From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
先週末、2月最後の週ですが、
日本株だけではなく、
世界中の多くの市場が下落しました。
金曜日の下落率は以下のようです。
日経平均 -3.99%
TOPIX -3.21%
NYダウ -1.5%
SP500 -0.47%
Nasdaq +0.56%
ハンセン -3.6%
FTSE100 -2.53%
CAC40 -1.4%
DAX -0.67%
VIX先物 -3.47%
少なくとも先週金曜日(2月26日)深夜の時点では、
上記市場の下落は一通り確認できたわけです。
こうしたデータをどう読むか、
という事をひとつの見方としてお伝えします。
まず、2月26日の日中、
日経平均がぶっちぎりで下落しました。
しかし、TOPIXは、
日経平均ほどは下落しませんでしたね。
この下落率の差は、
26日のザラバから確認できた事実です。
日経平均の構成銘柄ウェイトは、
こうなっています。
(1月末時点の値、毎月末に日経新聞社が発表)
9983 ファーストリ 11.7%
9984 SBG 6.33%
8035 東エレク 5.18%
6954 ファナック 3.56%
6367 ダイキン 2.88%
2413 エムスリー 2.75%
上記6銘柄だけで32.4%、つまり、
日経平均の1/3を支配しているわけです。
TOPIXはひどく下げたわけではなく、
上記銘柄が主導して下げた。
ザラバを注意深く見ると、
まずはこの事がわかります。
一応、今年としては最も大きく下げたのですが、
恐怖指数VIXをみてみると
それほど上昇していませんでした。
それにマザーズは下落しなかった。
これらから、
「世界同時株安にはならないだろう」
と26日の日中時点でわかります。
ですので、
大きく下がった引けの前、あるいは、
先物をやっている人は引けのあとでも、
買いをいれておけば
月曜日は戻しで利益が狙える
ということがわかります。
念のため、夜までトレードを控えるとすると、
欧州株式市場が始まっていますので、
その値動きからいくつかの新しい材料も
判断できます。
つまり、
欧州もそこそこ下がったが、
日本ほどのものではない。
イギリスFT100は、ブレグジットで
そもそも伸び悩んでいましたから、
下落しやすい状況でした。
DAX(ドイツ)をみると、
まったくもって小さな下落。
ここまでは、
26日の夕方に確認できたはずのものです。
さらに、夜間には米国市場が始まります。
NYダウは30銘柄の値動きですが、
日経平均の半分も下がらなかった。
ましてや、
ニューヨーク市場全体の動きを示す
SP500はほとんど反応しなかった。
NASDAQに至ってはプラスでした。
なにより、米国市場を支配した
米国長期金利の上昇懸念は
26日中に解消されました。
ということは、26日深夜の段階では、
日本株が下落した理由は消えていて、
結局、世界の中で日本だけがひとり
大きく下げた状態で3月を迎えた
ということがわかります。
市場というのは、
オーバーシュートするものですから、
下げすぎた反動で、月曜は
上げからスタートするであろうことは、
案外簡単に予想できます。
週末の間に、
「日本株は上げすぎたから
このくらい下げて当然だ」
「まだまだ下がる」
という意見は、評論家の意見として
多かったように見受けましたが、
市場に参加しない人がそんな話を聞いても
売り圧力にはならないので、
まったくひるむことはない。
自信をもって買い進められる。
そう判断できたのです。
同じような事象はこの先も起きるでしょう。
こうした時は大きなチャンスになる、
というひとつの参考になると思います。
奥村尚
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20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。