From:Mr.K
都内のプライベートオフィスより、、、
おはようございます。Mr.Kです。
トレードは、常に自分との戦いです。
利益を伸ばしたいけれど、今の利益も失いたくない!
損失を失くしたいけれど、これ以上損を大きくしたくない!
というジレンマとの勝負です。
トレードというのは、
最初まっさらな気持ちでやっているときは
それなりに勝てる人もいるのですが、
一度、大きな損失を経験すると、
そこから先はうまくいかなくなります。
なぜかというと、
人間であれば持っている思考パターンが
発動されてしまうからなのです。
もしも、
その悪魔のようないまいましい
思考パターンを攻略できたらどうでしょうか?
実は2002年に、
その思考パターンが理論として解明され
ノーベル経済学賞が与えられています。
その理論とは、、、
【プロスペクト理論】です。
以前、他の先生のブログでも取り上げられていましたが、
とても重要な要素、
ヒントになる理論なので
私の知見からもお話します。
・・・
プロスペクト理論の「プロスペクト」というのは、
prospect=見通し、予想
という意味です。
プロスペクト理論というのは、
結果が予想できる状況での選択の傾向です。
どういうことか?
こういうことです。
↓↓↓
===
質問1「以下の条件でお金を上げます。どちらを選びますか?」
(1) 無条件で100万円を手に入れられる。
(2) コイントスをし、表が出たら210万円。裏が出たらあげません。
さて、あなたはどちらを選びたいですか?
両方とも、選択によって得られるものはわかっていますね。
100%の確率で100万円が手に入るのか、
50%の確率で210万円だが、50%の確率で0円
確率もその結果も判明しています。
さあ、どちらを選びたいですか?
====
こういう状況で、人間はどちらを選ぶ傾向があるか?
これがプロスペクト理論です。
さて、実際に答えてください。
(1)? それとも(2)?
この質問を非常に多くの人に答えてもらった結果、
多くの人が(1)を選ぶことがわかりました。
期待値で見れば、当然(2)の方がちょっと大きいのです。
でも、人間は確実な100万円の方に価値を感じるようです。
ではもう一つ。
===
質問2 「あなたが抱える200万円の借金を、次の条件で軽減します」
(1) 無条件で、借金を110万円減らします。残りの借金は90万円になります。
(2) コイントスをし、表が出たら借金はチャラ。裏が出たら200万円のままです。
===
さあ、どちらを選びたいですか?
この質問2では、多くの人が(2)を選ぶのです。
これも、期待値で言えば(1)が有利ですが、
人間は、運が良くても90万円借金が残るより、
運が良ければ全部チャラになるほうに魅力を感じるそうです。
まとめると、こういうことです。
人間は、
お金を得る場合:確実にもらえる選択
損失を減らす場合:イチかバチかチャラになる選択
をしていると言えます。
言い換えると、
「目の前の利益は早く確定」させ、
「損失は損失そのものを回避」する
という傾向があるのです。
これをトレードに置き換えると、
「含み益が出ているときは、少なくてもいいから利益確定」し、
「含み損が出ているときは、少なくとも半値戻し、できれば建値まで耐える」
という行動になることを意味します。
なるほど、、、
納得いただけましたか?
私たち人間の脳は、
利益が出ているのであれば、
それが100万円だろうと110万円だろうと
同じように感じるくせに、
5万円のマイナスと
5万円のプラスでは、
非常に大きな差を感じるのです。
どちらも同じく「プラス10万円」
なのにもかかわらず、です。
面白いですね。
ですから、普通にトレードをすると
損大利小になるのです。
それは、あなたが悪いのではなく、
人間である証拠なのです。
さて、それでは、
このメカニズムがわかった上で
損小利大にするにはどうすればいいのか・・・?
その解決策については、
ちょっとブログでは紙面が足りなすぎるので
9月末にセミナーでお話します。
日程の都合が合えばお越しください。
ちょっとスッキリしない終わり方かもしれませんが、
今週も頑張りましょう!
GOOD TRADE!!
Mr.K
・ジャパンインベストメントスクール講師
・専業トレーダー
慶應大学大学院修了。某大手企業でサラリーマンとして仕事に燃える側ら、将来の資産形成のためにと思い2013年に株式投資に挑戦。有名な投資塾に入って必死に勉強するも、初年度は面白いくらい惨敗し追証を何度も経験。一度は投資を辞めようと思ったが、あまりの悔しさに諦めきれず、9日間の夏季休暇をすべて費やして朝9時から夜12時まで過去の株価チャートを見続けた結果、資金の流れに注目すれば再現性高く株価の未来を予測できることに気づく。その後研究を続け、経済学や金融工学を使った世間の投資手法とは一線を画した「物理学的アプローチ」による『CLEAR TRADE』理論を開発。また、9割以上の人が大敗して負けるメカニズムを数学的に解明し、厳密な資金管理理論を独自に発明。投資技術を論理的に解析・解説することを得意とし、WEBセミナーでの質疑応答はわかりやすいと人気。理論を応用し、自らAIインジケーターも開発。平日は朝8時から夜の22時まで働く現役バリバリのサラリーマンであったため、1日わずか10分の作業時間でできる投資スタイルを基本とし、それでも月利20%以上を安定的に稼ぎ出していた。2016年10月に会社を退職し独立。現在は、かつての自分と同じように株式投資でなかなか結果を出すことができない人の役に立つべく、スクールでの指導や個別コンサルなども行っている。これまでに1,000名を超える指導実績があり、自身のコミュニティに300名以上の参加者を抱えている。投資だけでなくビジネス、生き方についての考え方にも定評がある。2020年には、資金管理の原理を端的に解説した文章が、Quora(※)の投資関連質問でのベストアンサーに選ばれ、書籍に掲載された。
いつもブログの更新を楽しみにしております。
プロスペクト理論はいろいろな本にも出てくるので、知ってはいるのですが…。
実際のトレードとなると、少ない資金を回転させたい想いから、どうしても理論どおりの行動になってしまい、暴落時に利益を吹き飛ばしてしまいます。資金が少ない場合でも解決策はあるのでしょうか。
アロンさん
いつもブログを楽しみにお読みいただきありがとうございます。
プロスペクト理論に対抗するために私が考えた解決策は、
①資金管理による方法、②売買による方法
の2種類があります。
そもそも、チャートの流れが一定の確率で予想できているのかということが大前提になりますが、
プロスペクト理論への対抗手段はありますよ!
こんにちは。何も考えずトレードすると含み損は±0になるまで耐えようとしてしまいます。0になるまで耐えたということは、最大の含み損の位置からエントリーしていれば利益になるというのに!
損小利大は簡単そうで難しいです!
ちくんさん
コメントをありがとうございます!
>>0になるまで耐えたということは、最大の含み損の位置からエントリーしていれば利益になるというのに!
お気持ち痛いほどわかります!
しかし、戻らないときもあるからどうしようもないですよね。
トレードで勝つために必要な要素を整理して理解すると、
こういう場合はこうして、こういう場合はこうすればよい、
という場合分けでの対応ができるようになります。
場合分け、フェーズ分け、というのがポイントになります!