From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
投資というのは、お金で表します。
お金というのは、数字で示します。
したがって、投資は、
数字で示すのが本来の姿です。
数字で理解するというのは、
投資をしている限り、
とても重要です。
たとえば、
あなたのリターン。
数字で示すことができます。
あなたの勝率においても
数字で示すことができます。
今回は相場の動きを
数字で示していきます。
金融相場の価格推移には
規則性がなく、
過去の価格変動とは
「関係ない」という説があります。
この説を
【ランダムウォーク理論】
といいます。
経済学の分野では
フランスの数学者バシュリエが導き、
「投機の理論」として
122年前の1900年に
論文を発表しております。
酔っ払いが歩いていると、
右にいくか、左に行くか、
わかりません。
日本語では、
【酔歩状態】
という言い方をします。
この理論は、物理学の
「素粒子の位置が不規則に変動する」
というものと同じ考え方です。
最初に物理学で導いたのは、
かの有名なアインシュタインで、
1905年のことでした。
のちに、
【ブラウン運動】として広まった
非常に重要な理論です。
バシュリエの方が、
アインシュタインよりも
5年も早く論文を発表したのですが
当時は、全くと言っていいほど
注目されませんでした。
しかし、この考え方は
「オプション」と呼ばれる金融商品の
価格理論の根幹をなし
大変重要な考え方でした。
相場というのは、
プラス側にも、マイナス側にも
ランダムに動き回り、
【変動の確率は50%である】
というものです。
この理論では、
歩く距離は歩く時間の平方根に
比例して大きくなるので、
目的地にたどり着かない可能性が
長期においては拡大することも
証明できるんです。
しかし、証券価格には
情報が無限にふくまれていて、
チャートという形にし、
名人が使いこなすことで、
「完璧に予想ができる」
と主張する人もいます。
その考えを、
真っ向から否定しているのが、
【ウォール街のランダムウォーカー】
という名著を出している
「バートンマルキール」です。
互いの主張の決着は
ついていません。
本記事では
東証の株価がどうなっているか
見てみましょう。
戦後、東証が営業している
すべての日においての
毎日の終値を
日々のリターンに変換して、
リターンの分布(度数分布)をプロットしたものです。
この図をみると、
【正規分布】とよばれる
自然の摂理に限りなく従った
分布をしています。
これこそが、
【ブラウン運動】
をしているという根拠なのです。
ただ、正しい理論を前提とすると
正確なランダムとは異なる
大きな相違も発見できます。
プラス側にも、マイナス側にも、
長い目で見た際に、
正しくランダムに
運動するのであれば、
どちらにも同じ確率で
変動するはずなので、
平均はゼロです。
しかし、東証の株価は、
日々のリターン平均が
【0.00032】でした。
ゼロに近いですが、
プラスという結果です。
正のリターンの日は、
【10549日】
全体の「52.933%」です。
「負」もしくは「ゼロ」の
リターンの日は、
【9380日】
全体の「47.067%」です。
株価は上下にほぼ等しく
ふれていますが、長い目でみると、
株価は上がる
という事を示しています。
50%が本来の勝率とすると、
約3%だけ、有利になっている
ことがわかります。
50%が本来の勝率とすると、
約3%、本来の勝率より不利です。
株をギャンブルに例える考え方は
好きではありませんが、
ギャンブルには、
胴元が必ずいます。
株式を売りでエントリーすると、
胴元に手数料を3%おさめ、
金利分を負担する
ことになるのです。
株式を買いでエントリーすると、
胴元から手数料を
3%もらえることになります。
前回の記事で、
先物、信用取引をする際に、
売りから入ると
損をする可能性が高い、
という趣旨の発言をしました。
相場で勝利する根拠がなく、
やみくもに信用売り勝負を繰り返すと、
損をしてしまうことがあります。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。
自分の専門外のお話でも、分かりやすく説明していただけるので、とても身近な気持ちで知識を取り込めることができました。