From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
相場を観る上で、
とても重要な観点があります。
最終的には、相場がつける価格が、
いつ頃、上がる(あるいは下がる)
ということを見極めるために、
重要なことです。
それは、“変化” です。
クォンツ分析、テクニカル分析、
あるいはファンダメンタル分析の
全てに共通します。
クォンツでは、
リスクとリターンを定義していますが、
変化の要素はリスク計算の中に
落とし込んでいます。
その定義は、テクニカルでも、
ファンダメンタルでも同一です。
金融という領域で、計算定義は、
クォンツの分野になるでしょう。
ちなみに、ボラティリティ、
という言葉はリスクと同義語です。
皆さんがトレード時に見ている恐怖指数は、
市場参加者が売買するプライスの変化から
暗に示すリスク数値として求め、
今後30日間のプライスレンジを
予想したものです。
テクニカルは価格の変化を見ますね。
全ての変化は、
価格という情報に
盛り込まれている考え方で、
何の変化で価格が変わるのかは
わからない(&知る必要もない)が、
その何かの変化の全ては、
既に価格という情報として入り込んでいる、
という考え方が前提にあるのです。
では、全ての変化とは、
一体何でしょうか。
その全ての変化の「全て」、という部分を、
ひとつひとつの要素や分野に掘り下げて、
個々に分析するのがファンダメンタルです。
グローバルマクロ(世界経済)、
マクロ(国家の経済)、
セミマクロ(業界の経済)、
ミクロ(個別企業の経済)、
政治情勢、社会現象、戦争分析、
などの幅広い分野で分析を行います。
一番大きな括りは、グローバルマクロで、
OECDやIMFの世界経済見通しを
出すときに取るアプローチです。
特に今、最も重要と私が考えている変化に、
各国の利上げがありますが、
金利は主にファンダメンタルでカバーします。
金利以外にも、
ここ1年でファンダメンタルの大きな変化が
一気にまとめてやってきました。
色々な大きな要素が絡み合い、
大きな変化になっています。
まず、コロナ禍からの脱出という
変化が起こっています。
しかも、世界中で、です。
生活様式として、
ウィズコロナという流れのまま
経済を進めてきた方向の延長になるのか、
コロナを克服して新しい流れになるのか、
まだわかりませんが、
非常に大きな変化の最中であるといえます。
コロナからの脱出と合わせて、
過去のコロナ対策の尻拭い
という変化も大きなものがあるでしょう。
色々な補助金を出してきたツケ、
世の中にお金をばらまいてきたツケ、
金融緩和をしてきたツケもあります。
経済を見る上で重要な要素に物価がありますが、
コロナからの脱出に伴う物価高という問題を、
どう解決するのか
という難しい問題も全ての国に
突き付けられています。
コロナとは関係はありませんが、
ウクライナ戦争も、今年起きた大きな変化です。
今起きている物価高の要因ですが、
元々はコロナ禍からの脱出時に
起きていた問題です。
これは、物価だけではなく、
国家と国家の信頼関係、同盟関係、
国防に対する思い込みなど、
色々な前提が根本から覆されました。
前提が変わるわけですから、
今まで思い込んできたロジックを捨てて
新しい前提に置き換えて根本から
見直す必要があります。
そして、世界のリーダーの顔ぶれが
ガラリと変わっているという変化も
今年は目立ちました。
国防の問題は、
リーダーの歴史観や国家間に
大きく依存します。
ひとつひとつの問題が大きなものなのですが、
全てがファンダメンタルの分野
と言って良いでしょう。
こうした変化をどう捉えるのか、
というのは、相場と実は密接です。
あまりに大きな問題を含むのですが、
結局は、そうした要素ひとつひとつが
相場のプライスの予想に
帰着させることができます。
時にはこうしたことを考えることが、
相場観を深めるものになります。
テクニカル派の人も、頭の体操を兼ねて、
こうしたことを考えてみるのも
面白いと思います。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。