From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
もう、2025年も9月を迎えました。
今年も残りは(今月を入れて)4か月。
今年の9月というのは、
久しぶりに中央銀行が
世界金融の主役になるはずです。
まず、FRB。
世界の主役になります。
という言葉から、
さて、どうつなぐかな、、
と思いブログを書き始めたのですが、、、
8月25日あたりから、
日経平均の調子が
悪くなっていますので、
その説明を
しておきたいと思います。
まず、9月1日(mon) 前場における、
日経平均とドル円推移を
確認しておきましょう。
落ちましたね。
この発端は、
米国でのサマーシンポジウムです。
パウエル議長は、
8月22日のジャクソンホールでの
シンポジウムで講演し、
利下げに関する踏み込んだ話
をしました。
それを反映してこの日ドル円レートは
148円台から146円台へ、
大きくドル安(円高)が進みました。
この関係を、
もう少し掘り下げてみます。
もともと、中央銀行は、
金利を上下させることで、
雇用や景気を調整するのが仕事です。
雇用や景気の指標は、
マクロ指標と呼ばれ
金融市場から注目されるのは、
その指標で中央銀行が
金利を上げ下げするためです。
FRBが利下げするのは、
FF(Federal Funds)レート
と呼ばれる金利です。
ん。
フェデラルファンド?
なにかの投資信託?
これは、米国の市中銀行同士が
短期で貸し借りするときの
金利のことを指します。
この金利が、
中央銀行が指示した金利であり、
政策金利(あるいは誘導金利)です。
政策金利が下がると、
銀行同士の短期貸し借りの
金利が下がるので、
客に対しての
短期金利も下がります。
ひいては、
長期金利も下がってゆきます。
金利が下がると、
お金を借りやすくなります。
法人も個人も。
そうすると、
お金が回り、景気が浮揚します。
経済成長率も上がります。
また、金利を収入源とした商品
(たとえば定期預金)
の金利は下がるので、
通貨の商品の人気が冷めてきて、
つまりは米ドルは人気がなくなり、
ドル安になります。
金利が下がると、
債券で得られるもうけが
下がることになり、
債券市場から
お金が逃げてゆきます。
つまり結果として
株式は上昇、
通貨安をもたらします。
さて、米国では、
雇用や物価のデータ次第
という前提はあるものの、
もともと、
9月の利下げは
決定的となっていました。
それでなくても、
トランプ大統領が、
FRBの理事をクビにしたり、
利下げをしないパウエル議長を
名指しで非難した経緯もありました。
それに負けた
というわけでもないのですが、
しばらく停止していた利下げは、
9月に再開することが
確実視されていました。
一方米国の雇用統計は、
過去2カ月にわたって、
大幅に下方修正されて、
予想より悪化していたので、
雇用を守るために
利下げをする必要性が高まっていました。
とはいえ、
実際のところはどうなのか。
本当にFRBは
利下げするのか否か、
が注目されていた会議だったわけです。
シンポジウムで
パウエル議長の言葉が注目されたのは
言うまでもありません。
米国のドルが安くなるということは、
円から見ると円高をもたらすということです。
円高になると、
米国での収益が目減りするので、
日本株安をもたらします。
8月25日の週から、
日経平均が下げ基調に転じたのは、
そんな背景があったから、といえるでしょう。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。