先週末の株式市場の下落要因と今後の見通し

2021.2.3
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

先週後半、株式市場は
最近としては大きく下げて
週末を迎えました。

日本だけではなく、
NYも同様の動きでしたね。

恐怖指数として名高い
シカゴVIXが大きく上昇したのも
下げた理由ですが、

ではなぜVIXが上昇したかと言えば、
理由は明確ではありません。

ニュース報道では、
上がるにしても下げるにしても、
何らかの理由をつけたがっているのですが、

たとえば、

ワクチンの普及がうまく進んでいないので
下げた、とか、
依然としてコロナウィルスが蔓延しており
経済への懸念から下げた、とか、

記者の思い入れで理由をつけていました。

でも、こうした理由は
先週後半に突然発生したものではないので、
(理由のひとつにはなるかもしれないけれど)

それだけが理由で下げたというほどの
単純なことでもなさそうです。

VIXの推移をみておきましょう。

VIXが上がったのは、
その原資産であるSP500という
米国の時価総額型株式指数の

今後30日間のインプライドボラティリティが
上昇したからです。

VIXにおけるインプライドボラティリティとは、
今後30日におけるSP500の
現在の水準からの予想範囲を示します。

SP500の予想範囲は、
VIXを√12で割ったものに
%という単位をつけると厳密に計算できます。

ちょっと試してみましょう。

1月の取引最終日である
1月29日のVIXの引け値は33でした。

これを√12 で割ると、
33 ÷ √12= 9.5
%をつけると9.5%です。

これはオプション取引市場が示唆する
SP500の今後1か月の幅は
±9.5%ということになります。

これはかなり大きな値幅であり、
それだけ起伏が大きくなることを
市場は予想した、

つまり、

(上にも触れるかもしれないが)
下落に触れる危険を感じたので、
VIXが大きくなったのです。

VIXがなぜ上がったというと
しいていえば、相場の勢い、波
のせいであると思います。

相場の勢いがなくなった、あるいは
弱まったということですね。

では、これから下がるのか?

というと、

一つの勢いのある波が終わっただけです。

どうせまた、勢いのある波はすぐきます。

「根拠はあるのか?」

あります。

恐怖指数には、日本や欧州の
オプション取引から導かれる
日本の恐怖指数や欧州の恐怖指数
もあります。

日欧の恐怖指数はあまり影響を受けていないのです。

米国のVIXが急上昇しただけです。

中央銀行が方針を変えない限り、
大勢としては影響ないとみてよいと思います。

奥村尚

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