日銀&年金の【買い支え】が、マーケットに与える影響

2014.12.13
Share:

From:中野英
表参道のカフェより、、、

すっかりクリスマスですが、
いま私がとても好きな表参道に
ショッピングを兼ねて来ています。

あまり物欲はないのですが、
街の様子を見て色々な世の中の流れを
見ることがとても好きなのです。

周りの環境が変わることは
マーケットが変わることと
連動していることも多いのは周知の通り。 

『日銀&年金による官製相場』と
いう言葉が聞かれるようになりましたね。

今回は、それら【公的資金の買い支え】によって、
マーケットがどのように動くようになるかを検証してみたいと思います。

まずは、《日銀》から。

以前の日銀は、
『前引け段階で、TOPIXが前日比1%以上下落』
という内規が存在していた時期がありました。

しかし、これは【自主的な内規】であり、
守られなければいけないルールではありません。

守られなければいけないことは、
『年間の買い入れ額』なのです。

11月14日に、前引け【-0.04%】で
380億円のETF買いが入りました。

その後も、前引け段階で
【前日比マイナス】であれば、
その幅に関わらず買っています。

『今年中に予算分を買切る』ことに、
重点が置かれていると言えるのです。

そうなると、投資家は
どのような行動を起こすようになるか・・・。

『急落』というものは、
総じて【二つ】の理由から起きます。

① 投資家が、至急、【現金】が必要になったとき

② その水準での【買い手】の存在に、疑念が生じたとき

①は、【ヘッジファンドの解約】や、
サブプライムショックなどの【資金の調達に支障をきたす問題】が
生じたとき、などが挙げられます。

②は、上昇が続いた後の高値圏で
【出来高が減少する】などの、
『買い手の存在の減少』の合図が出たときなどが挙げられますね。

日銀の影響力が発揮されるのは、
②の投資家に対してです。

【前日比マイナス】であれば・・・
もしかしたら、そうでなくとも・・・、
『日銀のETF買い』が保障されているのです。

投資家は、よほど現金化しなければならない
事情がない限り、買いが確約されている中で、必要以上の安売りはしません。

つまり、日銀の買い付け資金(来年は3兆円)が
切れない限り、『買い手がいなくなる』ということは絶対にないのです。

 
以上のことから、①のような【不測の事態】が
起きない限り、『大きな下落が起こることはない』と言えます。

それを象徴しているのが、
10月31日の追加緩和後からたびたび
言われている、『移動平均からのかい離率』。

通常の相場であれば、投資家の
『高すぎる』という心理が働いて買いが
弱まる水準であり、【売り仕掛け】が入ることもある水準なのでしょうが・・・

実際に【日銀の買い】が入ることで、投資家が
『高値水準による買い手の減少』を不安視することもなく、
売り仕掛けする投資家が現れることもないが故に、大きく下げることがないのです。

結果、『買いたい』と思っている投資家は、株価が
下がってくる気配がないのを感じて、上値を買っていくことになるのです。

次に《年金》の買いについてです。

年金は、多少、日銀とパターンが
違いますが、『押し目を買う』というスタンスは同じです。

朝方大きく下げて始まった日や、
大きく下げた翌日などに、買いを入れる傾向が強いですね。

今年の5月の【14000円割れ】後の動きがそうでしたが、
水準によっては積極的に上値を買っていくこともあります。

自分のディーラー時代から見られる光景ですが、
『ある水準をキープする』という目的が強いように感じるのです。

《PKO(株価維持政策)》と呼ばれる所以でもあります。

《年金》の存在が、『買い手の安心感』と
『売り仕掛けのしにくさ』に繋がるところは、《日銀》と同じです。

やはり結果として、
『下がらないので安心して上値を買う』
という投資行動に繋がりやすくなります。

一つ気を付けなければいけないことは、
投資家の多くが『売りづらい』ということで、
ショートポジション(空売り)が入りにくくなるので・・・

《下げ始めると、買戻しが入らないために、一本調子で下げやすくなります》

売りが出ないということは、言い換えれば・・・

『売りたい投資家が増え続けて、売りのエネルギーが溜まり続ける』

・・・ということですので、
《安心感がある相場ほど、見えないところにリスクが潜んでいる》
ということを、決して忘れないでください。

来年に関しては、
《日銀&年金》の買いが確約されていますので・・・

急落後などの『売りたい投資家が売り切った後』などは、
間違いなく絶好の買い場になることが想像できます。

どんなに強い相場であれ、年に数度の急落はあるものですから、
そのタイミングだけは逃さないようにしていきたいものです。

次回から、複数回に分けて、
先物市場についてのお話をしていきたいと思います。

関連記事

Pick Up!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です