年度末は円高になりやすくなる理由

2019.11.27
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

前回は、FXの実需とスワップという
考え方を紹介しました。

ここでは、レパトリという
考え方をご紹介します。

レパトリとは、レパトリエーション
(Repatriation だがレパトリで通じる)、の略です。

海外にある資金を、
本国に戻すことをいいます。

たとえば、海外子会社の利益、
海外資産を売却した際の資金を
戻す時に使われる言葉です。

レパトリも、実需で大きく為替相場を
動かす原動力になるものです。

米国では、ブッシュ政権時に、
レパトリで戻ってきた
資金に課される法人税を、

時限立法で2005年に限定して
減税をしたことがあります。

還流時の本来の税率は35%でしたが、
それを5.25%に下げて、

1年という短期に限定して、
レパトリを促進させたのです。

結果、3,100億ドルの
海外利益の米国還流をし、
ドルを強くして成功しました。

これは、凄い金額です。

結果、この時期、ドル円レートは
104円から117円まで、
13円の円安ドル高をもたらしました。

この当時は、米国企業の海外留保利益は、
1兆ドル程度であり、その31%を
還流できたことになります。

海外の資金を国内に還流させ、
設備投資や雇用の拡大に役立ちました。

また、企業はそのお金で
自社株買いを大幅に増加させ、
株価にプラスをもたらしました。

トランプ大統領も同じことを
公約に挙げていて、

実際、2018年12月に
レパトリ減税を行いました。

2018年から、法人税を
35%から21%に減税し、
レパトリ減税も35%を15%(一度限り)としたのです。

実は、民主党の候補であったヒラリー氏も
同じく公約に挙げていたので、
民主党の賛同も得られづらかったのです。

米国が米中貿易戦争をしていても、
やけに株価が高いのは、
こうしたレパトリや減税の理由もあったのですね。

ただし、2018年のレパトリ減税は、
「1回限りだが、1年限定の法律ではない」
という点で恒久減税です。

従って、2005年ほどの
効果は出ていないといわれています。

ドル円レートを確認してみましょう。

あれ、ドル高どころか、円高になっています。

もしかすると、ドル円を見ては
いけないのかもしれません。

ドルインデックスを見直してみましょう。

ドルインデックスというのは、
欧州を中心として世界通貨に対する
ドルの強さを示すものです。

これでわかりましたね。

2019年は、ドルは世界に対しては
強くなっているのです。

しかし、円に対しては、弱くなっている。

ドルの強さを見るときには、
ぜひドルインデックスも
合わせてみると良いでしょう。

ちなみに、クリントン政権時の
ルービン財務長官も、

強いドルは国益にかなうとして
ドル高政策をとりました。

ドルが強いと、米国は購買力が強くなるので、
それでよいのですが、
困ったのがアジアです。

多くのアジア通貨は、ドルペッグと呼ばれる、
米ドルとリンクする制度を採用しており、
ドル高=自国通貨高となり、輸出鈍化を招きます。

余談ついでですが、
実力を超えて過大評価された通貨は、

一気にヘッジファンドが売り浴びせて、
通貨をいじりに来るので、
経済がボロボロになります。

さて、日本企業にとって、
3月は決算です。

日本企業の海外現地法人の利益を
日本に持ち帰り、決算書に
利益として乗せる時期です。

当然、日本円で利益を表記するので、
外貨を円に換えておく必要があります。

これを3月末日までに実現益として
確定させることが多いので、

年度末は、外貨売り、円買い、
つまり円高になりやすくなります。

過去4年間をみると、直近3回は、
年が明けてから円高になっていることがわかります。

下落幅は年によりさまざまですが、
数円は円高になっていますね。

これは、レパトリの影響と考えられます。

また、海外から見ると、
10-12月期はレパトリの時期であり、

円を売って自国通貨に変換し、
自国に還流する時期です。

従って円安になりやすいのです。

今のドル円レートは、金利だけではなく、
いろいろな参加者のそれなりの
行動パターンがあり、

それぞれ、それなりの理由があって、
結果、円安になりやすくなっている、と
言えると思います。

奥村尚

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