From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
今回は、相場の歩みを顧みて、
今後に役立てるヒントを
得てみようと思います。
まず、
日経平均の10年の歩みを
みておきましょう。
日経平均だけではわかりづらいので、
欧米と合わせてみます。
米はNYdow、
欧は独 DAXとしました。
起点を0として指数化しています。
いかがでしょうか。
上昇の仕方も、大きく落ち込んだ時期も、
同じ時期に同じように動いています。
とはいえ、成長性には差があり、
ドイツと日本はほぼイーブン、
米国は抜けていることもわかりますね。
長期にわたる関係を
さらに論じることもできるのですが、
今回は重要ではないので、スキップします。
それよりも、NYdowが落ち込んできた時期を
あらためて比べておきましょう。
NYdowが落ち込んできた時期は、
今年に入ってからです。
そこで、日欧米の、
ここ半年の期間をみておきます。
こんどは、先ほどとまた
異なった見え方になりました。
独が突出していますね。
日米は、この半年に関しては、
マイナス圏で推移している最中です。
上昇する欧州、下降する日米
ともいえます。
この違いがおきたのは、
今年に入ってからです。
独は1月から明らかに上昇を始めましたが、
日米は下降しています。
1月からの相場は、
トランプ関税が大きな理由で動いていますので、
震源地である米国が
影響を受けるのは当然で、
相場は素直に反応しました。
日本も、米に従って
きっちり同期して下げています。
それでも上がった欧州と
下がった日本の違いはかなり対照的です。
なぜ欧州は上がったのでしょうか?
日経新聞では、ドイツ株の上昇は、
防衛株や人工知能(AI)関連銘柄が
相場のけん引役で大きく伸びた、
と1月にニュースしています。
が、それだけであれば、
日本だって上がっても良いはずです。
他の大きな違いが、
日欧の間に存在するに違いありません。
日本は金利が上昇中、欧州は下降中、
という理由はあるでしょう。
でもそれは、
昨年からわかっていたことで、
今年始まった理由でもありません。
トランプショックで揺れた米国が
関係あるとみてよいと思います。
米国売りの加速です。
昨年まで米国に流れていたマネーは、
欧州に逃げてきているのです。
だから、不思議なほど
欧州が買われている。
この流れは、欧米間での
トランプ関税の決着がつくまでは
変わらないでしょう。
こうした、
『今起こっていること』
を観てゆくと、
今後の見え方が
よく見通せる気もしますね。
あれこれ書いていると、
この続きを書きたくなりました。
次回、この続きを考えてみます。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。