From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
もう年末ですね。
今年最後のブログになりますので、
今年の相場を振り返ってみようと思います。
まずは、一年の動きを全体的に見ておきましょう。
NYダウ、日経平均、ドル円を
左スケールに昨年末=100としてプロットしました。
関係を見るために、右スケールに米国長期債の利回りを添えています。
これを見て、この1年を思い出しながら
チャートを見ておくと、かなり良い学習ができるはずです。
いろいろな要素で
上がったり下がったりしてきたのですが、
その要素は何であったでしょうか。
要素が何があったかがわかれば、
それが来年を観るために、
そのまま役に立つと思います。
すこしそのおさらいをしていきたいのですが、
その前に、
今の世界の相場を見ると、
ひと言でいえることがあります。
カネ余りです。
コロナ禍で経済がうまくいっていないのに、
相場が膨れ上がった最大の理由がカネ余りです。
金融相場とでも言えばよいでしょうか。
昨年から今年にかけては、
金融相場だけで株式は恐ろしく上昇し続けました。
通常は、実態が相場に追いついて、
企業業績も上がってきます。
業績相場です。
では、本題に入りましょう。
株をやっている人は、
日経平均とドル円、あるいは、
日経平均とNYダウを並べてみる事はよく行うと思います。
特に、日米の株式同士は、そっくりな動きをしています。
日米企業の稼ぎ方は全然異なるビジネスモデルです。
それなのに、
そっくりな動きをしているということは、
何か共通の事項があるに違いありません。
それは、買いたい気持ち、です。
センチメントともいいます。
この気持ちが世界を伝搬し、
日米ともに同時に上がったり下がったりしていることになります。
数字では、PER(株価収益率)で表します。
PERが伝搬するので、世界の株価が連鎖するんです。
まず、この点を押さえておきましょう。
次に、NYダウを無視して、
ドル円と日経平均を見てみます。
ドル円が上がると(つまり円安になると)
輸出企業は日本円ベースでは売り上げが上がるので儲かります。
輸入企業は損します。
令和2年は、
輸出>輸入でした。
いわゆる、貿易黒字です。
今年も日本の(輸出額>輸入額)であれば、
円安で輸出企業は儲かるので
株価全体としては上がりやすい。
日本の(輸出額<輸入額)であれば、
円安は輸入企業は損するので株安になるのが自然です。
しかし、
それ以前に、ドル円と日経平均は
リンクしていない感じがしますね。
今年全体で見ると、
ドル円と日経平均は関係なく
相場が形成されていました。
では、ドル円と日経平均をあきらめて、
米国金利と日経平均の関係を見てみましょう。
発見しやすいように、赤丸をつけておきました。
これでいかがでしょうか。
米金利が上がると日本株が下がる傾向があることがハッキリわかるでしょう。
この関係こそが、来年を占う関係になるのです。
これが、今年の相場のおさらいになります。
このおさらいを前提に、
来週の新年一発目のブログでは新年らしく、
2022年を予想してみる事にします。
楽しみにしていてください。
奥村尚
・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。