From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
4月に入り、相互関税は
相場に重大なインパクトを与え、
今に至っています。
それに加え、
FRB議長の解任が示唆され、
米国の資本市場は、
株式、債券、FXの
3大市場全てで
米国売り一色の
様相を持ちました。
あまりに市場の反応が
大きかったとみて、
相互関税の猶予期間を
発表しました。
ちょっと、
株式、債券、ドル、の
3大市場における
米国売りの推移を
みてみましょう。
3月28日終値=100 として、
1カ月の推移を
プロットしたグラフです。
株式はNYダウ
(3月28日終値=100、左軸)
ドルは、ドルユーロ
(3月28日終値=100、左軸=下がドル安)
米国債(10Yもの)で、
単位を長期金利に修正(右軸)
を採用しました。
これをみると、
一番大きく下落したのが株式、
ついでユーロに対するドル、
単位が違いますが、
米金利は相互関税発表後
急上昇(米国債 下落)、
ということになります。
これが、
4月の米国トリプル安の姿です。
特に金利は、
0.5%も急上昇したので、
圧倒的な変化です。
しかし、
先週から米政府が、
トリプル安の反応をみて、
強硬姿勢を緩和し始めてた
感が出てきています。
FRB議長の解任は、
予想しない程の
債券市場の下落をみて、
トランプ大統領は4/23日、
解任するつもりはない、
と発言し、
あっという間に
解任話を取り下げました。
さらに、米中の関税戦争は、
米側は中国に対し145%、
中国側は米国に対し125%の
関税をかけあう
と発表したわけですが、
これが米国のリセッションを
早めるとも言われています。
大国同士、かつ
相互の個人メンツも
かかっており、
簡単には収まりづらいものと
思われていたものです。
しかし、あっさりと
米側から譲歩のジャブが
示されました。
4/23、
ウォールストリートジャーナルが、
トランプ政権側が
145%を半分以下にする案を
検討している
と発表したのです。
ホワイトハウス高官の話として、
ゼロにはならないが、
35%から50%の範囲まで
下げることを調整、
と報道されました。
それを受けたかどうか
わかりませんが、
中国側も、
米国で生産された半導体に対し
8品目は関税を免除
というニュースを、
これも米国のソース
(CNN)を使って
アドバルーンを上げたようです。
多くの場合、
こうしたニュースは、
特定のマスコミを使い、
すっぱ抜き、リークの形に
みせたうえで、発表させます。
政権側が、
あえてアドバルーンを上げて、
市場の反応をみるために、
そうするのです。
中国との関税に関しては、
トランプ大統領は、23日、
毎日中国と接触している、
関税合意が2,3週間以内に
あるかもしれない
と述べています。
中国外務省は、
この話を完全に否定し、
いかなる協議、交渉もしていない、
と否認しましたが、
実は、中国外務省の役人一行が、
ホワイトハウスに隣接する
米国財務省の建物に
入る姿が目撃されました。
ちょうど、
G20財務省中央銀行総裁会議の
行程中で、
それに合わせて
米中の交渉も行われたものでしょう。
まだ、
米国売りが収まった
わけでもないのですが、
収束しそうな雰囲気を
相場が織り込みかかっている
感じは出てきています。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。