下げに対する覚悟はありますか?

2018.3.28
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

相場の下限

株式相場は不安定ですね。
日経ボラテリティインデックスも再び上昇してきました。

NYの下げに敏感に反応し、
NYが大きく下げると、
きまって東証もそれにリンクして下げてきています。

NYが主導してきた暴落は、
2月2日に始まりましたが、

2月中にNYは(ほぼ)元の水準に戻ったわけですが
東証は下げたまま3月を迎えました。

そうこうしているうちに、
今回の暴落に突入、
再びNYも東証も大きく揺れ動きました

3月26日の時点で、
日本は-10%,NYは-4%の下げであり、
特に日本の下げが目立ちます。

相場であるからには、
価格は動くものだし、

実は歴史的に見ると、
暴落といえるほどには大きな下落ではないのですが、

限界なく下げてくるように思えて、
恐怖だという方も多い事でしょう。

このくらいまで下げると、
そのあたりが限界であろう

という水準は明確に存在します。
その水準の目安は、

PERとPBRを使います。

株式の代表的な指標として、
割高、割安を示すものですね。

まさに基本なのですが、
その基本こそ、
こうした時には重要
なのです。

PERは良く使うのですが、
今回は特にPBRに絞って使ってみましょう。

PBRは、今の株価が、
一株当たりの純資産の何倍であるか、
を示します。

純資産とは、会社の自己資本であり、
返済不要のお金であり、
解散した時に残るお金です。

PBR=1倍というのは、
解散した時に残るお金と同額である事を示します。

つまり、会社の付加価値はゼロということです。

日経平均は、日経が選ぶ225社を一つの会社として、
仮想的にみた場合の株価である
といえるのですが、

そのPBRである日経平均PBR 1倍は、1万7900円です。

言い換えると、
日本を代表する優良な大企業が全て入っている
日経平均採用銘柄225社の価値の合計をゼロとした時の

日経平均水準が、1万7900円なのです。

ここで、2月以降の日経平均と
日経平均PBRをグラフで見てみます。

ret risk


どんなに円高になっても、
利益が出ない会社に成り下がっても、
PBRが1倍を割り込むことはなかなかありません。

従って日経平均は、1万7900円以下には(多分)なりません。

本当は、多分ならない、ではなく、
絶対にならない、といいたいのですが、

なにぶん、
相場というのは勢いで下がりすぎる事もありますから、

瞬間最大風速では、
それ以下にまで下げる事はありえますが、
まぁ、ならないと考えてよいでしょう。

(実は、過去に、
PBR 1倍を割り込んだことがあります。

2011-12年民主党政権で
日経平均が8千円台にまで下落した時です)

いくらくらいまでなら、
下げる覚悟をしておけばよいのでしょう。

17900円に達するまでの余裕度
(言い換えるなら安全係数)を15%(安全係数1.15),
10%(安全係数1.10)に設定して計算してみるとこうなります。

15%余裕度 引け値ベースでの下限
(1万7900円x 1.15=20585円)

10%余裕度 ザラバでつける最安値の下限
(1万7900円x 1.10=19690円)

いくらなんでも、
10%の余裕を割るほどに売られることは、
かなり考えずらいのです。

今週26日は、
ザラバで15%余裕度を下回る価格になりました。

もうそろそろ、
限界一杯まで下げたぞ
とも言える事になります。

幸い、
27日は反発したのでなによりですが、

恐怖を取り除くのに、
このような計算は案外役に立つものだ
という事でもありましょう。

では、また次回。

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