From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
昔から、株式や債券は
金融資産として
主要な地位を占めています。
もっと昔からは、
不動産という資産も
投資の対象になっています。
同じくらい古典的な資産として
金(Gold)があるのは
皆さんご存じと思います。
金は、世界の供給量には
限りがあるので、
需要が増えると
供給を増やすことができないため
その分値上がりする
という性格があります。
# 今の日本のコメと
似ていないこともないですね。
そして、暗号通貨も
近年は投資対象として
一定の地位を占めるようになりました。
さて、株式、金、暗号通貨の、
最近の推移をご存じでしょうか?
この3つの全く異なる性格を持つものは、
いったいどれだけ価値を
上げて(下げて)いるのでしょうか。
まずは見てみましょう。
NYdow, Gold(NY)、
Bitcoin(シカゴ)の推移を比較します。
コロナによるパンデミックが終焉した
2022年から直近までの推移を
指数化しました。
どの資産も上昇していますね。
NYdowは22%のリターン
金は61%リターン、
ビットコインは 110%のリターン
を記録しました。
同じ+のリターンではありますが、
上がり方(下がり方)に大きな差があります。
一番低調なのは株式です。
最も上がったのは暗号通貨です。
しかし、暗号通貨は
異色なほど、乱高下しています。
金が最も安定的に
上昇を果たしています。
こうした動きには、
パンデミックからの回復の状況と
密接な関係がありそうです。
株式は、2024年までは
マイナスで推移していました。
2021年以降、
パンデミック後の世界経済が
一気に動き出したおかげで物資が不足し
世界的に物資の供給が不足し
物価高になりました。
物価高を止めようと、
日本を除くすべての先進国が
利上げを行い、
お金の流れを押さえました。
そのおかげで
物価は2023年にはかなり収まり
2024年になってようやく安定してきました。
その甲斐があって、
上昇しきった金利も少しづつ下がってきて、
株式市場にお金が戻ってきたんです。
ようやくNY株式が
パンデミック前の水準に戻ったのが、
2024年に入ってからでした。
よーくみると、
金も2023年までは
マイナスで推移していますね。
本格的に上昇をはじめたのは
株式と同じころ
つまり2024年です。
しかも、その上昇は、
好調な株式をさらに上回っています。
なぜでしょう?
普通に考えると、
世界中にインフレが続くのであれば、
金はインフレに強い資産なので、買われます。
でも、違った。
それは、
、、、
米金利が下がり始めたからです。
ん?
なんだか、
わけがわかりませんね。
まず、物価上昇を抑えるため、
FRBが金利を上げました。
そうすると、ドルが強くなります。
ドルと金は、
世界の基軸通貨ですから、
ドルが強くなると金は弱くなります。
その原理で、2024年までは
金が弱含みだったのですね。
しかし、
米金利が下がり始めると、
ドルは弱くなる。
そうすると、金が強くなり、
上昇を始めたというわけです。
NY株式よりも強い上昇を果たしたのは、
世界中のカネ余りのカネが、
地政学リスクを避けて安定した金をもとめたこと、
および、インフレは、
強い上昇はしていないまでも、継続しており、
その対策として、投資家は金をもとめた、
ということになるでしょう。
そして、ビットコイン。
パンデミックのようなことが起こると、
資産の礎がない仮想的な投資先からは、
お金が流出します。
ビットコインは60%下げましたが、
まだ良い方なんです。
多くの仮想通貨は
もっと下がりました。
ビットコインは別格で、
ドルと交換することができるので、
60%減で済んだ、ということになるでしょう。
しかも、2023年からは、
怒涛の勢いで伸びましたね。
パンデミックが終焉し、
平時経済にもどったために、
再び需要が一気に膨れだした、ということでしょう。
それぞれの資産の特徴がよく出た、推移ですね。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。