【第7話】本当に春は来るのか?

2022.9.13
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From:堀北晃生
丸ノ内のオフィスより、、、

こんにちは、堀北晃生です。

やっとの思いで入籍を決めて、
これからの人生を楽しもうと思った矢先。

たった3週間で、大借金を
背負うことになってしまった。

「結婚したての妻には本当に申し訳ない。」

しかし、
「せめて結婚式だけはさせてあげたい」

何年もかけて、
こつこつ貯めてきた結婚資金。

しかしこれも、
すべて借金返済に充てることとなりました。

有り金をすべて出すように言われて、
長年結婚式のために積み立てていた
定期預金も解約し、
プロジェクトの穴埋めに消えていってしまった。

残っているのは、わずかなお金と、
カードのポイントとマイル。

豪華な結婚式パーティはもちろんやれないため、

「せめて家族だけで…」

という理由で、
小規模の結婚式にしました。

結婚式を身内だけで行うという旨を、
ハガキで出しました。

親戚の子供達からは、

「どんな結婚式になるの?」

「どんな有名人がくるの?」

などと豪華な結婚式に参加できると
思って楽しみにしている電話が続いた。

興奮状態で話している電話の向こう側の
子どもたちの声を聞きながら、

「さあ、お楽しみだね」

と言いながら当日会える楽しみだけを伝えた。

期待してくれた親戚の子供達に、
借金まみれて生きるのも必死だとは、
口が裂けても言えない。

結婚式場は地元近くの
小さな式場で開催することにした。

「身内だけ、小規模に」

と友人には言っていたが、
本当はお金がなくて結婚式すら
できないのが現状だった。

結婚式の会場を下見するということで、
地元近くにある会場に行ってみると、
床が擦り切れて修復されていない、
なんとも古さを感じる会場でした。

それもそのはず。

この地域で最も安いところを選んだため、
私には選択する余地がなかったのです。

奥に行くとウェディングドレスがある部屋が
あるそうで、そこで待つように言われました。

妻は、幼少の頃より、
結婚するなら着てみたいドレスがあると
語っていました。

それは、「マーメイド」というドレスです。

ボディーラインが人魚のように細く、
足元がふわふわに広がったシルエットのドレス。

小学校の頃に憧れて、
いつかは来てみたいということを
出会った時に口にしていました。

ウェディングドレスを試着する部屋には
100着以上ものドレスがありました。

本来であれば、
「気に入ったものを選んでいいよ」

と胸を張って言いたかった。

しかし現実には、
そんなことも言えない空気が
漂っていました。

ドレスの説明する女性スタッフは、
キレイなスーツ姿で妻にドレスの特徴を
説明していました。

私は、ドレスのことがわからないため、
遠くを見つめボーっとしていました。

頭の中は結婚式のことではなく、
これから返済しなければならない
借金のことでいっぱいでした。

私はドレスを見たり、
会場を見学したふりをしながら、
今の現実の苦しみを少しでも忘れようと
努力していました。

30分くらい、いろいろ試着した上で、
妻は一つのドレスに決めました。

そのドレスは、キレイではあるものの、
なんとなく黄ばんだ感じがあり、
形もよれているような気がしました。

決してこれがベストではないことは、
見た瞬間わかりました。

しかし、妻は
「このドレスがいいので、これで決めたい」
としきりに言い出しました。

「もっといいものがあるから、
たくさん見てみようよ。
そんなにすぐに決めなくてもいいから」

そう妻に言いました。

しかし、妻は一点張りで、
「このドレスがいい」
といい意思を変える気配はありませんでした。

私は、そのドレスをもう一度見直しました。

念願であったマーメイドのドレスではない。

なんとなく古さを感じるような、
ウェディングドレス。

そのドレスを手でなでた後に、
「トイレに行ってくる」
と言ってその席をさりました。

私は知っていました。

私が席を外している時に、
妻が店員にこっそり話していたことを…

私に隠れてコソコソ話している内容とは?

