米国 トリプル安の収束

2025.4.30
Share:

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

4月に入り、相互関税は
相場に重大なインパクトを与え、
今に至っています。

それに加え、
FRB議長の解任が示唆され、

米国の資本市場は、
株式、債券、FXの
3大市場全てで

米国売り一色の
様相を持ちました。

あまりに市場の反応が
大きかったとみて、

相互関税の猶予期間を
発表しました。

ちょっと、
株式、債券、ドル、の
3大市場における

米国売りの推移を
みてみましょう。

3月28日終値=100 として、
1カ月の推移を
プロットしたグラフです。

株式はNYダウ
(3月28日終値=100、左軸)

ドルは、ドルユーロ
(3月28日終値=100、左軸=下がドル安)

米国債(10Yもの)で、
単位を長期金利に修正(右軸)

を採用しました。

 

これをみると、
一番大きく下落したのが株式、
ついでユーロに対するドル、

単位が違いますが、
米金利は相互関税発表後
急上昇(米国債 下落)、

ということになります。

これが、
4月の米国トリプル安の姿です。

特に金利は、
0.5%も急上昇したので、
圧倒的な変化です。

しかし、
先週から米政府が、
トリプル安の反応をみて、

強硬姿勢を緩和し始めてた
感が出てきています。

FRB議長の解任は、
予想しない程の
債券市場の下落をみて、

トランプ大統領は4/23日、
解任するつもりはない、
と発言し、

あっという間に
解任話を取り下げました。

さらに、米中の関税戦争は、

米側は中国に対し145%、
中国側は米国に対し125%の
関税をかけあう

と発表したわけですが、

これが米国のリセッションを
早めるとも言われています。

大国同士、かつ
相互の個人メンツも
かかっており、

簡単には収まりづらいものと
思われていたものです。

しかし、あっさりと
米側から譲歩のジャブが
示されました。

4/23、
ウォールストリートジャーナルが、

トランプ政権側が
145%を半分以下にする案を
検討している

と発表したのです。

ホワイトハウス高官の話として、

ゼロにはならないが、
35%から50%の範囲まで
下げることを調整、

と報道されました。

それを受けたかどうか
わかりませんが、

中国側も、

米国で生産された半導体に対し
8品目は関税を免除

というニュースを、

これも米国のソース
(CNN)を使って

アドバルーンを上げたようです。

多くの場合、
こうしたニュースは、
特定のマスコミを使い、

すっぱ抜き、リークの形に
みせたうえで、発表させます。

政権側が、
あえてアドバルーンを上げて、

市場の反応をみるために、
そうするのです。

中国との関税に関しては、
トランプ大統領は、23日、

毎日中国と接触している、
関税合意が2,3週間以内に
あるかもしれない

と述べています。

中国外務省は、
この話を完全に否定し、

いかなる協議、交渉もしていない、
と否認しましたが、

実は、中国外務省の役人一行が、
ホワイトハウスに隣接する
米国財務省の建物に
入る姿が目撃されました。

ちょうど、
G20財務省中央銀行総裁会議の
行程中で、

それに合わせて
米中の交渉も行われたものでしょう。

まだ、
米国売りが収まった
わけでもないのですが、

収束しそうな雰囲気を
相場が織り込みかかっている
感じは出てきています。

奥村尚

関連記事

Pick Up!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です