From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
2020年のノーベル経済学賞は、
なんと、オークション理論でした。
これについて、
いろいろ思ったことがあります。
まず、予想だにしなかった分野で
ビックリしました。
オークション市場は、
今後重要なビジネスになってゆく
と思いますが、
ノーベル賞を出すほど、
理論でも重要な分野である
といえるのです。
オークションといえば
最も普及しているのは、
英国式オークション
(価格競り上げ式オークション)
と呼ばれます。
サザビーズやクリステーズのような、
絵画や骨とう品のオークション
がこの方式です。
一方、
バナナのたたき売りは、
オランダ式オークション
(競り下げオークション)
と呼ばれます。
政府の払い下げなどは
封印形式のオークション、
ヤフオクは自動入札
(ネットオークション)です。
いろいろな方式がありますね。
実は、
資本市場でも普通に使われます。
東証やニューヨーク証券取引所では、
株式の売買を成立させる方法として、
古くから使われてきました。
価格優先、時間優先
という競争売買ですね。
===============
価格優先
===============
買う側は、なるべく高い株価
を指値して提示する人を
優先して権利を与える。
売る側は、なるべく安い株価
を指値して提示する人を
優先して権利を与える、
という価格優先が
まずルールとして定められます。
===============
時間優先
===============
次のルールは、おなじ価格で
売りたい人に関しては、
最初に提示した人から
どんどん権利を与え、
約定させる時間優先が定められます。
このルールは、世界の市場で
オーダードリブン(注文駆動型)
として普及している方法で、
オークションの一つの方法です。
全ての市場参加者に
公平に機会が与えられる
メリットがあります。
東証、ニューヨークの他、
ユーロネクスト、多くのアジアの
証券取引所が採用しています。
一方では、
オーダーが入らない時には
売買が成立しないので
値段が付かない状況
が発生する欠点があります。
そこで、マーケットメイク方式
という方法も普及しています。
この方法は、マーケットメーカー
という値付けを行う業者が
買いと売りの価格を提示し、
市場参加者からの買いや売り
の注文を受け付けるという方法です。
各銘柄に関して、
マーケットメーカーが
必ず一人以上いて、
必ず市場参加者の注文に
応じないといけません。
必ずマーケットメーカーが
価格をつけるので、
クォートドリブン(気配駆動型)
と呼ばれます。
クリック365、Nasdaq、
ロンドン証券取引所が採用しています。
そして、多くのFX市場も
この方式です。
外国に行くと、
飛行場にある銀行で、
We sell JPY 106
We buy JPY 103
などと、レートを提示していて、
そうした銀行が並んでいますね。
あれです。
大証FXは、マーケットメーカーが
提示するレートのほかに、
オークション方式で、
一般投資家が出した指値注文も混ざる
ハイブリット型が採用されています。
今回、このオークションに関して、
出品者の経済的な最適化と
応札参加者のチャンスの公平化を
併せ持った手法に関して
の理論が評価されて、
ノーベル経済学賞が与えられました。
このテーマは、素晴らしい観点である
と同時に、従来のノーベル経済学賞
の受賞分野とは一線を画しています。
既存分野(いわゆる
ミクロ経済、マクロ経済、
あるいは、金融理論や投資工学)
は欧米が圧倒的に進んでいて、
日本は完全に劣後しています。
こうした分野ではノーベル賞は
一生無理、とさえ思います。
しかし、もしかすると、
今回のようなテーマであれば、
日本からもノーベル経済学賞
が出る可能性がある、と思います。
奥村尚
<編集部のオススメ>
投資の世界から退場したくない方へ
40年の歳月をかけて編み出した
トレードに対する私の答え
をお教えします。
人数を限定してお伝えします、
ぜひご確認ください。
↓
http://japan-i-school.jp/jim/ryujiji_201020/
・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。