From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
1980年代、
伝説のバブル経済がありました。
今でも時々、
お立ち台で踊る映像が
メディアで流れますがあの時代です。
1984年1月までは、
1万円に届かなかった日経平均は、
1986年から目に見えて
急激に上がり始めました。
1986年末からの、
株価の推移をみてみましょう。
日経平均は、
1989年12月に、
4万円弱まで到達しました。
この頃は、
日本は世界で第二位の
GDPを誇っていました。
GDPは国家全体としての
経済力をフローで示すものですが、
ひとりあたりの稼ぎを示す
ひとりあたりGDPも、
この頃は世界有数でした。
1988年は世界で二位。
(1位スイス、3位ルクセンブルグ)
ちなみに2021年は
日本は27位。
(1位ルクセンブルク2位アイルランド3位スイス)
日本(人)の所得が
下がったわけではないのですが、
まったく上がっていないので、
伸びる他国に周回遅れになった
ということです。
日経平均は、
1989年の値に遠く及びません。
これをもって
『失われた30年』
という言い方もできます。
しかも、
失われた30年どころではなく、
34年目に突入していることになります。
でもこれは日経平均とか
ひとりあたりGDPという
ある限られた側面にすぎません。
日本企業の価値、
という点に着目すると、
東証の時価総額というものが
浮かんできます。
東証一部(今はPRM)の時価総額を、
1986年からみてみましょう。
先ほどの日経平均とは
異なった景色になります。
1989年末に
591兆円だった東証1部の時価総額は、
バブルの終焉とともに
大きく下落しましたが、
2017年に670兆円を超え、
日本の企業価値という点で
1989年を大きく凌駕していたのです。
1989年にピークを付けた
日本企業の(東証一部の)時価総額を、
失われた期間中、
超えられなかったのですが、
28年後、2017年にピークを越えていたのです。
この期間が株式市場で考える
失われた期間であり、
その期間は28年続きました。
でも、今はもう終えています。
2021年以降は安定して
700兆円を超えて推移しており、
1989年の企業価値を
18%もうわまわっています。
なぜ日経平均と
景色が変わるかというと、
日経平均は株価だけで
見ることが大きな理由です。
企業価値を、
日経平均は株価でみるので、
株価が高い会社に左右されるのです。
企業価値は株価ではなく、
「株価x発行済株式数=時価総額」でみます。
その時価総額の合計が、
東証の時価総額合計であり、
その時価総額合計を
指数化したものがTOPIXです。
株価を見るときは
TOPIXもみるようにしておくと
ミスジャッジを減らせるでしょう。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。