私には聞こえてないと思っていたが、
私にはそれがどんなことなのか知っていました。

それは、
「ここで一番安いウェディングドレスはどれですか?」

妻は自分が一番着たかった
マーメイドのドレスは候補にも入れず、
一番安いウェディングドレスを選んだ。

私がいない時に安いドレスを聞いておき、
あたかも同席した時に偶然これがいいと
決めたかのようなふりをしていた。

私は知らないふりをして、
「じゃあ、これにしようか」
といってドレスを決めた。

二人がいろいろ見て決めたという
建前がここで成立した。

しかし、今の自分には何もできなかった。

大きな声で
「好きなドレスいっぱい試着して
選んでいいよ!」

と言いたかったがそれすらできなかった。

マーメイドのウェディングドレスを着たい
夢を叶えることができずに、
本当に申し訳ない思いでいっぱいになった。

ドレスが選び終わると、
スーツを着た女性定員はドレスのナンバーを記入し、
名前を住所を記載するようにペンを渡した。

そこに、
自分の名前と住所を書いていると
なぜか目頭がどんどん熱くなってきた。

妻の心遣い、自分の情けない今の現状、
申し訳無さとありがたさの
感情が一気に吹き上がってきた。

涙が溢れそうになり、
我慢できないと判断しました。

「ちょっとトイレに行ってくるね」

と言いながら、妻と店員には振り返ずに
男子トイレに向かいました。

もちろんトイレに行きたかったわけではない。

妻の優しさに対する嬉し涙が、
それ以上に、自分の不甲斐なさによる悔し涙が止まらず、
自分の感情を抑えることができなかっただけ。

トイレに入ってカギを掛けた瞬間、
滂沱たる涙が流れ出してきました。

声を上げて泣きたかったが、
幸せいっぱいの結婚式場の下見で、
大泣きしている男は不自然すぎる。

事情はどうあれ、この泣いている姿だけは
誰にも知られないようにしなければいけない。

口を抑え、涙が滝のように出てくる自分を、
どう制御すればいいのか?

トイレに行ってくると言ったきり、
気づけば長い時間が経ってしまっている。

目は腫れ上がり、冷静ではない状態。

このまま、あのウェディングドレスの
申し込み用紙に名前と住所は書けるのか?

妻や店員には泣いている姿を
隠し通せるのか?

先行きの見えない未来に対して、
胃が締め付けられるような思いで
いっぱいになりました。

「本当に春は来るのか?」

続く…

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本日の実践
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1,次のメールを楽しみに待つ

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次回予告
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当時の自分にできることは、
精一杯行ったつもりです。

しかし、人生が空回りしているときには、
何をしても無駄のような気がしました。

猫の餌も買えない男はこの後どうなったのか?

9月20日のメルマガをお楽しみに。

堀北晃生

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先週のスゴイ実績
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■注目銘柄1
銘柄:4170 (株)Kaizen Platform
注目株価:640円 (2022/09/06)

■注目銘柄2
銘柄:4165 (株)プレイド
注目株価:703円 (2022/09/06)

Kaizen Platformで162,445円の利益

プレイドで11,650円の利益

追伸:
過去を振り返って書き出すと、
当時を思い出し、また涙が出てきます。

キーボードが濡れているので、
ティッシュで拭き取りたいと思います。

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■堀北晃生(ほりきたあきお)プロフィール

大暴落相場で大損…と悔しい思いをしてきた投資家を、最短6ヶ月で「勝率8割・平均10%以上のスキルをマスター」させる投資コンサルタント堀北晃生です。「割安株を見つけるためにいろんな情報を集めたが、思ったように利益を出せなかった…」と悩んでいる投資家に、3年間毎月のように成功実績が上がっている実績を元に、「4つのチャートテンプレート」を見るだけで、面白いように利益を出せるようになる「魔法の投資戦略」をお伝えしています。「株式投資で利益を出したいが結果が出ない」や、「塩漬け株から脱却したい」などのお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ無料WEBセミナーに参加してください。

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