株、金、そして暗号通貨

2025.2.19
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

昔から、株式や債券は
金融資産として
主要な地位を占めています。

もっと昔からは、
不動産という資産も
投資の対象になっています。

同じくらい古典的な資産として
金(Gold)があるのは
皆さんご存じと思います。

金は、世界の供給量には
限りがあるので、

需要が増えると
供給を増やすことができないため
その分値上がりする

という性格があります。

# 今の日本のコメと
似ていないこともないですね。

そして、暗号通貨も
近年は投資対象として
一定の地位を占めるようになりました。

さて、株式、金、暗号通貨の、
最近の推移をご存じでしょうか?

この3つの全く異なる性格を持つものは、
いったいどれだけ価値を
上げて(下げて)いるのでしょうか。

まずは見てみましょう。

NYdow, Gold(NY)、
Bitcoin(シカゴ)の推移を比較します。

コロナによるパンデミックが終焉した
2022年から直近までの推移を
指数化しました。

どの資産も上昇していますね。

NYdowは22%のリターン
金は61%リターン、
ビットコインは 110%のリターン

を記録しました。

同じ+のリターンではありますが、
上がり方(下がり方)に大きな差があります。

一番低調なのは株式です。

最も上がったのは暗号通貨です。

しかし、暗号通貨は
異色なほど、乱高下しています。

金が最も安定的に
上昇を果たしています。

こうした動きには、
パンデミックからの回復の状況と
密接な関係がありそうです。

株式は、2024年までは
マイナスで推移していました。

2021年以降、
パンデミック後の世界経済が
一気に動き出したおかげで物資が不足し

世界的に物資の供給が不足し
物価高になりました。

物価高を止めようと、
日本を除くすべての先進国が
利上げを行い、

お金の流れを押さえました。

そのおかげで
物価は2023年にはかなり収まり
2024年になってようやく安定してきました。

その甲斐があって、
上昇しきった金利も少しづつ下がってきて、
株式市場にお金が戻ってきたんです。

ようやくNY株式が
パンデミック前の水準に戻ったのが、
2024年に入ってからでした。

よーくみると、
金も2023年までは
マイナスで推移していますね。

本格的に上昇をはじめたのは
株式と同じころ
つまり2024年です。

しかも、その上昇は、
好調な株式をさらに上回っています。

なぜでしょう?

普通に考えると、
世界中にインフレが続くのであれば、
金はインフレに強い資産なので、買われます。

でも、違った。

それは、
、、、

米金利が下がり始めたからです。

ん?

なんだか、
わけがわかりませんね。

まず、物価上昇を抑えるため、
FRBが金利を上げました。

そうすると、ドルが強くなります。

ドルと金は、
世界の基軸通貨ですから、
ドルが強くなると金は弱くなります。

その原理で、2024年までは
金が弱含みだったのですね。

しかし、
米金利が下がり始めると、
ドルは弱くなる。

そうすると、金が強くなり、
上昇を始めたというわけです。

NY株式よりも強い上昇を果たしたのは、
世界中のカネ余りのカネが、
地政学リスクを避けて安定した金をもとめたこと、

および、インフレは、
強い上昇はしていないまでも、継続しており、
その対策として、投資家は金をもとめた、

ということになるでしょう。

そして、ビットコイン。

パンデミックのようなことが起こると、
資産の礎がない仮想的な投資先からは、
お金が流出します。

ビットコインは60%下げましたが、
まだ良い方なんです。

多くの仮想通貨は
もっと下がりました。

ビットコインは別格で、
ドルと交換することができるので、
60%減で済んだ、ということになるでしょう。

しかも、2023年からは、
怒涛の勢いで伸びましたね。

パンデミックが終焉し、
平時経済にもどったために、
再び需要が一気に膨れだした、ということでしょう。

それぞれの資産の特徴がよく出た、推移ですね。

 

奥村尚

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