From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
勝負の世界では「全勝」
つまり、100%勝つということはなかなかありません。
100%というのが
如何に難しい事であるか、
大相撲の勝敗を使って
説明してみようと思いつきました。
大相撲は奇数の月に、
つまり、2カ月ごとに場所が開催されています。
1月の東京に始まり、
次は地方(大阪名古屋九州)、
次はまた東京、
と年6場所開催されます。
1つの場所は15番の勝負がありますから、
全勝すると15勝することになります。
直近2回の勝率上位6者の成績は、
このようになっていました。
照ノ富士は2場所、合計28勝です。
試合は30試合ありますので、
勝率は28/30=93.3%です。
圧倒的ですね。
この勝率は、1回の勝負で勝つ確率です。
2番連続して勝つ確率は、
93.3% * 93.3% = 87.1%です。
同様に、
勝率93.3%で全勝する確率は、
93.3%^15 で計算できます。
なんと、確率は35.5%です。
かなり低いですね。
勝率93%を超える力士でさえ、
全勝することはかなり難しいということです。
2位の成績は貴景勝ですが、
勝率はガクっと落ちて66.7%でした。
2番連続勝つ確率は、
66.7% * 66.7% = 44.4%
です。
この勝率66.7%程度では、
連勝することすら44%の確率です。
結構連勝は難しいですね。
ましてや、全勝する確率は、
66.7% ^15= 0.23%です。
全勝しない確率は、
この数字を1から引くと計算できます。
1-0.23%=99.77%
全勝できない確率は 99.77%です。
つまり、全勝はまず起こりえないこと、
という言い方になるでしょう。
ところで、大関が横綱に昇進する条件は、
3場所で33勝以上が基準です。
3場所では45試合ありますから、
求められる勝率は、33/45 = 73.3% です。
案外ゆるい条件に見えますが、
2000年以降21年間で
6人しか横綱に到達していません。
3年半に一人の割合で
昇格していることになります。
三年半 = 1280日に
1回の頻度で起こる事象であり、
力士は総勢600人以上いますので、
600人に1人か、せいぜい2人しか
到達できないポジションである、
と言うことができますね。
インターネットでは
色々な投資関連の商材が売られていますが、
いかに高い勝率で勝ち続けるのが難しいのか、
数字を理解しながら
その商材が謳っている勝率を
評価してみると良いと思います。
奥村尚
・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。