ITバブル時の市況

2024.4.10
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

1950年代から現代に至る、
過去のバブル相場の動きを、

当時の状況と合わせて
ご紹介しているのですが、

いわゆる、
1989年のバブルの後にも、
何度かバブルが起きています。

今回は、
いわゆるITバブル
に触れます。

1999年1月から、
2000年3月くらいにかけての相場です。

今から見ると
20数年前の出来事ですが、

記憶に残っている方も
多いのではないでしょうか。

1999年に入ってから
2000年3末までの、
当時の上昇相場を見ておきましょう。

1年3ヶ月の間に、
1万3415円から、
20337円まで上昇しました。

これは、率にすると
51.6%に相当します。

上昇率は、
期間の短さを考えると
すさまじいものでした。

この時の相場は、
かなり特徴的でもありました。

1989年は相場全体で、
つまり、まんべんなく
上昇しました。

しかし、1999年は、
ITセクターだけが特に高く上昇し、

それ以外のセクターは、
イマイチだったのです。

インターネットという
「何か知らんが凄いものが出た」
絡めばなんでも上昇していた半面、

そうではないセクター、例えば、
建設、倉庫、空運、金属などのセクターは、
むしろ大きく下降していたのです。

勝ち組のもつ要素
(あるいは因子。ファクターと呼ぶ。)
と株価を分析することで、

株価上昇のファクターを明確にし、
そのファクターを持つ銘柄に投資するのが、
金融工学の一つの成果なのですが、

それを
ファクターリターン
などとも呼んでいます。

例えば、

大型株、値嵩株、バリュー株、グロース株、
あるいは、業種(セクター)などは
簡易的なファクターになります。

1989年のバブル相場の時は、
鉱業、機械、金属、海運などという
業種がファクターでした。

この時は
不動産バブルと株式バブルが
併走していたので、

工場や土地などを所有しているから
という単純な理由で上昇した、
という分析になるでしょう。

この時は、情報通信業は
むしろ大きく下げたセクターでした

一方、1999年のITバブルでは、
先物取引業、情報通信業が
上昇セクターの代表格で、

1989年の時にはバブルを引っ張った
工業、金属などはむしろ株価が大きく下落して
足を引っ張っているセクターだったのです。

株価指数が上がったからと言って、
すべての個別株が上がるわけではない
ということを、

こうして説明ができるわけです。
(ファクターという切り口や見方で)

 

奥村尚

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