世界的に知られた資金管理法

2019.2.6
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From:奥村尚
ワシントンD.C.のホテルより、、、

おはようございます。

米国に先週来た時はかなり寒く、
特に北中西部は記録的な寒さでした。

シカゴは-30度だったし、
ミシガン州は非常事態宣言も出されたのですが
今週は一転、

日中は春のようなポカポカで、
D.C.なんぞ春並みだった(らしい)東京と変わりません。

さて、今回は資金運用における、
最適なトレードサイズに関するトピックを取り上げます。

いわゆる、アセットアロケーション
似ているのですが異なります。

アセットアロケーションというのは、
「100」というお金があった時に、

いったいどのくらいの分配で国内資産と
海外資産に分けるのがベストか、という技術です。

国内資産や海外資産とは具体的に、

・株式
・不動産
・債券

など、どういった資産が何を指すのかを、
顧客の性向に合わせます。

最適なトレードサイズというのは、
投資資産を既に決めてトレードしている人が、
その投資資産に対して、
1回のトレードに使う資金分配の事を言います。

しかし、1回の最適なトレードサイズは、
あるのでしょうか?

この質問には、数学的に正確な答えがあります。

答えの前に、

まずは、こんな事例を考えてみましょう。

たとえば、1億円の資金があるとして、
それを100%株式投資に回すと既に決めている場合、
1回の投資資金をいくらにすると良いのか、
という問題ですね。

株投資で100万円を投資して、
それが200万円にできた場合、
100%のリターンと計算できます。

これは素晴らしいことですが、

元本が1億円の場合、
資金は1億100万円になったにすぎないのです。

リターンは1%です。

もし、100万円ではなく、
1千万円を同じ株式に投資していれば、
2千万円になっていたわけですから。

元本1億円に対し、
資金は1億1千万円に増えた、
つまりリターンは10%になっていたはずです。

さらにいえば、
1億円全てを同じ株式に投資していれば、
2億円に増やせたはずですね。

リターンは100%です。

しかし、
1回の投資資金を巨額にした場合、
ロスも大きくなりますから、
1回に大きい資金を使いすぎるのも良くない事は、

誰だってわかるでしょう。

数式では、
あらゆるケースを想定した
難しい式で説明できますが、

もっとも簡単なケース、
(勝ったら元本が倍、負けたら0)の場合、
fを最適な比率として

f=2*P-1

ここで、Pは勝率

となります。

ベル研究所の天才数学者、
ジョンLケリーが考案した数式で、
世界的にケリー基準として知られています。

これは、ギャンブルのように、
負けると1回の掛け金が0になり、
かなり厳密に勝率を計算できる場合、

そっくりそのまま、
回答となります。

勝率0.55(55%)の
ギャンブルがあった場合、

f=2*0.55-1=0.1=10%

1回あたり10%の資金を勝負に回すとベスト。

ということになります。

実際には、
株式は負けても0にならないし、
倍にもならないので、
このまま使える数式ではありません。

そこで、
投資商品を対象に先物取り引きの
コンサルタントであった、

ラルフビンス
『資金管理大全』で
掘り下げたのですが、

彼はこの手法を

Optimalf(最適f)

と命名しています。

元本割れというリスクの測定に、
ケリー基準で計算した
ドローダウンを用いた点で名著と言われています。

株式投資における
具体的な計算や利用の方法は、
また次回にでも、お伝えしたいと思います。

では、また次回をお楽しみに

奥村尚

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