MIX指数の活用方法

2022.11.23
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

モノの価値というものは、
通常、一定の期間定まった値で
取引されます。

しかし株式は、
なぜ刻一刻と
価格が変化してゆくのでしょうか?

株式はなぜ時価があるか」を
説明するために
時々この定式を引用しています。

株価を説明するのに、
最も重要な公式です。

---------------------
株式の価格(株価) = 利益 x 買いたい気持ち
---------------------

利益の見通しは
一日に何度も変わらないとしても、

買いたい気持ちは
刻一刻と変わるので、

株価の短期的な動きは、
「買いたい気持ちの状態を示したもの」
と言えましょう。

その気持ちを数値化する手段は、
あまり多くありません。

通常は「変動する価格を既にある」とし、
その価格で、利益を割って逆算するのです。

しかし、それでは
その買いたい気持ちの値を
価格から逆算するだけです。

本当は、買いたい気持ちを先に
なんとかして数値化し、

その数値に利益をかけて
理論価格を編み出したいのです。

そのひとつの答えになるであろう
「恐怖指数」は大変有名です。

株式を取引する私達にとって、
ボラテリティインデックス(Volatility IndeX,VIX)のこと
と言えばわかりやすいかもしれません。

米国の株式指数である
S&P500の変動率を、

オプション市場の取引から
算出するリスク(=ボラティリティ)として
表現する数値です。

この先30日の変動の大きさを
数字で表して、

大きい数値であるほど、
「悪い状態で下落する予期が大きい」
としています。

大きな数字は恐怖が強くなり
株式市場は下落する
という法則が成り立っています。

これと似たものに、
「悲惨指数」というものがあります。

ミザリーインデックスとも呼ばれます。
「Misery IndeX,(MIX)」と呼んでおきます。

「インフレ率」と「失業率」を
合計した数値を

「生活困窮度の悲惨さ」
として表す指数です。

インフレ率は、
CPI(よりマニアックにはPCEコアデフレータ)を
使います。

ここでは、
米労働省発表のCPIと
雇用統計の値を使って

ニューヨークダウ(NYdow)も
合わせてみました。

さっそく見てみましょう。

見方は、「恐怖指数」と似ていて、
「MIXが大きな数字になる」ほど、

悲惨さが上がるので、
「株価は下がる」というわけです。

MIXがピークに達すると、
「株価は底をついて上昇に転じる」
という見方でもあります。

逆に、MIXが下落してボトムに達すると、
株価が上値を付けて下落に転じます。

米国の失業率は過去最低であり、
MIXの値はまだまだ、
下落余地があります。

この指数は、
経済学者 Dr.Arthur M. Okun(1928-90,米)が
発見したもので、

もともとは、
GDPが3%変化すると失業率は1%逆方向に変化する
というものでした。

現在は、
指数の数字に「インフレ率」と「失業率」を
足したものを使い、

その数字が「悲惨さ」を
表すもので、

10%を超えると生活が圧迫され
経済に対する国民の不満が高まり、

「20%を超えると政権をひっくり返すパワーになる」
とされています。

いまの悲惨指数は、
「不満が高まっている状況」
となっています。

しかし下落傾向です。

米国のインフレ率は、
「既にピークを打った感」があり、
今後下落していきます。

つまり、
「MIXはもっと下落を続ける」
と言えるでしょう。

米国株は、
不思議なほど上昇しています。

いずれ、どこかで、
MIXはボトムを付ける事になります。

その時は、
「米国株が下落に転じるときではないか」
という見方のひとつの根拠になるでしょう。

奥村尚

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