From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
相場の下限
株式相場は不安定ですね。
日経ボラテリティインデックスも再び上昇してきました。
NYの下げに敏感に反応し、
NYが大きく下げると、
きまって東証もそれにリンクして下げてきています。
NYが主導してきた暴落は、
2月2日に始まりましたが、
2月中にNYは(ほぼ)元の水準に戻ったわけですが
東証は下げたまま3月を迎えました。
そうこうしているうちに、
今回の暴落に突入、
再びNYも東証も大きく揺れ動きました。
3月26日の時点で、
日本は-10%,NYは-4%の下げであり、
特に日本の下げが目立ちます。
相場であるからには、
価格は動くものだし、
実は歴史的に見ると、
暴落といえるほどには大きな下落ではないのですが、
限界なく下げてくるように思えて、
恐怖だという方も多い事でしょう。
このくらいまで下げると、
そのあたりが限界であろう、
という水準は明確に存在します。
その水準の目安は、
PERとPBRを使います。
株式の代表的な指標として、
割高、割安を示すものですね。
まさに基本なのですが、
その基本こそ、
こうした時には重要なのです。
PERは良く使うのですが、
今回は特にPBRに絞って使ってみましょう。
PBRは、今の株価が、
一株当たりの純資産の何倍であるか、
を示します。
純資産とは、会社の自己資本であり、
返済不要のお金であり、
解散した時に残るお金です。
PBR=1倍というのは、
解散した時に残るお金と同額である事を示します。
つまり、会社の付加価値はゼロということです。
日経平均は、日経が選ぶ225社を一つの会社として、
仮想的にみた場合の株価であるといえるのですが、
そのPBRである日経平均PBR 1倍は、1万7900円です。
言い換えると、
日本を代表する優良な大企業が全て入っている
日経平均採用銘柄225社の価値の合計をゼロとした時の、
日経平均水準が、1万7900円なのです。
ここで、2月以降の日経平均と
日経平均PBRをグラフで見てみます。
どんなに円高になっても、
利益が出ない会社に成り下がっても、
PBRが1倍を割り込むことはなかなかありません。
従って日経平均は、1万7900円以下には(多分)なりません。
本当は、多分ならない、ではなく、
絶対にならない、といいたいのですが、
なにぶん、
相場というのは勢いで下がりすぎる事もありますから、
瞬間最大風速では、
それ以下にまで下げる事はありえますが、
まぁ、ならないと考えてよいでしょう。
(実は、過去に、
PBR 1倍を割り込んだことがあります。
2011-12年民主党政権で
日経平均が8千円台にまで下落した時です)
いくらくらいまでなら、
下げる覚悟をしておけばよいのでしょう。
17900円に達するまでの余裕度
(言い換えるなら安全係数)を15%(安全係数1.15),
10%(安全係数1.10)に設定して計算してみるとこうなります。
15%余裕度 引け値ベースでの下限
(1万7900円x 1.15=20585円)
10%余裕度 ザラバでつける最安値の下限
(1万7900円x 1.10=19690円)
いくらなんでも、
10%の余裕を割るほどに売られることは、
かなり考えずらいのです。
今週26日は、
ザラバで15%余裕度を下回る価格になりました。
もうそろそろ、
限界一杯まで下げたぞ、
とも言える事になります。
幸い、
27日は反発したのでなによりですが、
恐怖を取り除くのに、
このような計算は案外役に立つものだ
という事でもありましょう。
では、また次回。
<編集部のおすすめ>
不安定な情勢の時にはルールが大切です。
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。
今日の話は、ためになりました。
下げたら買うだけの話。問題は企業の将来性。