欧州の政治事情

2022.2.23
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

オリンピックも終わりましたが、
ウクライナ問題はより一層問題が
深まってきている感じがあります。

しかし、
米国のニュースであれば
どんどん入ってくるのですが、

欧州のニュースは、
なかなか入って来ませんね。

そこで、
今回は欧州に目を向けてみることにしました。

欧州主要国の政治首脳は、
一度リーダーになると
長い間継続することが多いですよね。

たとえば、

ドイツは、

・シュミット首相(1974.5-1982.10)の8年
・コール首相(1982.10-1998.10)の16年
・シュレーダー首相(1998.10-2005.11)の7年
・メルケル首相(2005.11-2021.12)の16年

フランスは、
・サルコジ大統領(2007.5-2012.5)の5年
・シラク大統領(1995.5-2007.5)の12年

イギリスは、
・サッチャー首相(1979.5-1990.11)の11年
・メージャー首相(1990.11-1997.5)の7年
・ブレア首相(1997.5-2007.6)の10年
・キャメロン首相(2010.5-2016.7)の6年

ところが、
この状況が昨年から変わってきました。

まずドイツですが、

長く欧州を引っ張ってきたメルケル首相が
昨年9月の総選挙で引退を表明、
後任の首相がなかなか決まりませんでした。

ようやく決まったショルツ首相は
昨年12月に首相になったばかりで、

国際的な知名度もなく、
EUのリーダーとしても
ペーペーといったところでしょう。

フランスのマクロン大統領は
2017.5に大統領になりましたが、

今年4月は大統領選があり、
大統領の座を守れるか
少しばかり怪しくなってきています。

イギリスのジョンソン首相は
2019.7に首相になりましたが、

コロナでロックダウン中に首相官邸で
パーティを主催したのがバレて
野党から辞任を要求されています。

不信任投票まで進む勢いがあり、
与党は首相を交代させる可能性が高くなっています。

国際的に知名度のない人、
既にレームダックになっている人が、

中国やロシアの首脳と会談をしたところで、
マトモな交渉はできません。

相手は長い事リーダーをしており
経験豊富、百戦錬磨の強者。

役が二枚も三枚も上です。

このまま欧州のリーダーが力を失うと、
欧州のプレゼンスも失いかねません。

そうした中、
俄然光っているのがイタリアです。

今までは政治リーダーが
頻繁に交代するイメージがありましたが、

欧州中央銀行(ECB)総裁を務めたドラギ氏が
昨年2月に首相になり政権を発足させ、状況一変。

強力な指導力と欧州中枢へのコネクションを活用し、
政治を安定させました。

一時は先月行われた
大統領選に出馬する話が起こり
政治空白が懸念されましたが、

マッタレッラ大統領が
再選され、事なきを得ました。

もっとも頼もしいEUのリーダーの一人になるでしょう。

奥村尚

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