From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
おはようございます。
日経平均はNY相場の余波を受け、
先週から今週にかけて大きく下げました。
その翌営業日にあたる
2月5日の日経平均は一時600円を超えて下げ、
引け値ベースでも前日比-592円を超える大きな下げでした。
さらに、2月6日の日経平均は、
前場で一気に千円を超える下げがありました。
一連のきっかけは
週末に始まったNY株式相場の
大幅な下げを受けたものでしたが、
ここでは、
その下げの要因を見るのではなく
過去の下げ…つまり大幅な下落の頻度から、
何らかの示唆があったかどうかを
考えてみたいと思います。
まず、2月5日、6日の相場を超える下落は
過去にどの程度あったのでしょうか。
過去に今回を超える
下落があった回数ですね。
過去の株価を使って
こうした検証をする場合、
一日600円、1000円という下落「幅」ではなく、
いったん下落「率」に、
言い換えるならばリターンにする必要があります。
なぜかというと、
例えば、昨年は株価は今より安かったし、
もっと以前は1万円を割っていたこともありましたね。
600円下落する場合、1万円の時は-6%ですが
2万円の時は-3%となります。
これでは同列に比較できません。
極端な例ですが、
日経平均が1000円だったときに仮に600円下げると
実に60%の下落です。
もちろん例です。
市場は銘柄ごとに決まっている値幅制限があるので、
指数が一日で60%も下落することはありません。
NYでは2月5日、
下げ幅は史上最高(1175ドル)でしたが、
これを率で見ると-4.6%。
最悪といえるレベルには達していません。
例えば、ブラックマンデーは508ドル下げました。
下げ幅は2月5日の半分ほどですが、
2250ドルから下げたので、
下げ率は市場最悪の-22.6%です。
たった一日で資産の22%を失ったのですから、
これは最悪といってよいでしょう。
ともかく、リターンを用いて(額ではなく率で)
過去の下落と比べてみることにします。
まず、2月5日は600円の下落でしたが
これは一日で-2.55%のリターンでした。
過去の相場で、日次ベースでこれを超える下落回数を
スクリーニングしてみます。
2月6日は、前場で1000円を超す下げになりましたが、
これは-4.68%のリターンで、
表の数値にはこうした大きな下げを含む
下落の頻度がスクリーニングされたことになります。
下表のようになりました。
量が多いので一回あたりのリターン(下落率)は割愛しています。
昨年はゼロ。
つまり2月5日を超える大きな下落が
一度もありませんでしたが、
-2.545%を超える下落は
ほぼ毎年のように起こっていたことがわかります。
2008年が突出してその回数が多いのは、
リーマンショックが起きたからです。
1949年以降、
69年間で平均7.19回/年でした。(2018年は含まない)
つまり、一昨日の下落を超える程度の下落であれば
過去、年間7回以上も平均的に起きていて
今回もまた、それにならうかたちで
起きたということになります。
年間7回というと、
二か月に1回(年間6回)を超える
頻度ということになりますね。
これは、定期的によく起こる事象といって
差し支えない頻度でしょう。
では、こうした下げが続くようなことが
頻繁にあったのでしょうか。
調べてみると、
二日連続、あるいは、一定期間の中で
頻繁に今回の規模の下落を続けたときも結構ありました。
また、今回の下げと似たケースもありました。
このあたり、みなさんも気になると思います。
日付と時事の突合せをしながら
書き記したいのでただいま調査中です。
次回までにまとめておきたいと思います。
では、次回をおたのしみに。
追伸:
相場が大きく動く局面ですので、
こういった時にはより多くの情報を
発信したいと考えています。
今もちょうど個人投資家のみなさんへ
向けて新しいお知らせを準備中です。
近日詳細が公開されると思いますので、
そちらも楽しみにしていてください。
・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。
マスコミは、下落額で大暴落を報じる事が多いですから、下落率で説明されると、結構起こり得る事であると理解出来ます。
どちらにしても、慌てないことですね。
貴重な統計ありがとうございます。戦後から今回までの暴落、こんな風にまとめて下さる方がおられると
有難いです!2か月おきくらいにこんな大きな暴落があるとは驚きでした。日経平均が上がり過ぎて買えないと思っても
このような度々ある暴落のチャンスを待って買えばいいのかと思いました。
急下落、明日は回復かわからないときは今日のような寄付きの戻りで手仕舞うほうがよかったと、後になって思っています。過去では、「頻繁に今回の規模の下落を続けたときも結構ありました」とあるように一時回復時に手仕舞い軽くして、この下落を「押し目」として入り直すことも覚えることが大事と勉強になりました(たぶん)。こんな時にこそ「空売を仕掛ける」でしょうか。