SP500とTOPIXの歩み

2025.3.26
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

2月19日、米国SP500は、
史上最高値 6117.52 で引けました。

しかし、その後失速、
先週末は 5667.56まで
下がりましたので、

引け値ベースで
7.76%下落したことになります。

一方、その間のTOPIXは
どうであったかというと、
大きな上げ下げはありませんでした。

珍しく、
米国は下げたけど日本は下げなかった、
というケースです。

では、
もう少し長く期間を取ると、
どうだったのでしょうか。

2020年6月以降の、
SP500とTOPIXの歩みを
みてみましょう。

2020/6/1=100として
プロットしました。

SP500とTOPIX、
この両者を見比べると、
大雑把には似た動きをしています。

SP500の上昇時は
TOPIXも上昇していますし、

下落時には
TOPIXも下落しています。

また、
急激な下落の時期も
下落幅も似ています。

でも、両者で異なる動きを
するときもあります。

異なる点が目立った時期の
グラフ部分を〇で囲んでおきましたのでご覧ください。

青〇はSP500の下落が目立ったとき、
オレンジ〇はTOPIXの下落が目立ったとき、です。

左から、最初の青〇は、
SP500の下落が目立ちました。

2020年9月2日に高値をつけた直後から、
急速に失速して、3週間で10%も下げました。

この時は、トランプ1の時代で、
米中貿易戦争を懸念しての失速でしたね。

11月19日にはこの水準に戻しました。
要した期間は2カ月と2週間ですね。

次の青〇は
長い期間のSP500の下落です。

これはFRBの金融政策が原因でした。

金融政策が転換するまでの2年間は
低迷を続けています。

この長期にわたる下落に関しては、
ほかの下落と明確に異なることがわかるはずです。

そのほかは、鋭く下げて
あっという間に戻すものですが、

この時の相場は
長期に渡り、下がり続けた。

原因は、今までも何度も触れていますが、
政策金利の上昇によって、
株式市場に魅力がなくなったからです。

金融政策が変わるまでは、
こうした下落は止まりません。

その次の黄色〇は
昨年8月の暴落です。

前月の7月31日の引けを基準とすると
SP500は3営業日で
6.1%程度の下落であったのに対し

TOPIXは3営業日で20.3%と、
大きく下落しました。

日経平均では、
1987年のブラックマンデーを
上回る下落となったので、記憶にあると思います。

あまりの下落に、指数先物に
サーキットブレーカーが働き、
一時的に取引停止となり、

さらに下げが下げを呼んだ結果でした。

下げが下げを呼んだということは、
なにか最初に下げた理由があったはずです。

後付けの理由では、
米国の雇用統計が悪化したことですが、
大きな懸念となるような内容でもなかったのです。

つまり、
直接の引き金となった下落の原因は、ナゾです。

相場では、
時々(まれではありますが)
こうしたことが起きます。

でも、米国は2週間で元に戻しました。
半値戻しは、下落から3日後でした。

同じく日本も下げましたが、
日本の相場が下落前の水準に戻したのは、
翌年の3月19日。

つまり、つい最近のことです。

ただし、昨年の8月は、
3日で20%の下落したのですが、
半値戻しは、4日後です。

鋭い暴落は、
落ちた半値程度であれば、
かなり早い段階でもとに戻る、

というわけです。

さて、最後の青い〇は、
今回のSP500の大きな下落です。

2/19を基準とすると、
15営業日で10%程下落しました。

日本は下落していませんので、
たいしたニュースにもなっていませんが、
原因は、関税を中心とした貿易戦争の勃発です。

あくまでも、不透明感とか、将来の懸念、
という不安が先行しているわけですが、

目の前の米国マクロ経済指標は、
雇用は強く盤石だし、長期金利は下がるわ、求人は増えるわ、
失業保険申請数は減るわで、大変に良い状況は維持できています。

3/13をボトムに、
SP500の株価は反転していますので、

たぶん 3月末の週(=4月の第1週)には、
半値戻しに達するのではないかと予想します。

奥村尚

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