危険なシグナル

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From：中野英
都内の自宅より、、、
　
　

夏も終盤に差し掛かってきて、涼しくなってきました。

同時に、台風が多くやってくる季節にもなり、
あちこちで天候が荒れそうだという予報も出ていますね。

相場も、大荒れ模様。

世界経済の先行き不安など色々ありますが、実は・・・

※　特に《商品を扱うファンド》で、ファンドの閉鎖が相次いでいます。

そこに《中国株の下落》・《新興国の通貨安》などが相まって、
ファンドなどのポジションが痛んだ結果、
株式なども含めた全てのポジションを手仕舞う動きになったのでは？と見ています。

当然、その中身は《閉鎖》や《解約》ですから、
無条件に《換金売り》が出てくることになります。

そうなってしなうと、チャートもほとんど通用しません。

あくまでチャートは・・・

※　運用できる環境で、初めて役に立つもの

・・・至上命題が『ある期限までに換金』などの別の目的に取って変わってしまったら、
『運用上の目安』である《チャート》の利用価値は一気に落ちます。

そのような《潮目の変化》に表れる兆候を、今日は載せることにいたします。

【8月20日　日経225先物歩み値】

【8月20日　日経225先物歩み値2】

これは、8月20日に出始めた、日経225先物への売り注文です。

一つ一つを見ると、小さな注文に見えますが、時間を良く見てください。

同時間に、複数の注文が同時発注されていることが分かります。

これは、俗に《アルゴ》と呼ばれている、《システム》から発注される注文なのですが・・・

このスタイルの売り注文が、一日通して出始めたのが《8月20日》でした。

そして、そのような売り注文が出てくると、一日の値動きはこのようなものになります。

【8月20日　日経225先物　3分足チャート】

一日通して・・・

※　平均的な出来高

※　平均的な下落ペース

・・・つまり、『継続的に《アルゴ》による売りが出ている』ということが分かると思います。

しかし、重要なのはここからです。

このような『小刻みな注文を連射するような売り』が出てくると、その売りは・・・

※　継続する可能性が高い

・・・これは、過去の動きを見ても明らかです。

去年の10月に日経平均が《1500円》下げた時も、
あいだの2日間を除いて、連日出続けました。

【8月24日　日経225先物　週足チャート】

なぜこのような売りの形になるかと言えば、恐らく・・・

※　一気にこなすことが出来ない規模の『大量の注文』を執行するには、
少しづつ発注していくしかない

・・・突然、あまりに巨大な売り注文を発注したら、
最悪1秒足らずの間に、相場が急落してしまいます。

それでは、下手な安売りをすることになり損失を被ってしまうことは、
言うまでもありません。

そのようなことを防ぎ、かつ平均的な株価で売るために・・・

※　時間をかけて、一定量を継続的に売り続ける

・・・それが、上記の《小さな注文の塊》になるものと思われます。

この売り一つだけであれば、《ジワジワ売り》と言った感じの、
『少しづつ下げていく』という動きになるのですが・・・

継続するが故に、『売りが出ている』ことが周知されていって・・・

★　新たな売りを誘発することになります

その結果・・・

★　下落のスピードが、加速度的に増していくことになります

【8月20日～24日　日経225先物　3分足チャート】

そしてもう一つ、
日経225先物にこのアルゴが発動する時の特徴として・・・

※　TOPIX先物主導の相場

・・・ということが挙げられます。

つまり、《TOPIX先物》への売りが重しとなり、
それに付随する形で《日経225先物》に売りが出る。

先週木曜日からの動きでは・・・

※　TOPIX

・・・こちらの弱さが際立っています。

【8月24日　日経225＆TOPIX　指数チャート】　

売買手口を見ても、明らかな《TOPIX先物への売り》が見て取れます。

【8月20日　TOPIX先物手口】

【8月21日　TOPIX先物手口】

【8月24日　TOPIX先物手口】

それに対して日経225先物には、実は、これと言った売り買いの偏りがありません。

【8月24日　日経225先物手口】

　

今年に入ってからの相場で、特に顕著に見られるようになった傾向ですが・・・

※　TOPIX先物市場のプレイヤーの巨大化

・・・つまり、TOPIX先物市場への、
資金を豊富に持った投資家の参加が目立つようになりました。

そういう環境であったことから、
今年のこれまでの上昇は《TOPIX》優位の展開が、しばしば見られたのですが・・・。

逆に言えば、売りが出てくるのも当然・・・

※　TOPIX先物

・・・そして『巨大化』していたから、売りも『巨大化』したと言えます。

個別株ベースの話をしますと、TOPIXは・・・

※　東証一部市場に上場している全銘柄を対象とした指数

それに対して、日経225は・・・

※　東証一部の225銘柄を対象とした指数

つまり、日経225先物主導の下げならば、
『自分の持ち株は高い』ということが多々ありますが・・・

※　TOPIX先物主導の下げでは、
全銘柄に《売り圧力》がかかり、値下がり銘柄が多数を占める

・・・その可能性が、極めて高くなります。

知っていれば、簡単に気づくことが出来た《危険なシグナル》。

今回、それを知らずに大変な状況になっている方もいるかと思われますが、
同じことを繰り返さないために、今日の内容を、今後の取引に生かして頂ければと思います。