From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
今年の相場の動きが、
前半(1-6月)と後半(7月以降)は、
明確に異なる動きになっていること
を、皆さんはお気づきでしょうか?
ひとまず、ドル円と日経平均の推移を、
2021年1月から日次データ(終値ベース)
で確認しておきましょう。
おおざっぱに見ると、
日経平均は3月までは上昇、
それ以降は下降
ドル円は3月までは上昇、
それ以降は横ばい、もしくは、
ゆるやかな上昇
といったところですね。
よくみると、日経平均は、
ガクンと下がる箇所がいくつもあり、
なんとなく、
周期がある感じにも見えます。
ガクンと下がる箇所は、
ドル円では日経平均に比べると
目立たない小さな動きです。
ただ、同じ個所にフシはあるし、
同じ方向(下落=円高)になっているので、
同じ理由で上下したことがわかります。
(上下したその理由とか、
周期はひとまず置いておいて)
7-8月の、米国金利とドル円の関係をみてみます。
ドル円レートyを米長期金利xの変化から
x-yグラフで説明するものです。
金利は米10年債の利回りから取っています。
これを見ると、米金利が増えると、
ドル円レートの上昇(円安)になる関係が
見事に一直線上に並んでいることがわかりますね。
そして、その関係式も明確です。
米金利が1%上昇すると
ドル円レートは6.3円上昇します。
次に、同じ期間で
ドル円レートと日経平均をみてみます。
日経平均yをドル円レートxの変化から
x-yグラフで説明するものです。
これを見ると、
ドル円レートが1円上昇すると
日経平均が570円上昇する関係
であることがわかります。
しかし、5-6月の同じ関係をみると、
こうなっています。
ドル円レートxと日経平均yの関係が見えません。
ドル円レートとは無関係に
株価が決まっていた証拠です。
ドル円レートが上がろうが下がろうが、
日経平均とは無関係、ということですから、
これは歪んだ関係であったとわかります。
7月以降の相場は歪が解消されたのです。
ちなみに、コロナの前、
2019年(1-4月)の日経平均と
ドル円レートの関係は、
こうなっていました。
ドル円レートが1円上昇すると
日経平均が511円上昇する関係です。
2019年の正常な相場が戻ってきたんですね。
ドル円と日経平均が連動する
正常な相場になってきたのです。
なお、2019年1-4月は、日経平均は
一本調子に2千円ほど上昇しました。
2021年の9月以降も、
2019年1-4月同様、
ゆっくり上がってゆく可能性があります。
奥村尚
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20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。