TOPIX先物の世界

2014.12.20
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From:中野英
表参道より、、、

まさに冬を感じますね。
なんだかとっても気持ち良いです。

だってこの数年は暖冬ばかりで
季節感が本当になかったですもの。

先日も関西に出張の際に
新幹線の車中から雪景色を見て
とっても嬉しくなりました^^

得体の知れない季節より
やはり分かりやすい季節が
やっぱり生きていると強く感じます。

得体が知れないというか、
よく分からないものとあまり
理解されていないものに「TOPIX先物」があるんです。

前回は、『世界最大の仕手株』とも
揶揄される、《日経225先物》についてお話ししました。

今回は、もう一つの代表的な
株価指数先物である、《TOPIX先物》に
ついてお話ししたいと思います。

まず、《TOPIX》がどんな数値なのかですが、
一般的な『分かりにくい表現』をすると・・・

《東証一部銘柄の時価総額》を数値化したもの
・・・となります。

この表現、意味が
分からない方もいるかもしれません。

なので、【日経225先物】と
対比しながら、少し説明をします。

《日経225先物》は、
『身長(高さ)の平均値』と言えます。

 
もし体重が軽ければ、簡単に
持ち上げることが出来るので、
平均値を高くすることが容易に出来るのです。

株式市場で《体重》と
同義語になるものが、《浮動株》ですね。

株式市場での潜在的な最大の
《売り数量》は、《発行済み株式数》となります。

ただ、まず売ることがない《特定株主》と
いう存在がいますので、日常で売りが出てくる
株式は《浮動株》と言ってもいいでしょう。

もし、《浮動株》が少なく、
『売りに出てくる株式数が少ない銘柄』だった場合、
少額資金で株価を上げることが出来ます。

それほど資金力のない《CTA》が、
【225先物市場】を主戦場とする理由でもあるのです。

それに対して【TOPIX】先物は、
『体重(重さ)の平均値』と言えます。

体重の軽い(株数の少ない)銘柄の
株価を上げても、平均値はほとんど上がりません。

体重の重い(株数が多い)銘柄の
株価が上がるほど、平均値が上がります。

いわば、
『しっかりした力が
なければ上げることが出来ない』数値です。

ここでいう『力』を
株式市場に当てはめると、《資金力》となります。

資金の大部分を、《TOPIX》を
ベンチマークとして運用している
世界最大の機関投資家が、《GPIF》です。

《TOPIX》での運用ということは、
『東証一部の銘柄(条件あり)を全て持っている』とも
言えますので、それだけでも絶大な資金力が分かるというもの。

そして、《TOPIX》型の運用を
する投資家のもう一つの特徴が、
『現物株での中長期的な運用主体者が多い』ということです。

よく言われる
『バイ&ホールド』タイプの投資家です。

そういう事情から、普段は
《225先物》ほど目立った手口は表れません。

しかし、もし《TOPIX型の売買》・・・
特に《TOPIX型の売り》が出てきたら・・・

それは、『資金量の豊富な投資家が売りを出してきた』
と表現することも出来ます。

そして決まって《TOPIX型の売り》が
出始めると、そこから数日・長ければ数週間続く傾向があります。

最初は《TOPIX型の売り》だけなので、
【ジワジワ】と下げ始めるのですが・・・

次第に、《CTA》など
『投機家のロングポジションの投げ』などを誘発し始め・・・

最終的には、《TOPIX型の売り》の
流れに乗ろうとする投機家の《225先物空売り》をも巻き込んで、大暴落。

このような動きが出てきたところで、
『下げ止まり ⇒ 反発』となるパターンが多いです。

このパターンになりがちな理由は、
『潜在的な売り手と買い手』という
目線で考えてみれば、すぐに分かります。

まず、『売る可能性のある投資家』を考えてみます。

① 《TOPIX型の売り》を出す投資家

② ロングポジションを組んでいる《CTA》などの投機家

③ ポジションはないが、収益機会を狙っている投機家

①の投資家の全ての売り数量を《100》とすると、
売っていくごとにその数量は減っていきます。

次に、その下落に巻き込まれた②の《CTA》の売りが出て、
投機家のロングポジションも減っていきます。

そして、③の《空売りで参戦》する投機家が
売り始める段階まで来ると、①と②の投資家の
売りは最終段階に入っていることが多々あるんです。

つまり、『売りは枯れる寸前』かつ
『③の売り手は、買い手に変わる』

ここで、《売り方・買い方の勢力図が逆転する》
ことが分かると思います。

下落のパターンで・・・

【ジワジワ】 ⇒ 【ドカン】 ⇒ 【急速な戻り】 

・・・という値動きが多い理由は、
大抵この流れによるものです。

ただしこの流れは、買い手が
《売らない投資家》であることが前提の話ですね。

買い手が『頻繁に売買を繰り返す』ような
投機家だった場合、買われたものが再び売りに出てきますので・・・

『買っては投げ、買っては投げ』

・・・という、負のスパイラルに陥っていきます。

あくまで、下げ止まるには・・・

『《売りたい投資家》から【売らない投資家】への株式の受け渡し』

・・・が必要であることを、
覚えておいてください。

次回は、一年間の
《月々の値動きの特徴》について
書きたいと思います。

ー中野

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