機械学習と相場予測

2025.2.12
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

相場データを集めて
機械学習させると、
将来が予想できるかもしれない。

そう考える人は
かなり多いと思います。

実際、それを試してみることは
誰にでもできます。

相場データは、
東証、日経新聞社、yahoo などのサイトで、
事後的にはすべてタダで手に入ります。

それを、さすがに
手作業で集めるのは厳しいので、

webサイトから
スクレイピングすることも、
ツールがあるので手軽にできます。

たとえば、
PythonやJupyter などのツールでは、

探せば良い事例が手に入るので、
めんどうなコーディング時間を
短縮できるでしょう。

あとは、サイトから、
取りに行くのは自動化できます。

それを学習させて
将来予測するコーディングも
中身を問わなければいくらでも手に入ることでしょう。

学習とは、
過去の相場分析のことです。

重要なのは、そのあと。

どう将来予想するか。

簡単には、
二つのシナリオをつくります。

楽観シナリオ

悲観シナリオです。

この2つに基づいた予測を行ったうえで、
結果を測定し、実際の相場と比べて
評価することができます。

いわゆる、
フォワードテストをすると、
実に時間がかかるので労多いことになります。

日次だと、
1年を評価するのに1年もかかります。

日次より短い時間間隔で行うと
よいものになりますが、

1年前までのデータで学習させて、
その先1年間のデータを将来予想と照らして評価する
こともできるでしょう。

同じような手法で、
外貨予測も行えますね。

Claude3のようなAIモデルは、
例えばドル円予測が
手軽にできるようになっています(月20ドル)。

こうした予測データを使った
自動売買も、MT5やトレードツールと
組み合わせると設定可能です。

Trading Viewでは、
AIベースのインジケーターがあったりします。

「おぉ、打ち出の小づちではないか!
さっそく、やってみよう。」

あまい。

やってみるとわかります。

今の相場と似たような数字は
予想として出てきますけど、

そんな数字で売買してみたところで、
もう買わない。

しかも、出てくる予想は、
時間が経つほどに
精度が悪くなるんです

理由は簡単です。

AIというロジックは、
過去の事象を片っ端から記憶するのですが、

その記憶から将来の相場を
予測したところで、

なぜそう判断できたのか。

過去、そうだったから。

という判断でしか
AIにはわからないのです。

確率統計も実装されていますが、
その手法はとても初歩的なことしか
自動化できていません。

何を言ってるんだ?

将棋やチェスでは、
プロの人間に決して負けないではないか。

その頭脳で相場を予想させたら、
的中率抜群ではないのか?

そう思う方も多そうです。

それはお門違い。

囲碁将棋チェスのようなものを
ボードゲームといいますが、

基本的なルールは決まっていて、
なん百年も変わっていません。

マス目はことなるものの、
決められたマス目の中で

2人で交互にスキップなしで
一手づつ指す、というものです。

箱庭で、2人のゲームなので、
次の打つ手の組み合わせは有限で、
過去の対戦はすべて学習できます。

しかも、
コンピュータ同士対戦すらも、
学習することも可能で、

要するに、今後起こる
すべての組み合わせの中から
最適解を選ぶことができる能力があります。

箱庭だから、なんです。

そんな相手に、
人間はとても敵いません。

でも、経済は、相場は、
生きています。

しかも、箱庭ではなく、
海のように広いんです。

大統領が変わるたび、
中央銀行総裁が変わる度、
ルールは変わります。

主権者の側近が一人変わるだけで、
ルールは変わります。

ルールが変わると、
またゼロから機械学習を
開始する必要があります。

組み合わせパターンが多すぎて、
有限時間では学習しきれませんが、

仮に適当なところで
学習を終えさせたとしても、

なかなか、うまいこと、
当ててくれません。

機械学習のロジックに、
すべてをおまかせ、という考えが
いけないようです。

楽して相場を当てるのって、
難しいものですね。

 

奥村尚

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