今起こっている事:ドルと金

2025.6.11
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

前回は、通貨に関して、
今起こっていることを
述べてきました。

基軸通貨であるドルが
トランプ関税を嫌気して
売られているという事は、

もうひとつの基軸通貨は
買われているということも
推測できますね。

もうひとつ、
というのは何でしょうか?

ユーロの事ではありません。

円?

まさか。

それは、金(Gold)です。

金は、立派な基軸通貨なのです。

いつでも市場価格で
売却もできます。

ただ、持ち運ぶには重いし、
本物であることを証明する
書類も必要ですけど。

ちなみに、

金のインゴット
(取引に使われる塊で、
いわゆる延べ棒) は、

なんと12.5kgもあります。

一般に、ドルと金は、
基軸通貨として相互に
補完関係にあります。

一方が売られると、
もう一方が買われる
傾向があるのです。

2000年の時には、
金1g 1100円でした。

いま、1gは 17,000円です。

ということは、
延べ棒は1本 2億円
ということになりますねぇ.

サイズは、案外大きくて、
2.5m × 6.4cm × 4cmです。

今年に入ってからの
価格の推移をみてみましょう。

NY市場では、
1オンスという単位で取引されます。

1月までは安定していましたが、
2月に入ると上昇しています。

トランプ政権の発足と
上昇時期が重なりますね。

金は5月に入り、
上昇が止まりました。

何かが起こったと考えられます。

まだ、通貨では、
ドルは売られています。

ドルの価値をみるには、
円、ユーロ、という
ひとつの通貨ではなく、

それらを総合的に加味した
ドルインデックスという
仮想ドルの計算値が役に立ちます。

FRBが開発したもので、

ユーロ57.6%、円13.6%、
ポンド11.9% カナダドル9.1%、
スイスフラン3.6%のウェイトで、

加重平均をとったものです。

goldと同じく、
今年になってからの
推移をみてみます。

金の上昇よりも一足先に、
下落が始まっています。

下落が止まった時期は、
金の上昇が時期とあっています。

これを見る限り、
確かに金とドルは
正反対に動いている。

動き始めた時期も合致するので、

マネーは、
ドルからゴールドにも逃げていった、

と仮説を立ててもよさそうです。

もう少し詳しく関係を分析すると、
こうなります。

ドルインデックスが上昇すると、
金がどれだけ下がるか、

いいかえると、

ドルインデックスが
どれだけ下がると、
金がどれだけあがるか、

相関をみたものです。

グラフに式をいれていますが、
これがxとyの関係です。

この式では、
ドルインデックスが
1ポイント下がると、

Goldは60.55ドル上昇する
ことが示されました。

R^2(決定係数)は、
金の価格を示すこの式が、

どれだけの説明力を
もっているかを示します。

金の価格は、
ドルインデックスの価格だけで
92%も説明できる、

ということが示されました。

ドルが下がると、
ほぼ確実に金が上がる。

ドルが上がると、
ほぼ確実に金が下がる。

という関係が、
少なくとも今年1月からは
完全に当てはまっています。

FX取引をしている方は、
こうした関係も意識して
トレードされるとよいでしょう。

奥村尚

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