From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
あけましておめでとうございます。
Y2024は、日本もそうですが、
国際的にも政治が安定度を失う
1年でした。
では、
相場はどうだったかというと、
みてみましょう。
この通り。
いろいろな不安があると、
資金は安定資産を求めて動くと
いわれていますが、
その代表格が金です。
国際情勢に不安が高まると、
金が買われていることが
よくわかります。
しかし、SP500も
金と同じように伸びており、
この二つが相場をリードしてきたと
いえましょう。
これをトップグループとすると、
次のグループにDAX(ドイツの株価指数)、
そしてTOPIXという、日欧の株価指数が入っています。
参考までに
NY原油(WTI)を入れてみましたが、
100を割っていますね。
つまり、原油価格は、
非常に安定しており、
2024年は春先までは
株式と同様に上昇したものの、
4月以降は右下がりで、
下落で終わったことになります。
日本も、この国際価格の下落を、
Y2025は末端価格に反映し、
エネルギー価格は
安定してくることになるでしょう。
さて、株式に話を戻すと、
米国だけではなく、
日欧の株も順調であったことから、
株式市場は、
先進国に関して言うと
強気であったということです。
理由はいくつかありますが、
マクロ経済的には、
このようなことになるでしょう。
欧米の金利が下落して、
債券から株式に資金が移った
インフレの抑制に成功し、
利上げから利下げへの流れが進んだ、
景気が良好で雇用も高いレベルで安定、
消費も順調であった
一方、株式市場からみると、
上昇の理由はこうなります。
最初は、欧米の利下げで
マネーが株式市場に流れ込み、
株式市場は上昇してきた
利下げの影響でお金が回り、
景気は維持でき、
企業業績が良好を維持、
業績の伸びが株価をけん引し、
企業利益が上昇し
一株当たり利益も上昇した
ということになります。
こうした動きは、
欧米共通にいえることですね。
日本は、利下げではなく、
利上げの過程にありますが、
大きな利上げの懸念はなく、
主に米国の景気の良さに
引っ張られたY2024だった
といえます。
ところで、日本株は、
海外投資家のシェアも
高いことで知られています。
東証が毎週発表する
投資家別データを見ると
わかるのですが、
売買シェアは7割あります。
保有比率も、32%あります。
日本株が、2024年8月以降、
上昇の勢いを失ったのは、
海外投資家が買いを控え、
あるいは、売りを先行させたという
需給事情が大きく関わっているんです。
7月までは、日本株は
大半の海外投資家が
オーバーウェイトでしたが、
8月には、アンダーウェイトへ
シフトした投資家が
20%を超えました。
(バンクオブアメリカの調査、ロイター)
多くの海外マネーが、
買いから売りに転じた
ということです。
理由は、円高と米雇用統計が
弱い数字を出したためです。
しかも、日本企業の業績は好調です。
とすると、
上昇がまだ甘い日本は、
今後上がる余地がある。
昨年8月の売りに転じた理由も
消え失せました。
投資マネーは、
儲かるところに集まってきますので、
Y2025は、海外投資家の
日本への投資比率は
上昇するはずです。
2025年度が終わる
2026年3月時点で、
NK225 の予想EPSは、
2550円-2800円です
(各社アナリスト予想を過去の的中率で加重した値。TrioAM集計)
PER16-18倍として、
徐々に上昇するとして、
ひとまず3月末に4万2千円。
その後、
最大4万6千円を目指しながら、
今年は推移するとみています。
とはいえ、
下がる材料はたくさんあります。
なんといっても
新大統領との関係が
最大の材料になるでしょう。
日本に対する関税の米国の方針次第で、
世界最大の市場を、
維持できるか、縮小するか、が決まるからです。
大統領の一言で、
一日1000円の下落は
普通に起こる可能性があります。
2018年がそうだったからです。
これはこれで、
ひどくはない下落(であるか否か)という
判断基準を明確にできるならば、
下げたところで自信をもって買えば
利益になるので、
短期の売買益もゲットできます。
この話はまたいずれしようと思います。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。