From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
今年に入り、4月初頭の
いわゆる相互関税の具体案が
米大統領の口から発表される前、
米金利は基本的に
下げ基調となっていました。
これは、
米金融当局、つまりFRBは
政策金利を下げている過程にあり、
今後も下げる勢いこそ
弱まるものの下げ続ける
という市場コンセンサスがあり、
その結果、米長期金利下落、
ドル円レート下落(円高)が
ゆっくりと進んだことによります。
今年1月1日から4月3日までの、
ドル円レートと米長期金利の
歩みをみておきましょう。
(今回使ったグラフは、
各種資料からインポートしている
社内用分析ツールを用いています)
まったく同じように
動いているのがわかります。
同じ期間で、米長期市場金利(x) 、
ドル円レート(y)の関係をみると、
さらに明確です。
きれいに線形の関係が
導かれています。
つまり、
米金利が上昇(下降)すると、
それに比例してドル円も
上昇(下降)する、
というものです。
赤い点は、計測期間のうちで
直近の日時を示しますが、
x軸は下限ぎりぎり
(4.0%近辺)です。
この期間は下がり続けていて、
計測最後の日(つまり4月3日24時)が
最も下がっていたんですね。
では、4月4日以降は
どうなったのでしょうか?
これをみてください。
このグラフは、
4時間足でみていますので、
土日で値が動かない日が
二か所ありますが、
無視してください。
方向性がみえませんね。
むしろ、米金利は上昇をしはじめ
ドル円は下落しはじめています。
それまでと逆流しはじめた、
というわけです。
今後は、どう読むべきでしょうか。
相互関税における米側の交渉相手は、
ベッセント財務長官です。
ジョージソロスが経営する
ヘッジファンドで
役員まで務めた人であり、
ディールをお金に
等価変換することに
なるでしょう。
おそらく、ドル円レートを
ドル安へ誘導する
方向になると思います。
貿易は互いの損得は
為替レートを使いますので、
輸出する側に有利な
通貨安にするのが
常套手段なのです。
当然に、円高を演出する
為替レートにすることも
話し合いのテーマになる、
と予想できるわけです。
これが明確に
交渉材料と明らかになり、
かつ、日本がそれを飲むことが
明確になるまでは、
4月4日以降続いている、
方向感がない為替レートが
続くと思います。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。