株価下落と物価上昇の関係性

2022.6.15
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

先週から今週にかけて、
株価は日本だけではなく世界的に大きく下げました。

今年に入ってからの大きな株価の下落は、
今の物価と大きく関係があります。

物価があまりに上昇すると、金利が上がる、
だから株が下がるというニュースを連日見ますね。

???

こうしたニュースの断片的な言葉だけでは、
なんだか理解できないですよね。

ここ2回ほど、
ブログの話題は物価の話を中心に進めていますが、

こんな内容でした。

-物価があまりに上がると、生活者が窮する。

-物価を守るのは(どの国でも)中央銀行の仕事である。

# ここで重要なのは、
中央銀行は物価が上がらないように
努力するのが仕事である、という事実です。

こういう事は、僕は学校では習いませんでした。

-物価を下げるには、供給を増やすか、
需要を抑える必要がある。

-供給は簡単には増やす事はできないので、
需要を抑える事だけを考える。

-需要を抑えるには、
要するに経済を絞って
モノが売れない方向にすればよい。

-経済を絞るにはお金の供給を減らし、
更に金利を上げると良い。

-利上なら中央銀行の伝家の宝刀であり得意だ。

-本当は経済を絞ると良くはないが
今は景気が良いので、
どんどん金利を上げても大丈夫だ。

-海外では英国と豪州を皮切りに米国が続き、
EUも来月辺りに利上げすることになった。

-金利を上げると、借入金利は上がり、
企業も個人もお金が借りられなくなるので、
設備投資は抑えられ、住宅も車も売れなくなる。

-モノが売れなくなるので、
物価は抑えられる。

-そうなると景気が悪化するので、
企業業績が悪くなる方向になるため株価が下がる。

金融理論の見方でいうと、

金利が上がる

=債券価格が下がる

=高くなった金利をゲットしようと
割安になった債券が売れる

=債券と株式はライバル関係にあるので、
債券を買うために株式を売る

=株式が下がる

こんなところでしょう。

ここで、「おやっ」と思いませんか?

今物価が上昇している主役は、
食料とエネルギーです。

皆さんは、金利が上がったら、住宅が売れなくなる、
というところでは同意できると思います。

また、景気が悪くなると、
高級なパンは売れなくなるでしょうし、
レストランに行く回数は減るでしょう。

でも、金利が上がって景気が悪くなったとして、
パンを買うのをやめたり、
電力を使わないように行動するでしょうか?

金利がどんどん上がっても、
いくら経済が停滞したところで、
食料もエネルギーも、
消費される量はそう変わらないのでは?

だって小麦や電力は、
金利を払って借金してまで買うものではなく、
月の生活費の中でキャッシュで支払うものです。

強く節約したい気持ちはあるので、
無駄遣いはしないにしても金利とは無関係と言えます。

欧米の中央銀行である
ECBやFRBがどんなに利上げしても、
小麦や石油の国際価格は、
そう簡単には高騰が収まらぬと考えるべきです。

コロナ禍は、もう2年以上も続いています。

ジョンズホプキンズ大学の集計によると、
世界で8560万人が感染し、
100万人が死んでいますが、
その勢いは止まっていません。

中国が都市を封鎖して、
解除したとたんクラスターが発生し、
再び地区封鎖をしているというニュースを見ても、
なかなか抑えるのは難しいことがわかります。

最も性能の高いワクチンを
早期から国民に提供している米国を見ても、
先週1週間で76万人も感染しているんです。

コロナ禍が終わるまで、
物価は上昇を続ける可能性がある、
ということになります。

自然と人間の戦いですね。

もうひとつの理由であるウクライナ戦争ですが、

これが収まれば、
少なくとも物価上昇の加速はなくなり、
戦争前の物価水準を回復するはずです。

こちらは、人間同士の戦いなので、
コロナより早期に解決する期待がもてます。

奥村尚

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