知っているようで知らない、相場の仕組み

2014.11.11
Share:

From:中野英
 
池袋のトレードルームより、、、
 
 
はじめまして。中野と申します。
 
私は10年間、証券会社で10年ディーラーをやっておりました。
 
 
今は独立して専業トレーダーとして
 
そして株専門のメディアに出たり執筆の依頼を頂いたりしております。
 
 
私はやはり仕事柄、兜町に一番出向きますが、
 
銀座や表参道にもよく出かけたりします^^
 
 
元ディーラーの視点から私が感じる株のチャートに
 
秘められた投資家心理や株式投資で勝つためのあまり知られていない
 
話を、株ライブを通してあなたにお届けすることで少しでもお役に立てれば嬉しい限りです。
 
 
 
さて、皆さんは、どのような相場の時に、株価は下がると思いますか?
 
売りが多いとき?買いが少ないとき?答えは、《両方間違い》です。正解は、、、
 
 
 
売らなければいけない投資家が多いとき
 
 
 
です・・・今後株ライブで、様々なお話をしていきますが、
 
全ての基本はこの仕組みの中にあります。
 
 
この機会に一度、
 
『知っているようで知らない相場の仕組み』を振り返ってみましょう。
 
 
まずは、ここから・・・
 
株価は、『今現在の株価より《安い株価》で売る投資家』が
 
現れなければ、決して下がることがありません。
 
 
会社が倒産しない限り・・・。
 
 
なので、会社側は、株主優待などで、
 
《売らない・持ち続けてくれる投資家》を集めようとするのです。
 
 
しかし、投資家にはそれぞれ都合があり、
 
『どうしても現金にしなければならない』時があります。
 
 
その最たるものが、毎年時期が来ると話題にのぼること、、、
 
 
 
ヘッジファンドの解約売り
 
 
 
ファンドへの出資者から『出資金を返してくれ』と言われれば、
 
当然その期限(決算日)までに現金を準備しなければなりません。
 
 
ポジションがロングであれば、
 
その株式を売って現金化するわけですが、
 
そこで絶対に厳守することは、『確実に期限までに現金にすること』になります。
 
 
今の株価・もしくはそれ以上の株価で、
 
売る数量以上の買い手がいれば株価は下げませんが、
 
もし今現在の株価での買い手が少なければ、安売りしてでも売らなければなりません。
 
 
買い手が現れるまで待っているような、《時間的余裕》がないからです。
 
そして、解約が出れば出るだけ売ってきます。そう、バナナの叩き売りのように・・・。
 
 
その理由はただ一つ・・・
 
 
 
期限までに現金を準備しなければいけない
 
 
 
そこには、業績も何も関係ないのです。
 
実際のところ、大きく株価が動くときの要因は、
 
業績より、このような『資金の移動』であることが多いです。
 
 
世界的な景気不安・エボラ出血熱etc.・・・
 
『なぜ今さら?』とお思いの方もいらっしゃると思います。
 
 
でも、突然売られ出すのは、《解約出来る月》が決まっているから。
 
つまり、資金を返してもらいたくても、その時期が来ないと返してもらえないわけです。
 
 
だから、それまでは下げない。
 
でも逆に言えば、溜まり溜まった物が、
 
まとめて売りに出されてくる可能性がある。
 
 
実は、ヘッジファンドの決算月というのは
 
ファンドによって様々で、一様に『11月決算のヘッジファンドの売り』とは言い切れません。
 
 
ただ間違いなく言えるのは、
 
毎年10月は『クリスマス休暇を取るためのポジション調整(リスク資産を減らして、現金にすること)』
 
が始まる月で、ただでさえ売りが出やすい月なのです。
 
 
そこに『ファンドの解約売り』や、
 
恐らく『アメリカの年金売り』なども重なって、日本株は急落となりました。
 
 
そう、売りと言っても様々。
 
 
『利益を確定しておこう』『売れたらいいな』
 
というような意思の売りは、上値を抑える要因にはなれど、
 
株価の下落要因にはなりません。
 
 
『高い値段で売りたい』のであって、
 
『安売りしてまでは売らない』からです。
  
 
定義付けとして、《消極的売り手》とでも名付けましょう。
 
消極的売り手は、大量にいても、その売り手だけでは株価は下落しません。
 
 
出来高・売買代金も、あまり増えません。
  
しかし、『期限までに売って、現金化しなければいけない』
 
という意思の売りは、その目的を果たすまで、株価の下落要因になります。
 
 
『安売りしてでも売ってくる』からです。
 
同じく定義付けとして、《積極的売り手》と名付けましょう。
 
 
積極的売り手は、増えれば増えるほど、
 
大きな株価の下落要因になります。出来高・売買代金は、
 
売り手の増加に伴い増えていきます。
 
 
世界中の投資家は、
 
様々なスケジュールに合わせて行動を起こします。
 
 
解約が出たから売りを出す者、
 
クリスマス休暇を取るために売りを出す者、
 
運用ポートフォリオの変更に伴って売りを出す者etc.・・・
 
 
これは、テクニカルで取引する人・業績を見て取引する人・
 
優待目的の人・・・全ての投資家にとって、切っても切り離せない事象です。
 
相場で生きていくためには、、、
 
 
 
『相場の参加者』について知ることが何より重要
 
 
 
これから、このブログの中でも、
 
様々な種類の投資家が出てくると思います。
 
 
それぞれの投資家の立場に立って、
 
それぞれの心理を読み解けるようになって頂ければと思います。
 
 
次回は、途中出てきた『出来高・売買代金』に
 
秘められた心理について、お話ししたいと思います。
 
 
それでは、これからどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
-中野

関連記事

Pick Up!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です