原油高と円安で日本はどうなる?

2021.11.3
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

OPEC+という会議体があります。

もともと、OPECは、
メジャー(国際石油資本)から
産油国の利益を守るために
1960年に設立された組織です。

OPEC+は、OPEC加盟国に
非OPEC国10か国を加えた国々です。

経産省資源エネルギー庁が
出している2019年の資料では、

基準量はこのようになっていました。

これをみると、サウジとロシアが
突出して生産量が大きいことがわかります。

世界の産出量で
サウジは世界二位(産出シェア12%)、
ロシアは三位(同11%)です。

OPEC+には入っていませんが、
世界一位の産出国はUSA(シェア19%)
です。

ちなみに四位はカナダ(5%)、
五位は中国(5%)で、

やはりOPEC+には入っていません。

さて、

10月4日のOPEC+の会合では、

協調減産を縮小する方針を維持する

と確認しました。

原油輸入国からは、
減産縮小(要するに増産)を
求められていたわけですが、

それを見送ったのですね。

その結果、NY市場では原油は上昇、
7年ぶりの高値を付けました。

今年1月には1バレル50ドルでしたが、
いまは80ドル。

年初から6割もあがっていて、
その高値で安定しています。


原油の在庫も
歴史的な水準に落ち込んでおり、

原油不足ですね。

11/4にOPEC+が再び開催されます。

この時を境に、さらに一段、

原油高が進む可能性もあります。

石油を輸出している英米を例外として、
先進国には逆風です。

原油高が定着すると、
輸入エネルギー価格は上昇しますから、
企業の原材料価格は上昇します。

これから冬に向けて、
個人生活費にも逆風になります。

海運の価格はさらに上昇し、
輸入物価も上がります。

せっかく個人消費が
上向いてきているこの時期に

原油高はいかにもタイミングが悪すぎます。

特に日本にはキツい状況になっています。

原子力規制委員会のHPによると、
日本は大半の原発を停止しています。

東電のHPによると、火力発電で
8割のエネルギーを賄っていますから、

発送電コストの上昇分は
利用者が負担することになるでしょう。

悪い事に、円安が進んでいるので、
さらに輸入コストが上昇しそうです。

簡易的な計算ですが、

原油高と円安が続くと
1.2%-1.3%程度はGDPを押し下げる
インパクトがあります。

2021年の日本の経済成長率は
IMFの予想では2.4%(10月時点)なので、

その半分はエネルギーや円安で
吹っ飛ぶことになります。

この懸念が数字で表れるのは
来年になりそうですが、

こうしたビハインドを挽回するために
個人消費を伸ばせられるかどうかが
ポイントになるでしょう。

新しい内閣の政策に期待しましょう。

奥村尚

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