失われた30年は終わっている

2023.3.15
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

1980年代、
伝説のバブル経済がありました。

今でも時々、
お立ち台で踊る映像が
メディアで流れますがあの時代です。

1984年1月までは、
1万円に届かなかった日経平均は、

1986年から目に見えて
急激に上がり始めました。

1986年末からの、
株価の推移をみてみましょう。

日経平均は、
1989年12月に、
4万円弱まで到達しました。

この頃は、
日本は世界で第二位の
GDPを誇っていました。

GDPは国家全体としての
経済力をフローで示すものですが、

ひとりあたりの稼ぎを示す
ひとりあたりGDPも、
この頃は世界有数でした。

1988年は世界で二位。
(1位スイス、3位ルクセンブルグ)

ちなみに2021年は
日本は27位。
(1位ルクセンブルク2位アイルランド3位スイス)

日本(人)の所得が
下がったわけではないのですが、

まったく上がっていないので、
伸びる他国に周回遅れになった
ということです。

日経平均は、
1989年の値に遠く及びません。

これをもって
失われた30年
という言い方もできます。

しかも、
失われた30年どころではなく、
34年目に突入していることになります。

でもこれは日経平均とか
ひとりあたりGDPという
ある限られた側面にすぎません。

日本企業の価値、
という点に着目すると、

東証の時価総額というものが
浮かんできます。

東証一部(今はPRM)の時価総額を、
1986年からみてみましょう。

先ほどの日経平均とは
異なった景色になります。

1989年末に
591兆円だった東証1部の時価総額は、

バブルの終焉とともに
大きく下落しましたが、

2017年に670兆円を超え、
日本の企業価値という点で
1989年を大きく凌駕していたのです。

1989年にピークを付けた
日本企業の(東証一部の)時価総額を、

失われた期間中、
超えられなかったのですが、
28年後、2017年にピークを越えていたのです。

この期間が株式市場で考える
失われた期間であり、
その期間は28年続きました。

でも、今はもう終えています。
2021年以降は安定して
700兆円を超えて推移しており、

1989年の企業価値を
18%もうわまわっています。

なぜ日経平均と
景色が変わるかというと、

日経平均は株価だけで
見ることが大きな理由です。

企業価値を、
日経平均は株価でみるので、
株価が高い会社に左右されるのです。

企業価値は株価ではなく、
「株価x発行済株式数=時価総額」でみます。

その時価総額の合計が、
東証の時価総額合計であり、

その時価総額合計を
指数化したものがTOPIXです。

株価を見るときは
TOPIXもみるようにしておくと
ミスジャッジを減らせるでしょう。

奥村尚

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