From:中野英
池袋の自宅より、、、
おはようございます。
クリスマスも終わりましたが、
なんだか今年はとっても良い一年だった気がします。
来年はさらに良い年になる気がして
今からワクワクしています^^
株式市場もどんな
一年になるのか考えてみたのでご覧ください。
前回は、簡略的にではありますが、
『金融業界の年間カレンダー』を作成してみました。
今回は、今年もあと僅かということで、
来年の相場について考えてみたいと思います。
さて、今年の日経平均株価は・・・
① 5月から始まった《GPIF》の買い
② 《日銀》のETF買い
③ 追加金融緩和による《円安》を受けての、『輸出企業』への買い
④ アメリカの景気回復
・・・などと言った要因に支えられて、
昨年末比《10%程度の上昇》で終えようとしています。
国内景気はさておいて、去年の大幅上昇の
翌年としては、健闘した方ではないでしょうか?
では、来年もこの堅調さが続くのか・・・。
『強気材料』と《弱気材料》を掘り出してみましょう。
『強気材料』
① 日銀の《3兆円規模》のETF買い
② GPIFの株式買い増し《推定7~8兆円?》
③ (特に、急速な《円高・株安》が起こったあとに話題に上るであろう)追加金融緩和観測
④ アメリカとイギリスを除く世界の国々の、追加金融緩和観測
⑤ アメリカの利上げ観測による、さらなる《円安》の進行の可能性
⑥ アメリカ好景気の継続
『弱気材料』
① 《アメリカのテーパリング》(量的金融緩和の縮小=増刷した紙幣の回収)による、金融相場の変調
② 《原油安》による、産油国のデフォルト懸念 & 政情不安
③ アメリカにおける、《サブプライムショック》の再来懸念
④ 投機筋が大量に抱える《円売り・225先物買い》のポジション
『強気材料』の①と②は、分かりやすいですね。
どんな時でも、《確実な買い手》が保障されているということです。
言い換えれば、『この《二つの買い手の資金以上の売り》が
出てこなければ、相場が崩れることはない』と言えます。
③は、10月31日の追加緩和のタイミングが
そうであったように、不穏な動きが出てきたら、必ず取り立たされる話でしょう。
④は、世界中で『お札がばら撒かれる』ということです。
その紙幣が、『投機資金』として《株や不動産・商品市場》に
流入することでバブルとなっていくのですが、そのような環境が醸成される可能性があります。
⑤は、《輸出企業偏重》の日本の株式市場にとっては、指数上『ポジティブ』に働きます。
ただし、それが日本経済にとって良いことかどうかは、現段階では未知数です。
⑥は、消費者層に広がりが見られるので、
その点だけ見れば《継続》すると判断できます。
『弱気材料』に移ります。
①は、運用資金には《銀行借り入れ》部分も
あることを考えると、《急激な金利上昇・緩和の縮小》が
『株式売却・現金化⇒返済』という動きに繋がる可能性があります。
そこは、イエレン議長の舵取り次第となりますが、
現状見る限り、そのようなシナリオの可能性は低いと思われます。
②の問題は、多少複雑かもしれません。
サウジアラビアが頑なに減産を否定する裏に・・・
※ シリア内戦で敵対している《イラン・ロシア》との、産油国同士が故の消耗戦。
※ シェールガスとの消耗戦
・・・などなど、様々な事情が見え隠れするので、
供給側からの《原油高材料》は望みづらいかもしれません。
そうなると、『景気回復による原油需要の増加』が
必要になりますが、《二酸化炭素削減目標》もあり、
大きな需給の改善は見込みづらいかもしれません。
産油国の財政・政情不安は、消費だけでなく、
金融機関にも影響を及ぼしますので、問題が大きく
なったときにどの程度の影響があるのかは、未知数と言えます。
《消費国の恩恵》が勝るか、《産油国の消耗》が
勝るか・・・強弱・どちらの材料にもなりえまるのです。
③は、今現状のアメリカの
好景気の『裏の姿』と言えます。
分かりやすいように、
日常生活に当てはめて説明しますと・・・
どれだけお金を持っていても、
『お腹いっぱいになってしまっては、もう食べることは出来ません』
貧富の差が著しくなったアメリカでは、
中・上流階級だけに販売していても、
売り上げを伸ばすことが出来なくなっています。
どれだけお金を持っていても、
自動車を10台買いませんよね?
つまり、売り上げ・利益を伸ばすには、
《低所得者層》にも販売するしかありません。
そして今現在、自動車販売を
支えているのが《低所得者層》という状態になっています。
《低所得者層》の収入は、『中・高所得者層』の
消費にかかってきます。『中・高所得者層』のお金が、
《低所得者層》へ継続的に流れていく経済が前提で成り立つ仕組みと言えますね。
その仕組みが破綻してしまったのが、
《サブプライムローン問題》です。
当時は《不動産業界》でしたが、その時と同じようなことが
《自動車業界》で行われているということです。
もしこの流れに《金利上昇》が重なってしまったら、再びショックが訪れないとは言い切れません。
すぐに問題が発生する事象ではないですが、
景気回復がアメリカだけの留まった場合は、
いつか問題が表面化する可能性はあります。
④は、去年とほとんど同じ構図です。
こう考えると、短期的な不安要素は、
《投機筋のポジション》のみということが出来ます。
しかし、去年と違う点があります。それは・・・
※ 日銀の買い入れ枠 《1兆円⇒3兆円》
※ GPIFの株式運用枠の拡大
もし、投機筋の売りがすぐに出てこなかった場合、
年明け1月は堅調な値動きが想定されますので、とりあえずは・・・
『年明けのご祝儀買い』
・・・までは期待しても
いいのではないでしょうか?
ただ、恐らく来年は、今年以上にボラティリティ
(変動率)が激しい一年になると思われますので、
《長期運用》というスタンスはお勧めしません。
《急落が訪れる予兆》や《急落過程の流れ》を
この株ライブで知って頂き、数回訪れるであろう《急落》を
上手く利用して、好パフォーマンスを出していただけたら、心から嬉しく思います。
今年最後の次回は、今年1年を振り返って、
改めて『相場の仕組み』をまとめてみたいと思います。
ー中野