良好な日本経済に隠れた株不調の原因

2025.3.5
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

いま、日本は、
少なくとも経済は
過去最高の状態になっています。

2月17日に
内閣府が公表したGDPは、

名目成長率は
2024 10-12期 1.3%
(年率換算5.1%)でした。

GDP 600兆円を超えたのは
初めてです。

GDPは、国内における、
会社や個人の経済活動の
付加価値の合計を示す指標ですから、

所得金額としては
過去最高になった
ということになります。

この指標は
付加価値の合計を
示すだけではなく、

国民総所得(GDI)や
国内総支出(GDE)と
一致する原則がありますので、

雇用者所得(=賃金)も
間違いなく過去最高に
なっています。

また、
企業統計(bloomberg)をみると、

設備投資は2021 1Q(4-6期)に
プラスに転じて以降、
実に14四半期連続プラスを維持しています。

円安は継続しており、
設備投資の意欲は衰えていないはずですから、
日本の景気には間違いなく良い話です。

統計上の話ではありますが、
個人の経済観で、あるいは家計で、

景気は過去最高に良い
ということを実感できる人はよし、

ですが、
実感できない人は、
実感となぜ離れているかを考える必要があります。

これについては、
また別の機会に論じることにして、

これだけ日本経済は良し、
企業業績も良し、

なのに、なぜ、
株価はそれに反応しないのかも
考えておく必要があります。

これは、案外簡単です。

株価は、
利益(≒業績) と買いたい気持ち
の掛け算

ですね。

利益が上がっているのに
株価が下がるのであれば、
買いたい気持ちが下がっているのです。

ここ1カ月で頻繁に起きている、
日経平均やTOPIXの大幅な下落を
もたらしているのも、

買いたい気持ちの
瞬時の変化、なのです。

今年に入ってからの、
日経平均のボラティリティインデックス
(日経Vi)の推移をみてみましょう。

日経Viは、投資家が
日経平均株価の将来の変動を
どのように想定しているかの指数です。

指数値が高いほど、
投資家が今後相場が大きく変動すると
見込んでいることを意味します。

ここでいう変動とは、
主に下落の事を指します。

特に2月に入ってからの
日経Viは上昇していますね。

2月には何があったでしょうか。

たとえば、日銀の利上げ、
トランプ政権の関税懸念、
などが思いつきますね。

結局そうしたことが
株価の重しとなっていて、

さらに、買いたい気持ちの、
瞬間の大きな変化が株価の大きな下落を
もたらしていることになります。

企業収益は一日単位では
変化することはないのに、
株価が大きく下げるということは、

単に買いたい気持ちが
瞬時に変化するだけで、
大きな株価下落が起きたものだ、

という言い方ができるのですね。

 

奥村尚

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