為替レートと米金利と相互関税

2025.4.16
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今年に入り、4月初頭の
いわゆる相互関税の具体案が
米大統領の口から発表される前、

米金利は基本的に
下げ基調となっていました。

これは、

米金融当局、つまりFRBは
政策金利を下げている過程にあり、

今後も下げる勢いこそ
弱まるものの下げ続ける

という市場コンセンサスがあり、

その結果、米長期金利下落、
ドル円レート下落(円高)が
ゆっくりと進んだことによります。

今年1月1日から4月3日までの、
ドル円レートと米長期金利の
歩みをみておきましょう。

(今回使ったグラフは、
各種資料からインポートしている
社内用分析ツールを用いています)

まったく同じように
動いているのがわかります。

同じ期間で、米長期市場金利(x) 、
ドル円レート(y)の関係をみると、
さらに明確です。

きれいに線形の関係が
導かれています。

つまり、

米金利が上昇(下降)すると、
それに比例してドル円も
上昇(下降)する

というものです。

赤い点は、計測期間のうちで
直近の日時を示しますが、

x軸は下限ぎりぎり
(4.0%近辺)です。

この期間は下がり続けていて、
計測最後の日(つまり4月3日24時)が
最も下がっていたんですね。

では、4月4日以降は
どうなったのでしょうか?

これをみてください。

このグラフは、
4時間足でみていますので、

土日で値が動かない日が
二か所ありますが、
無視してください。

方向性がみえませんね。

むしろ、米金利は上昇をしはじめ
ドル円は下落しはじめています。

それまでと逆流しはじめた
というわけです。

今後は、どう読むべきでしょうか。

相互関税における米側の交渉相手は、
ベッセント財務長官です。

ジョージソロスが経営する
ヘッジファンドで
役員まで務めた人であり、

ディールをお金に
等価変換することに
なるでしょう。

おそらく、ドル円レートを
ドル安へ誘導する
方向になると思います。

貿易は互いの損得は
為替レートを使いますので、

輸出する側に有利な
通貨安にするのが
常套手段なのです。

当然に、円高を演出する
為替レートにすることも
話し合いのテーマになる、

と予想できるわけです。

これが明確に
交渉材料と明らかになり、

かつ、日本がそれを飲むことが
明確になるまでは、

4月4日以降続いている、
方向感がない為替レートが
続くと思います。

奥村尚

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