CPIで大騒ぎ。それって本当?

2021.11.17
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

11月10日に、米国の
消費者物価指数が発表されました。

6.2%の上昇、
1990年には6.3%でしたが、

それ以来、

実に31年ぶりのインフレだ

とニュースされました。

大変だ、
たいへんだ、
インフレだ

通貨の価値がさがるぞぉ
と大騒ぎになりました。

金利は急上昇、

株は急降下、

ゴールドは急上昇しました。

ここで、

インフレの時に市場はどうなるか
を説明しておきます。

インフレというのは
物価が上昇することをいいます。

物価は、物価指数という
ものさしで測定します。

なかでも、

生活者が購入するモノの
価格の変動を調査したものを

消費者物価指数といいます。

これがCPI(Consumer Price Index)で、

ある時点を基準に
どの程度物価が変動したか
を比率として示します。

計算方法や調査方法は
世界で基準化されているので、
比較もしやすくなっています。

日本では総務省が発表しています。

米国は、労働省が発表しています。

11月10日に発表された
10月の米CPIは、

事前予想をはるかに上回る上昇をして
市場を驚かせました。

6.2%上昇だったのです。

その前月(9月)は、5.4%でした。

6%台に乗せたのは、
1990年12月(この時は6.3%)だったので、
30年と10カ月ぶりです。

さて、6.2%という数字を
31年ぶりだと騒ぐためには、

その数字を理解していないとダメですよね?

ここで質問です。

6.2%上昇した、というのは、
何に対する何の比率でしょう?

6.2%になったら、どうなるの?

そもそも、その数字は誰が出しているの?

………

答えは、こうです。

CPIは6.2%上がりました。

前月比ではなく、前年同月比です。

数字は、米国労働省が毎月発表しています。

CPIには2つの種類があります。

全対象品目を指数化したもの。
総合、とか、ヘッドラインといいます。

もうひとつは、

ヘッドラインから
エネルギーと食料を除いた
コアというもの。

2つとも同時に発表されます。

今回注目された数値6.2%は、
ヘッドラインです。

コアは4.6%の上昇でした。

FRBの公式な説明では、
短期インフレを特定するために
コア比数の変化を評価する
と表記しています。

(参照サイト:https://www.federalreserve.gov/faqs/economy_14419.htm)

これ以上は無駄に
難しい話になるので避けますが

CPIの6.2%の上昇は、

昨年の10月との比較です。

昨年の10月は、
深刻化する感染拡大で
最も機運が悪い時期でした。

NYダウは連日大幅下落、
2万6千円程度でした。

欧米の各所でロックダウンが
導入されていた時期ですから、
経済は当然に今とは異なる状況です。

そんな時期と比較しても、

あまり意味のある数字にはならない

とだけは言えるでしょう。

今回は、

コアとヘッドラインの差がとりわけ大きく

CPIヘッドラインが上昇した大きな原因は
エネルギー(特に石油)と食料の値上がり
であることがわかります。

石油は、仕入れ原価ともいえる
石油価格自体も上がっていますね。

さらに、海上運搬は、
世界的なパンデミックのおかげで乱れ、
稼働する船も少ないので
コストは跳ね上がっています。

国際的な食糧価格もこんな具合です。

でも、ご安心を。

海運は、来年夏には通常に戻るでしょう。

食料は生活者としては気になりますが、
日本の食料に対する輸入の割合は、
最終消費額に対しては、2%です。

2008年の例では
国際価格が3倍になったのですが
日本のCPIは2.6%の上昇で済んでいます。

今回も大したことではあるまい、

と思えます。

奥村尚

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