From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
前回は、通貨に関して、
今起こっていることを
述べてきました。
基軸通貨であるドルが
トランプ関税を嫌気して
売られているという事は、
もうひとつの基軸通貨は
買われているということも
推測できますね。
もうひとつ、
というのは何でしょうか?
ユーロの事ではありません。
円?
まさか。
それは、金(Gold)です。
金は、立派な基軸通貨なのです。
いつでも市場価格で
売却もできます。
ただ、持ち運ぶには重いし、
本物であることを証明する
書類も必要ですけど。
ちなみに、
金のインゴット
(取引に使われる塊で、
いわゆる延べ棒) は、
なんと12.5kgもあります。
一般に、ドルと金は、
基軸通貨として相互に
補完関係にあります。
一方が売られると、
もう一方が買われる
傾向があるのです。
2000年の時には、
金1g 1100円でした。
いま、1gは 17,000円です。
ということは、
延べ棒は1本 2億円
ということになりますねぇ.
サイズは、案外大きくて、
2.5m × 6.4cm × 4cmです。
今年に入ってからの
価格の推移をみてみましょう。
NY市場では、
1オンスという単位で取引されます。
1月までは安定していましたが、
2月に入ると上昇しています。
トランプ政権の発足と
上昇時期が重なりますね。
金は5月に入り、
上昇が止まりました。
何かが起こったと考えられます。
まだ、通貨では、
ドルは売られています。
ドルの価値をみるには、
円、ユーロ、という
ひとつの通貨ではなく、
それらを総合的に加味した
ドルインデックスという
仮想ドルの計算値が役に立ちます。
FRBが開発したもので、
ユーロ57.6%、円13.6%、
ポンド11.9% カナダドル9.1%、
スイスフラン3.6%のウェイトで、
加重平均をとったものです。
goldと同じく、
今年になってからの
推移をみてみます。
金の上昇よりも一足先に、
下落が始まっています。
下落が止まった時期は、
金の上昇が時期とあっています。
これを見る限り、
確かに金とドルは
正反対に動いている。
動き始めた時期も合致するので、
マネーは、
ドルからゴールドにも逃げていった、
と仮説を立ててもよさそうです。
もう少し詳しく関係を分析すると、
こうなります。
ドルインデックスが上昇すると、
金がどれだけ下がるか、
いいかえると、
ドルインデックスが
どれだけ下がると、
金がどれだけあがるか、
相関をみたものです。
グラフに式をいれていますが、
これがxとyの関係です。
この式では、
ドルインデックスが
1ポイント下がると、
Goldは60.55ドル上昇する
ことが示されました。
R^2(決定係数)は、
金の価格を示すこの式が、
どれだけの説明力を
もっているかを示します。
金の価格は、
ドルインデックスの価格だけで
92%も説明できる、
ということが示されました。
ドルが下がると、
ほぼ確実に金が上がる。
ドルが上がると、
ほぼ確実に金が下がる。
という関係が、
少なくとも今年1月からは
完全に当てはまっています。
FX取引をしている方は、
こうした関係も意識して
トレードされるとよいでしょう。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。