TOPIXから考える日本の相場

2025.10.1
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

世界で最も著名な投資家に、
ウォーレンバフェット氏がいます。

彼は先週に、

中国のBYDをすべて売却した
とニュースされましたが、
鋭い眼は健在ですね。

また、どの国にも通用する、
ユニークで有名な指数を
編み出しています。

一国の株式市場の時価総額は、
その国のGDPを超えると割高、
GDPを割ると割安、

との考えに基づいたものです。

その国の株式市場の時価総額を
その国のGDPで割って、

1を超えると割高、
1を割ると割安
ということになります。

このバフェット指数を、
日本のGDPおよび、東証プライムの
時価総額と合わせてみておきましょう。

その前に、
TOPIXのおさらいです。

TOPIXは、
東証プライム(旧一部)市場の時価総額を、
基準日を100として指数化したものでしたね。

東証プライムの時価総額というと、
これは、

プライム市場に上場する
全企業の価値(時価総額)
の合計になります。

東証には、プライム以外に
スタンダード(旧JASDAQ)、
グロース(旧マザーズ)という市場があります。

時価総額は、それぞれ、

プライムが1086.7兆円、
スタンダードは32.4兆円、
グロースは9.4兆円です。

東証全市場の時価総額を100として
各市場別にウェイトをとると、

プライム 96.3%
スタンダード 2.8%
グロース0.8%となります。

プライム市場の価値が
圧倒的であることがわかります。

つまり、

日本企業時価総額≒東証の時価総額≒プライム市場の時価総額

と考えてよいと思います。

ここでは、日本の時価総額として、
プライムをとって、
バフェット指数を計算します。

バフェット指数は、
昭和バブル期の1989年、
1.96まで上昇しました。

その後、株式市場は下落し、
1を割り込みます。

そして、2025年9月、
1.87にまで上昇してきました。

これは、1989年には及びませんが、
匹敵する割高さになっている事を示します。

昭和バブルは、
ピークを付けた翌年(1990年)、
4割ほど下落し、

バフェット指数は
1.96から1.14と
劇的に下落しました。

GDPそのものは
変わりはなかったのですが、
株価が劇的に下落したわけですね。

1989年年末には、
TOPIX は2881まで上昇しています。

これを超えたのは2024年ですから、
35年かかったことになります。

(TOPIXは、数度の計算方法変更があったため、

実際には1989年と2024年を
単純に比較できませんが、

やや複雑なので、今回は無視しておきます)

1989年に2881というピークを迎えたTOPIXは、
その3年後、1992年には、1309まで下がります。

実に、半分以下にまで暴落したんですね。

でも、その時のバフェット指数は0.79程度。

バフェット指数で
もっと下落したときをピックすると、

2002 0.45
2008 0.53
2011 0.47

でした。

2025年9月末時点での
バフェット指数は、1.87 です。

もし、バフェット指数が
2002年並みに落ちるとしたら、

TOPIXは、
765にまで落ちる計算です。

実に 今のTOPIXの1/4です。

この時、日経平均は、
同じ比率で下がるとすると、

なんと11,200円程度と計算できます。

ちなみに、2002年は、
日経平均は8578円でした。

デフレ経済で経済は低迷し、
米国のIYバブルが崩壊し、
多発テロも起きたときです。

時の内閣総理大臣は、
2001年の自民党総裁選を制した
小泉純一郎 でした。

今年もその時のように暴落する、
という趣旨ではありません。

一応念のため。

奥村尚

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