首相と女王の格の違い

2022.9.14
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

英国、エリザベス女王が崩御されました。

英国の王は、君主であり、

「君臨すれど統治せず」

とは言いますが、
連邦王国を構成する
国家の元首でもあります。

連邦王国は、ひとつひとつが
独立した国家でありながら、

英国国王を自国の国王とする、
元植民地で15か国もあります。

ところで、政治の世界では、
国王、大統領、首相などが
国家のトップを務めますが、

どれがいちばん最上級でしょうか?

なんとなく、国王っぽい気がしますよね。
国王は、元首だからですね。

その国の代表者を元首といいますが、
元首が代表者ということは、
その国のポジションとしては最高位です。

でも、実は、もっとエラい人がいます。

エンペラーです。

エンペラ―は
最高指導者という意味です。

そのエンペラーが国王を任命します。

エンペラーがいるのは、
欧州(バチカン)、英国、日本ですね。

かつては、欧州の王は、
エンペラーである法王が任命していました。

英国国教会の最高指導者は国王なので、
英国はエンペラーが国王を兼ねている
という見方ができます。

英国では首相は、国王が任命します。
日本では、エンペラーである天皇が
総理大臣を任命します。

国王と大統領は、
元首であるという点で同格です。

天皇は日本の象徴ですので、
日本の元首は天皇です。

日本の総理大臣は元首ではないので、
大統領よりポジション的には低いのです。

序列は、こうなります。

===========
エンペラー(最高指導者)
> 国王≒大統領 (元首)
> 首相 (元首が任命)
===========

英国は現役エンペラーの国葬、
日本は昔の首相の国葬。

安倍首相とエリザベス女王では
格が異なるので、
参列者の格も、当然異なります。

英国と日本という国家の格の違い、
というわけではないのです。

なにしろ、
英国はエンペラーが亡くなったのですから、

世界中のロイヤルファミリーはもちろん、
欧州主要国のトップは全員参列(のはず)、
米国大統領まで参列します。

安倍首相の国葬では、
G7のトップはほぼ参列しません。
(G7ではカナダのトルドー首相のみ参列予定)

その上、日本の国葬は日程が悪すぎます。

安倍元首相が亡くなったのは7月8日でしたが、
国葬は実に2カ月半後の9月27日です。

国連総会(9/21-27)とモロに
バッティングします。

これでは、
仮に来たくても
各国トップは来ることができない。

機を逸しました。

国連総会は、
2カ月前に事務総長から通達があるので、
日本が知らないはずありません。

一方、英国は、
女王が亡くなって11日後の
9月19日に国葬をします。

日本より前にやる上、
規模も圧倒・参列者も圧倒・日程も万全
なのです。

このまま、無理に首相の国葬を強行しても、
どうしても英国と比べられるので、
国家としても恥ずかしい。

英国の後に同じことをするわけですから、
外交的にもメリットがあるとは言えません。

16億円という費用の問題ではないと思います。

これは、スポーツに例えると、
オリンピックの直後に
国体を開催するようなものです。

こうなっては、誰も注目しないでしょう。
日本の国葬の価値がなくなりました。

状況が変化したので、
中止する勇気もあってよいだろう、
と思います。

状況が変わると、
前提が異なるのだから、
結論も異なるのです。

その点はトレードと似ていますね。

奥村尚

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