日本のマーケットが《長期投資》に向かない理由

2014.11.22
Share:

From:中野英
 
池袋のトレードルームより、、、
 
 
おはようございます。中野です。
 
昨日はちょっと息抜きにスカイツリーに行ってきました^^
 
 
いつも東京にいるのに
 
なぜか行ったことがなかったので、
 
思い切って行きましたがとても良かったです。
 
 
詳しくは編集後記で、、、
 
 
 
さて前回は、日銀の追加緩和と
 
GPIF改革による、経済と株式相場への影響を書きました。
 
 
今回は、もう少し視点を伸ばして、
 
《長期投資》について考えてみたいと思います。
 
 
時代を遡って、
 
1987年10月19日の出来事について書いてみます。
 
 
そう、ニューヨーク市場を発端にした、
 
世界最大規模の世界的株価大暴落・・・
 
 
《ブラックマンデー》
 
 
この株価大暴落の原因は、
 
様々な説があるものの、未だに謎のままです。
 
 
この時のニューヨークダウの下げ幅は、
 
《508ドル》・率にして《22.6%》
 
 
翌日の日経平均株価の下落幅は、
 
《3836.48円》・率にして《14.90%》
 
 
つまり、この頃のニューヨークダウは
 
《2250ドル》、日経平均株価は《25000円》でした。
 
 
そして今は、皆さんもご存じの通り・・・
 
ニューヨークダウは《17000ドル台》、日経平均株価も《17000円台です》。
 
 
これほどの差が生まれてしまった理由は様々ですが・・・
 
 
 
まずは、《人口の推移》があります。
 
1987年当時、アメリカの人口は
 
《242.75百万人》、日本の人口は《122.02百万人》でした。
 
 
そして2014年現在は、
 
アメリカ《318.52百万人》、日本《127.06百万人》です。
 
 
この27年間の人口伸び率は、
 
こんなにも差が出来ていたのです。
 
 
しかも、アメリカと、《高齢化》が
 
進んでいる日本の世代構成は、全く異質です。
 
 
人は年を老えば、肉体が衰えます。
 
食も細り、行動範囲も狭まります。
 
 
つまり、年を老うということは、
 
《消費が減る》ということに直結します。
 
 
日本は、これから人口が
 
減っていくだけでなく《高齢化》がさらに進んでいきます。
 
 
それはつまり、
 
《消費が減っていく》と言うことも出来ます。
 
活動する人が減れば、《物》は売れません。
 
《レジャー》や《サービス》も売れません。
 
 
売れないということは、
 
それだけ《職が減る》ということになります。
 
 
《職が減る》ということは
 
《収入が減る》ということに繋がり、
 
そして収入が減れば《消費も減ります》
 
 
《消費が減る》⇒《職が減る》⇒《所得が減る》⇒《消費が減る》・・・
 
 
こんな『負の連鎖』が
 
起こってしまうかもしれないのです。
 
 
今は、それに合わせて、
 
《供給力(こなせる仕事量)不足》が問題になっています。
 
 
職はあれど、《働ける人》がいない。
 
このような状態が慢性化すると、日本での
 
製造拠点などは作りにくくなります。
 
 
つまり、《労働力の安定供給》が
 
出来ない国には、安定した《働き口》が築かれない。
 
 
《消費》と《供給》は
 
対極にあるものと考えがちですが、
 
実は『表裏一体の密接な関係』にあるのです。
 
 
このように、
 
《消費》と《供給》の両面から見て、日本という国は・・・
 
 
 
『拠点』
 
 
 
・・・を作るだけの魅力に乏しい国家であると言えます。
 
 
そしてこれが、
 
日本株の特に《内需株》が、ここ20年以上冴えない
 
パフォーマンスを強いられた根本原因と言えるかもしれません。
 
 
他に、日本が拠点として劣っている点としては・・・
 
 
 
① 光熱費(エネルギーコスト)の高さ
 
 
 
② 人件費の高さ
 
 
 
・・・が挙げられます。
 
 
 
『円安・外貨高』によって相対的に、
 
《円ベースでのコストの減少》と
 
《外貨ベースでの海外売り上げの増加》が起こるので・・・
 
 
 
『製造業の日本への回帰』
 
・・・を期待する声が多々あります。
 
 
しかし、日本での販売分以外には、
 
海外へ送る《輸送コスト》がかかります。
 
 
それに合わせて、
 
上記の①・②のコストが、
 
そして《供給力不足》が圧し掛かります。
 
 
これが、『円安になっても輸出が伸びない』⇒『製造量(仕事量)が増えない』
 
⇒『所得が増えない』『消費が増えない』
 
 
 
・・・理由と言えるのではないかと思います。
 
 
 
このような現状を打破するための政策が、
 
《法人税減税》であり、そして・・・
 
 
《カジノ》や《外国人移住者の規制緩和》
 
・・・なのですが、これはアメリカを見ても分かる通りに・・・
 
 
 
《治安の悪化》
 
 
 
・・・という副作用も伴ってきます。
 
 
 
一長一短なので、どちらが良いとは、
 
ここでは申し上げられません。
 
 
しかし現状、
 
日本の力だけで《人口減少》を食い止める手段はないので、
 
身を切る覚悟で必要になってくるのではないか?と思います。
 
 
そんな現状を踏まえた上で相場を見ると、
 
同業種でも、『日本に留まっている』企業と
 
『海外展開』が順調に進んでいる企業の株価の差が、
 
 
 
2811 カゴメ
 
 
 
2267 ヤクルト
 
この2社の株価の推移を見てください。
 
商品は違いますが、同じ飲料系の会社です。
 
 
しかし、カゴメは《一部海外事業から撤退》
 
ヤクルトは、ブラジルを中心とした《海外事業が好調》です。
 
 
国家の政策次第ですが、
 
今現状を見る限り、長期投資を考えるのなら・・・
 
 
 
《海外事業が好調に推移している企業》か
 
《海外事業を模索している企業》
 
 
 
・・・の方が、投資妙味があるかもしれません。
 
 
 
しかし、出来ることなら、
 
日本を拠点にする会社がどんどんと伸びていくような、
 
そんな魅力ある国家に生まれ変わってほしいと思います。
 
 
次回は、少し今までと趣向を変えて、
 
基礎的な内容ではありますが《デイトレ》について、少し書きたいと思います。
 
■■ 編集後記

とても綺麗な風景を見ることが

私はとても好きです。特に自然が好きですが、

このスカイツリーから見下ろす東京の風景も最高でした。

夕方になるころに行きましたが、

夕焼けの風景と夜景と両方楽しむことができ

幻想的とはこのことです。

当たり前のことですが、

あまりの密度で学校があることに

驚きました。

しかし、ほぼ全ての学校に

土が無いんですね。これにも驚きました。

当たり前かもしれませんが^^;

まだまだ東京らしい東京というものを

体験していないかもしれません。

もっと素敵なところがあるのでしょうね。

ー中野

関連記事

Pick Up!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です