From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
世界で最も著名な投資家に、
ウォーレンバフェット氏がいます。
彼は先週に、
中国のBYDをすべて売却した
とニュースされましたが、
鋭い眼は健在ですね。
また、どの国にも通用する、
ユニークで有名な指数を
編み出しています。
一国の株式市場の時価総額は、
その国のGDPを超えると割高、
GDPを割ると割安、
との考えに基づいたものです。
その国の株式市場の時価総額を
その国のGDPで割って、
1を超えると割高、
1を割ると割安
ということになります。
このバフェット指数を、
日本のGDPおよび、東証プライムの
時価総額と合わせてみておきましょう。
その前に、
TOPIXのおさらいです。
TOPIXは、
東証プライム(旧一部)市場の時価総額を、
基準日を100として指数化したものでしたね。
東証プライムの時価総額というと、
これは、
プライム市場に上場する
全企業の価値(時価総額)
の合計になります。
東証には、プライム以外に
スタンダード(旧JASDAQ)、
グロース(旧マザーズ)という市場があります。
時価総額は、それぞれ、
プライムが1086.7兆円、
スタンダードは32.4兆円、
グロースは9.4兆円です。
東証全市場の時価総額を100として
各市場別にウェイトをとると、
プライム 96.3%
スタンダード 2.8%
グロース0.8%となります。
プライム市場の価値が
圧倒的であることがわかります。
つまり、
日本企業時価総額≒東証の時価総額≒プライム市場の時価総額
と考えてよいと思います。
ここでは、日本の時価総額として、
プライムをとって、
バフェット指数を計算します。
バフェット指数は、
昭和バブル期の1989年、
1.96まで上昇しました。
その後、株式市場は下落し、
1を割り込みます。
そして、2025年9月、
1.87にまで上昇してきました。
これは、1989年には及びませんが、
匹敵する割高さになっている事を示します。
昭和バブルは、
ピークを付けた翌年(1990年)、
4割ほど下落し、
バフェット指数は
1.96から1.14と
劇的に下落しました。
GDPそのものは
変わりはなかったのですが、
株価が劇的に下落したわけですね。
1989年年末には、
TOPIX は2881まで上昇しています。
これを超えたのは2024年ですから、
35年かかったことになります。
(TOPIXは、数度の計算方法変更があったため、
実際には1989年と2024年を
単純に比較できませんが、
やや複雑なので、今回は無視しておきます)
1989年に2881というピークを迎えたTOPIXは、
その3年後、1992年には、1309まで下がります。
実に、半分以下にまで暴落したんですね。
でも、その時のバフェット指数は0.79程度。
バフェット指数で
もっと下落したときをピックすると、
2002 0.45
2008 0.53
2011 0.47
でした。
2025年9月末時点での
バフェット指数は、1.87 です。
もし、バフェット指数が
2002年並みに落ちるとしたら、
TOPIXは、
765にまで落ちる計算です。
実に 今のTOPIXの1/4です。
この時、日経平均は、
同じ比率で下がるとすると、
なんと11,200円程度と計算できます。
ちなみに、2002年は、
日経平均は8578円でした。
デフレ経済で経済は低迷し、
米国のIYバブルが崩壊し、
多発テロも起きたときです。
時の内閣総理大臣は、
2001年の自民党総裁選を制した
小泉純一郎 でした。
今年もその時のように暴落する、
という趣旨ではありません。
一応念のため。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。