需給を読むということ

2015.1.24
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From:中野英
都内の自宅より、、、

前回は、《裁定取引》に
ついて書かせて頂きました。

今日は、値動きを推測する点で欠かせない、
『需給の読み方』について書こうと思います。

株の世界で、『需要』と言えば《買い手》、
『供給』と言えば《売り手》を指します。

株価の値動きを読むということは、
チャートや様々な指標などを用いて・・・

『需給を読む』

・・・ということに他なりません。

この点が、『企業業績』だけから
値動きを推測しようとする専門家の
言うことが当たらない所以でもあるのですが。

『株価は人気投票で決まる』

こんな言葉を聞いたことがありませんか?

株式市場に求めているものは、
投資家によってそれぞれです。

① 《優待・配当》という『インカムゲイン』を求める者

② 《値動き》という『キャピタルゲイン』を求める者

キャピタルゲインの中でもさらに分かれて・・・

※ リスクを背負ってでも、《ボラティリティ(変動率)》を求める者

※ ゆったりした値動きを求める者

本当に様々です。

特徴を挙げれば・・・

①《優待・配当》目的の株主が多い銘柄は、
『長期の保有意志』があるため売り(供給)が
限られ、株価の値下がりが限定される傾向があります。

外食系銘柄は、業績が悪くなっても、
大きく値下がりすることはあまりありません。

恐らく、株主が総出で売ってくるとしたら・・・

※ 配当・優待が廃止される

※ 《企業の存続》自体が危ぶまれる

・・・そんな事態になったらでしょう。

つまり、これらの銘柄は、
下値が堅いことが特徴と言えます。

そしてその中で、業績の伸びが
期待できるような企業でしたら、
じわりじわりと上値を伸ばしていくこともあります。

4661 オリエンタルランド

まさに、その典型と言える銘柄です。

このような銘柄は、
《供給が少ない》・《下落が限られる》という点から・・・

※ 《低リスク志向》の『中長期投資』向けの銘柄と言えます。

それに対して②の《キャピタルゲイン》目的の投資家は・・・

とにかく求めているのは、『値動き』です。

赤字であろうが黒字であろうが、
業態が何であろうが、そんなことは関係ありません。

《動いている銘柄》が、『優良銘柄』です。

特徴といえば、とにかく・・・

『あっという間に集まってきて、
あっという間に去っていく』ことでしょうか(笑)

まさに、《瞬発力勝負》の世界。

《需要》が発生する時は、
物凄い勢いで需要が膨らみますが、ある時点を境に・・・

瞬く間に《需要》が減退し、
程なくして、もしくは同じくして
《供給》が猛烈な勢いで膨らみます。

《買い手・売り手》が求めているものは・・・

『自分が買った値段以上で買ってくれる投資家』

『自分が売った値段以下で売ってくれる投資家』

しかし、そんな長い時間待ちません。

俗に言われる《スキャルピング》と
いう取引スタイルの投資家は、秒単位でしか待ちません。

つまり、『需要と供給が、
猛烈な勢いで入れ替わる』ということですね。

そして、求めている者が
『値動き』なので、銘柄は何でもいい。

『値動き』は、
どんな銘柄にでも生まれます。

もし、値動き目当てに集まってきた
投資家の買いで株価が急騰した銘柄を、
高値で掴んで塩漬けにしてしまった場合・・・

※ 買値まで戻ることが
あっても、相当長い時間を待たなければならないでしょう。

なぜなら、『値動き』は、
その銘柄特有のものではないですから。

つまり、一連の値動きが終わった後は、
『その銘柄を買いたいと思う理由は、ほとんどない』と言ってもいいと思います。

また買われるとしたら、忘れたころに・・・

『そういえば、この前この銘柄で遊んだな。』

・・・と思い出されたときです。

それがいつになるのかは、
全く予想が出来ません。

上記の投資家とは別に、
『中長期』で《キャピタルゲイン》を狙っている投資家は・・・

現在・将来を含めた《業績》を
主眼にして、投資をします。

そのマーケットの《主力株》を
売買するような投資家が、それに当たりますね。

《業績》は頻繁に変わるものでは
ありませんから、《投資家》も頻繁には売買をしません。

つまり、よほどのことがない限りは・・・

※ 《需要》と《供給》が、
短期間に大幅に入れ替わるようなことはない。

《キャピタルゲイン》を求める
投資家の中でも、『ゆったりした値動き』を
求める投資家向けと言えます。

同じ相場でも、どのような
投資家主体の相場かで、《中身》は全く変わります。

① 『中長期』の《多額の資金を運用しているような投資家》
主体でしたら、『中・大型株』の需要が多く発生します。

② 『短期』の《少額の資金を運用しているような投資家》が
主体でしたら、『小型株』の需要が多く発生します。

①の相場でしたら、『ゆったりと継続性のあるトレンド』
が表れることが多く・・・

②の相場でしたら、『短期間に急騰・急落を伴う値動き』
が表れることが多いです。

しばしば聞く話が・・・

『企業業績はいいのに、全く上がらない・動かない』

『こんなどうしようもない銘柄の株価が、どうしてこんなに上がるんだ?』

・・・それは、その方が求めているものと、
その時の株式市場の参加者が求めている物が、全く異なるからです。

※ 投資家の目的は、十人十色

それを、念頭に入れて、
相場を見てみてください。

きっと、『流れに乗れない』と
いうような悩みが、少しずつ解消されると思います。

最後に、『ある特定の投資家に需給を
完全に掌握されるとどうなるか』、その例を挙げます。

4777 ガーラ

株ライブ 4777日足チャート ①

2度の《400円付近》での急落が強く意識され、
多くの投資家が400円で売り、尚且つ(恐らく)
特定の投資家に買い占められてしまったため・・・

《供給》が一気に減少し、
そこからの株価の大暴騰が始まりました。

まさに、『需給の極み』
とも呼べる値動きですね。

最終的に株価は、高値《3475円》まで
上昇し、そこで一相場が終了しました。

株ライブ 4777日足チャート ②

このような値動きにも乗れるように、
これからもさまざまなパターンを学んでいってください(^◇^)

ー中野

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