From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
今回は、私のチャートの見方を
一つのケーススタディとして
お伝えしてみます。
チャート分析は、
過去に一定の動きがあるとき
その動きから
将来を予想できるもの
という前提を置きます。
xx日移動平均を、
今の株価が上回ると、
売りのシグナルで、
yy日移動平均を、
今の株価が下回ると、
買いのシグナル。
というものは、その代表ですね。
例えば、
60足移動平均は、長期の動きから、
サポートラインと捉え、
上昇している局面における
下値の目安として有名です。
こうした、
いわゆるチャート分析を行って、
短期時間軸の
売買タイミングを計測し、
それをトレードに生かすところまで
行きつくには、
けっこうな経験が必要でしょう。
私は、仕事柄、
チャートを人に見せるために
作ることがおおいのですが、
まず、必ず長期から先に見ます。
ここでは、ひとまず、
10年単位での推移を眺める、とします。
今回は、縦軸は、
logにしたり、リニアにしたりして、
どの程度景色が変わるかも確認します。
さっそく、やってみましょう。
NK225の長期チャートを眺めてみると、
アベノミクス以来、
なかなか良い成長をしてきていますね。
まず、縦軸をlogにしてみます。
長期で推移を見る場合
一定の『べき乗』で伸びるカーブ
である場合、
直線で示されるので、
とてもわかりやすいスケールです。
このグラフを、エクセルで分析すると
株価yは、経過日数に対して、
x^9.94という関係がありました。
その関数を株価推移に重ねてあります。
その関数は、一直線に右上がりであり、
その傾きは、9.94というわけです。
毎年、9.94%の成長をしている
ということになります。
logで読むときのメリットは、
短期間での大きな上げ下げの反応が
スケールに対して非常に小さいので、
大きな流れを
つかみやすいことにあります。
半面、デメリットは、
それゆえに、短い期間での凹凸、
いわゆるリズムがわかりにくいことにあります。
では、リズムもみておきましょう。
10年を超える長い期間では、
どうしても上げ下げはあるのですが、
アベノミクス以降に関しては
1本調子とは言えませんが、
おおざっぱに言えば、上り調子です。
しかも、その中にも、
リズム、言い換えると周期が見えます。
だいたい2年半から4年くらいの周期で、
一つの上げ基調があり、
次の上げ基調に移行しているように見えます。
その周期と合わせて、
長期推移をみておきましょう。
手書きでリズムの山を重ねてあります。
どの周期も、
一度下がって、
その後加速度的に上がって、
最後は上がりきって次の波に移る、
という形になっています。
現在の周期は、
2023年7月からはじまるもので、
周期の中間点にさしかかっている。
次の波に推移するのは、
2026年から2027年というところです。
同じグラフの縦軸を
リニアにするか、logにするかで、
わかることが
全く異なってくることがわかりますね。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。