From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
ウクライナ戦争が始まって以来、
株式市場は大荒れです。
早速、
今までの推移を見ておきましょう。
今年に入ってからの、
日欧米の指数の今年の推移を
昨年末=100
として指数化したものです。
ここで出てくるDAXは独の株価指数で、
フランクフルト取引所上場の中で
特に時価総額や売買代金が大きな40社の
株価を用いた時価総額加重型の指数です。
DAXと対比するのは、
本来はDAXと計算が同じ方式のTOPIX(日)や
SP500(米)を用いるべきなのですが
(どうせ結果は同じなので)、
ここでは知名度がある日経平均(日)、
NTdow(米)を使いました。
ドイツ株式市場は、
ウクライナという戦場に最も近く、
戦争の影響をモロに受ける
リスクが大きい国なので、
戦争勃発後は最も大きく下げました。
説明する箇所を〇で囲ってあります。
最初の〇は1月28日(日本時間)です。
日本だけ大きく下がっていますね。
米国で1月のFOMCがあった時期と重なります。
FOMCは、
FRBが開催する米国でのFFレート
と呼ばれる政策金利を決める会議です。
この時は、
既に利上げを予期して
市場全体が下がっていた中であり、
FOMC時の動揺を利用した
仕手筋の手口にも思えますが
下落の理由は不明です。
ただ、
FOMCのタイミングと関係がある、
何かのきっかけとは言えます。
二つ目の〇は、
3月9日-10日の上昇です。
この日、DAXは、8%近い上げです。
8%というと、
日経平均に例えるなら2千円に相当しますから、
かなり大きな上げであることがわかります。
その翌日は、
日経平均もDAXの影響を受けて
一時千円を超える上昇があったのは
記憶があると思います。
タイミング的には、ECBの理事会と重なりますが
理事会が開かれる前の出来事であり、無関係です。
ロシアとウクライナが協議する
というトピックは伝わっていましたが、
もう数回目でもあるし、
その都度協議の成果はなしで終わってきたので、
いまさらそれが理由で上がるとも思えません。
日経新聞社は、
原油価格の高騰が一服した、
と報じました。
UAEのエネルギー相が
「OPECが合意している生産量をUAEは守るだろう」
と発言したのですが、
それだけで、
国際価格がこれほど下げるというには、
何があったのでしょう。
ここで、
先程の株価に原油価格と金の価格を
合わせてみてみましょう。
どちらもNY市場の値が代表的なものですので、
その価格をプロットします。
わかりやすいように、
先ほどのチャートと同じ位置に〇を記しました。
確かに原油が一服していますね。
これだけ原油が落ちるという理由は、
あと解釈でなんとでもなるのですが、
「なぜ、この日に?」
という理由がわかりません。
結局、理由なんてないのです。
もしかするとあるかもしれませんが、
どうでも良いのです。
何らかのタイミングで、
何らかの理由が起こり、
その他もろもろと、
さらに、
その時のいろいろな事情が重なり、相場が動く。
そして、
その相場は、将来を予期する結果となる、
ということで十分なんです。
いちいち理由がわからなくても、
相場が判断しているかのように、
適正な価格を決めていることはあるものです。
妥当な価格を発見する機能があるんです。
市場の価格発見機能とも言います。
それをみるための市場としては、
株式であれば米国の指数
(SP500とかNYdowなど)ではなく、
今ならドイツの指数(DAX)
ということになるでしょう。
あとはNY原油でしょうか。
そこから判断する限り、
DAX(株)とWTI(原油)を見る限り、
これ以上ウクライナ戦況に関しては
悪いことは出ないと市場は判断している、
と考えてもよいかもしれません。
とすると、
株は上昇を開始、
商品価格もゆるやかに下落してゆく。
これが相場が予想する、
今後の相場といったところでしょう。
相場の事は相場に聞け、
ということわざもありますね。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。