。

もちろんプラスになって資産が増えると
嬉しいと思いますし、勝率が高い投資法が
あったとしたら取り入れてみたいですよね。

では、人工知能のトレードプログラムに、
「勝率の高い投資」と命令するとどうなるでしょうか?

人間の手動ではできないくらいの
値動きでわずかな利益確定を
取りに行くようになります。

1秒で1,000回以上の取引が可能です。

株価や為替レートは常に一定であることはなく、
売りと買いの売買によって、値動きが上下します。

これをボラティリティ(変動率)といいます。

つまり、勝率だけにこだわるのであれば、
たとえ大きなトレンドで値幅が取れたとしても、
ほんのわずかでも含み益が出たら、
利益確定してしまえばいいのです。

しかしこれに従うと、
「勝率を高める=小さな利食い

こういったロジックになってしまいます。

また、株式投資の中で勝率を定義するためには、
エントリーのタイミングとエグジット(利益確定)を
完全に一致させる必要があります。

例えば、
「始値で買い、終値で売り」

このような感じです。

これにエントリーとエグジットのタイミングが
自由に変更できるようであれば、
人によって利益のパフォーマンスが変わります。

1日の中で値動きがある中で、
どこでエントリーをしてどこで利益確定するかは、
とても重要ではありますが、それによって勝率は変わります。

つまり、株式投資や為替の場合は、
エントリーポイントが確定していて、
感情の変化によって変更ができない前提条件であれば、
勝率は価値があると言えます。

しかし、それが確定しておらず、
人間の主観が入ってしまった場合は、
勝率という概念自体に意味がなくなります。

よく為替のトレードシステムや、
投資理論などの販売で「勝率○割」
表現しているものがあります。

これはあくまでも過去にこのような
実績が出たということであって、
未来永劫、同じ結果が保証されているものではありません。

当たり前ですが、

「過去の相場と未来の相場が
まったく一緒ということはない」ため、
結果は常に異なるのです。

また、「勝率99%の投資方法」があったとします。

これだけ見るととても魅力的ですよね。

しかし、投資の世界では、
100回中99勝だったとしても、残りの1敗で全資産を失い、
身を滅ぼすことがあります。

つまり、勝率がどんなに高くても
最終的に大損してしまうリスクがあるのなら、
「勝率」に価値はないといえます。

さまざまな広告で「勝率」を売りにしている
ところがあります。

これは過去にそういう例が
出たことをアピールしていることになりますが、
未来も同じ結果を絶対に得られるわけではありません。

「勝率○割の投資方法で、未来も同じ利益が
手に入ります。利益を保証します」

こういった類のセールスコピーを見たら、
完全に詐欺だと思ってください。

リテラシーの低い人に対して、
ものを売り込む詐欺集団が使うコピーです。

以前に、システムトレーダーで有名なSさんと、
数名で一緒に旅行へ行くことになりました。

いろんなジャンルの投資家が集まる中で、
そのシステムトレードだけを行なっていた人が、

「どれくらいの勝率を目指しているか?」

これを聞いてみました。

確率論やゲーム理論、数学の天才的な
知識を持った彼の勝率にみんな釘付けになったのです。

そこで彼が言った勝率は、

「50.01%以上」

でした。

つまり、同じ投資理論でエントリーもエグジットも
同じであるという前提で、勝率は50.01%以上であれば、
それは継続すべきだということです。

さすがですね。

カジノに行くと「バカラ」というゲームがあります。

単純な丁半博打ですので、
バンカーもプレイヤーも50:50のように見えます。

しかし、バカラというゲームは

・5%のコミッションがバンカーに入る

・バンカーが6で勝利した場合はコミッションが半分

・バンカーが3枚目に7で勝利した場合は、
掛け金の100%に追加のコミッションが発生

このような追加条件があるのです。

つまり、対数の法則で同じゲームを繰り返すと、
最終的にバンカーが勝つような仕組みになっています。

ラスベガスやマカオが巨額の資金を
得ているのは、実はシンプルなゲーム理論でした。

株式投資の場合は、同じ銘柄でも
利益を出す人と利益を出せない人がいます。

それは投資理論の問題ではなく、
もっと違うところに課題があります。

エントリーのタイミングや持っている資産、
その人のマインドによってパフォーマンスは
大きく変わってくるのです。

そのため、「勝率」にこだわりすぎて、
本来の純資産を増え続けるという
目的からずれてしまうともったいないかもしれません。

「勝率」はあくまでも目安。

そして未来永劫まったく同じ勝率が
続くことはありえないということを
覚えておきましょう。

もし株式投資で結果が出ないのなら、
それには原因があります。

その多くは投資の理論や外部環境など、
外側に要因があるのではなく、
その人の内側にあることがほとんどです。

それを引き出す作業は自分との対話、
深いところまで引き出すことができれば
その原因が見えてくるかもしれません。

堀北晃生

追伸:
映画「ラスベガスをぶっつぶせ」を
見たのを思い出しました。

これはカウンティングという方法ですが、
今では通用しません。

しかしストーリーがたいへん面白いので、
ぜひご覧になってみてください。

■ラスベガスをぶっつぶせ
http://www.amazon.co.jp/dp/B00FW5T1TE

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■堀北晃生(ほりきたあきお)プロフィール

大暴落相場で大損・・・と悔しい思いをしてきた投資家を、最短6ヶ月で「勝率8割・平均10%以上のスキルをマスター」させる投資コンサルタント堀北晃生です。「割安株を見つけるためにいろんな情報を集めたが、思ったように利益を出せなかった」・・・と悩んでいる投資家に、3年間毎月のように成功実績が上がっている実績を元に、「4つのチャートテンプレート」を見るだけで、面白いように利益を出せるようになる「魔法の投資戦略」をお伝えしています。「株式投資で利益を出したいが結果が出ない」や、「塩漬け株から脱却したい」などのお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ無料WEBセミナーに参加してください。

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One thought on “「勝率」にひそむ罠

  1. 堀北様
    18日14時からのセミナーに間に合わず、参加する事が出来ませんでした。録画したものはありませんか?
    空売りの極意もコバンザメ商法も頂いた事があります。
    今回申し込んだ時に昼にするか夜にするか迷いましたが残念です…
    なんとかなりますかね?
    よろしくお願い申し上げます

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